営業の育成に施策を足しても現場が変わらない理由
営業の育成として研修の回数を増やし、教材も作り直したのに、現場の商談は以前とほとんど変わっていない、という状態にある組織があります。手を入れた先が、もともと形になっていた領域に偏っていたのかもしれません。育成が扱う対象を層に分けて並べ直すと、手つかずのまま残っている場所が見えてくるのです。
施策を足しても商談が変わらないのはなぜか
測れる層にだけ手が入っています
営業の育成が扱う対象は、大きく四つの層に分かれます。商品や制度についての知識、決まった手順としての進め方、相手の反応に応じて変わる対話、そして案件ごとに下す判断です。このうち知識と手順の二つは、資料に落とせます。確認テストで到達度も測れるため、教材を改訂する、eラーニングを追加する、といった手も打ちやすくなります。人材育成の担当者が最初に着手するのも、たいていこの二つです。一方、相手の反応に応じて変わる対話の層は、資料に落とせません。案件ごとの判断も同じです。到達したかどうかを確かめる手段がないため、施策の対象として議題に上がりにくく、結果として空白のまま残ります。施策を足しても現場の商談が変わらないとすれば、すでに形になっている層ばかりを厚くしているからなのです。
テストの点数と商談結果がずれます
商品知識の確認テストは全員が合格しているのに、同行した商談では、価格の話が出た途端に説明が止まってしまう場面があります。人材育成の担当者なら、この落差に心当たりがあるはずです。テストが測るのは知識の層であり、価格を出された瞬間の受け答えは別の層に属します。合格率の高さは、対話の層について何も語っていないと言えます。
どの層に、どの手段が要るのか
いま動いている施策が四つの層のどこに当たるかを、一つずつ並べてみます。研修、教材、確認テスト、同行。この作業だけで、施策が知識と手順に集中していることが見えてきます。
層ごとに、到達度を確かめる手段があるかを分けます。知識と手順には確認テストがあります。対話と判断には、同行したマネージャーの印象しか残っていないことが多いはずです。
道具で埋められる層と、人が担い続ける層を切り分けます。相手の反応に応じた対話は、練習の回数を重ねられる環境があれば埋められます。案件ごとの判断は、背景を知る人の指導が引き続き必要です。
対話の層も、練習の対象にできます
反応が変わるAI顧客との対話
UMU AIロープレを活用することで、AIが顧客役を担います。職種や性格、話し方の異なる顧客像を複数設定でき、担当者の話し方に応じて相手の出方も変わります。資料には落とせなかった対話の層を、練習として扱えるようになるのです。
印象で語っていた部分を、数値で示せます
プロセス別の評価レポート
練習が終わると、導入トーク、ヒアリング、情報提供、異議対応といったプロセスごとに、スコアと改善点が出ます。評価の基準は、自社の商談プロセスに合わせて設定できます。印象で語るしかなかった層について、人材育成の担当者が数値で状況を説明できるようになります。
人が担う指導に、材料がそろいます
チーム課題が見えるダッシュボード
AIが担うのは、反復練習と評価の標準化です。目標設定や動機づけ、案件ごとの判断への助言は、引き続きマネージャーの役割になります。ダッシュボードには段階別の状況が集まるため、L&D部門は個人の課題と組織全体の課題を切り分けたうえで、誰に何を指導するかを判断できます。
対話の層を埋めた企業の取り組み
体外診断分野の大手企業
体外診断分野のグローバル大手企業では、5名の研修担当者が1,500名を受け持ち、対話力の認定は四半期に1回に限られていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、自社が定めた5つの商談プロセスに沿って、準備ができた人から随時認定を受けられる体制を整えました。
その結果、認定通過者の実訪問における成約率が22.4%向上しました(出典:導入企業へのヒアリング)。
日本大手の医薬品メーカー
日本大手の医薬品メーカーでは、新任チームリーダー約100名が、コーチングを学んでも1on1で使いこなせない状態でした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、1on1で必要になるコーチングの型を、全3セッションに分けて繰り返し練習しました。
その結果、第3セッション時点でコーチングを実践した割合が98.1%に達しました(出典:導入企業へのヒアリング)。人が担う指導そのものが動いた事例と言えます。