戦略的営業ツールを足すとき、やめる判断は誰の仕事ですか
戦略的営業ツールを一つ足す判断は、比較的すんなり決まります。ところが、いま使っているものをやめる判断は、誰の担当にもなっていません。やめる判断に持ち主を置けるのは、新しく入れる側の担当者です。使っている側からは、その道具が他の誰かの役に立っているのかどうかが見えないのです。
なぜ、やめる判断は誰にも回ってこないのか
決められるのは足す判断だけです
戦略的営業ツールとして新しいものを入れる判断は、目的をその場で言葉にできます。この場面が重いので軽くしたい、この情報が行き渡っていないので行き渡らせたい、といった言い方ができます。だから稟議も通りますし、担当も決まります。前向きな動きとして扱われるのが自然です。一方、いま使っているものをやめる判断は、誰の手元にも置かれていません。入れたときの担当者は数年のうちに別の役割へ移り、引き継いだ人は、その道具がどんな課題に対して選ばれたのかを聞いていないことがあります。現場の側も同じです。自分は開いていないけれど、他の拠点の誰かは使っているかもしれません。そう考えるなら、止めようと言い出す理由はありません。たとえば、ある担当者が訪問の直前に、お客様の状況を確かめようとしたときのことです。同じ顧客の記録が二つの画面に分かれており、どちらが新しいのかは開いてみないと分かりません。結局、両方を開いてから出かけることになります。手が止まるのは、作業が増えたからというより、どちらを見ればよいのかを毎回決め直しているからなのです。
要らない判断は記録に残りません
販促のために作られた資料の六割から七割は、営業チームで実際には使われていません(出典:Forrester)。同じことが、いったん入れた道具にも起きています。要らないと判断された事実だけは、どこにも記録として残らないまま流れていくのです。
やめる判断を、入れる側に置く
やめる判断を、使っている人の側に求めても動きません。使っている人には、他の誰かの使い方まで見えないからです。そこで、新しく入れる担当が、それが何の代わりになるのかを言えることを条件にします。置き換える対象の名前と、置き換えたあとに開かなくなるものまで書ければ、判断の持ち主は入れる側に移ります。
代わりが言えないときは、置き換えではなく、足しているだけです。足すこと自体は問題ではありません。ただ、一つ増えるたびに、同じ用途のものが横に並びます。並んだ先で現場が抱えるのは、作業の量よりも、どれを開くかという迷いです。
言葉の上で代わりになっていることと、実際の会話で代わりになっていることは違います。書き換えた説明が、お客様を前にしたとき、そのまま口から出るとは限りません。営業企画の担当者が確かめたいのは、その道具を使って現場がお客様にどう話すのか、という一点にあります。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
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何を残すのかを、基準として書けます
自社の面談手順の取り込み
UMU AIロープレを活用し、自社が定めた面談の進め方や、業種ごとに外せない確認事項を、AIの採点の土台として登録できます。新しい道具を入れる担当は、その土台に何を書き足し、どの項目を落とすのかを決めることになります。落とす項目まで書けたときが、置き換えが成立した合図です。
重なりは、記録の側から見つけられます
練習状況の集計画面
営業企画の担当者は、どの場面がどれだけ練習され、どの項目で点が伸びていないのかを一覧で確認できます。同じ用途の練習が二重に並んでいれば、記録の側から気づけます。AIに任せられるのは、繰り返しの練習と、採点の目線をそろえるところまでです。何を残して何を止めるかの判断は、引き続き人が担う仕事と言えます。
代わりになっているかを、会話で試せます
受け答えで出方が変わるAI顧客
UMU AIロープレでは、AIのお客様役がこちらの出方に応じて態度を変えます。新しい道具に載せた説明を、そのまま声に出して話してみると、用意した言い回しが通る場面と、通らない場面が分かれます。現場がお客様にどう話すのかを一度通せば、置き換えたつもりでいた部分が、まだ置き換わっていないと分かるのです。
置き換えとして取り入れた企業があります
体外診断分野の医療機器
体外診断の分野で医療機器を扱う企業では、営業の育成が対面での一対一の指導に頼っていました。指導にあたる人数は限られており、回数を増やすほど担当者の負荷が上がる状態でした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、対面の指導が担っていた部分を、AIを相手にした模擬練習へ入れ替えました。
その後、同社は次の段階として、実際の訪問に近い対話の練習へ切り替えています(出典:導入企業へのヒアリング)。段階を進める判断はいずれも同社の側が主導しており、前のやり方を残したまま新しいものを重ねる形にはなりませんでした。
通信キャリア系の販売店運営
通信キャリア系で店舗運営を担う企業では、出店と採用の速さに育成が追いつかず、接客の練習と、コンプライアンスに関する学習とが、それぞれ別の予定として並んでいました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、接客の場面と守るべき確認事項とを、一本の対話シナリオの中に組み合わせ、別々に用意していた二つの機会を置き換えました。
その結果、新しく入った人が独り立ちするまでに必要な練習を、以前より短い育成の期間で一通り終えられます(出典:導入企業へのヒアリング)。二つを並べたまま残さず、片方をやめたところに、この判断の形が表れています。