間隔型学習は、思い出す機会を挟んでから
研修の翌日には答えられた内容が、数週間後の商談では出てきません。時間を空けて繰り返す間隔型学習は知られた進め方です。ただ、間隔を空けて資料を送り直すだけでは、思い出せる状態には戻りにくいのです。
間隔型学習とは、時間を空けて繰り返す学習
時間を空けて、複数回に分けます
間隔型学習とは、同じ内容を一度にまとめて学ぶのではなく、時間を空けて複数回に分けて学ぶ進め方です。分散学習とも呼ばれます。対になるのは、研修当日に内容をまとめて扱い、その場で理解を確かめて終える集中学習の形。1日で扱っていた量を、2週間おきの3回に分け直します。同じ総時間でも、間を置いて渡したほうが後まで残りやすいという考え方が、この組み替えの前提にあるのです。
決めるのは間隔と、その回の中身
組み立てるときに決める要素は、いつ戻るかと、戻ってきた回に何をするかの二つです。前者は、次に同じ内容へ戻るまでにどれだけ空けるかという日程の話。後者は、その回に受講者へ何を求めるかという中身の話です。研修の現場では、前者だけが日程として決まり、後者が復習の案内を送る形で埋まることが少なくありません。二つがそろって初めて、間隔型学習は研修の進め方として成立すると言えます。
なぜ復習を重ねても思い出せないのか
読み返しと、思い出す作業は別
間隔を空けて同じ資料をもう一度読む形では、目は文字を追いますが、頭は答えを探しません。読み返しは、内容が手元にある状態での確認。資料を閉じた状態で、自分の記憶から答えを取り出す作業とは、頭の使い方が違います。間隔は、その作業が入るための条件にあたるのです。空けた時間の後に何も求めなければ、回数を重ねても、通し読みを繰り返しただけになりやすくなります。
同じ日程が、全員に合うとは限りません
空ける長さも、一律には決められません。目安になるのは、扱う内容の難しさと、受講者がすでに持っている知識の幅の両方。同じ製品研修でも、配属直後の受講者と担当歴を重ねた受講者とでは、思い出せなくなるまでの時間が違います。一律に2週間おきと決めれば、早すぎる回と遅すぎる回が、同じ研修の中で生まれると言えます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
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日程で閉じる企画と、回数分の課題づくり
企画は実施日で一区切りになります
研修は日程を単位に企画され、実施日を終えた時点で一区切りとなります。2週間後、1カ月後に思い出す機会を置く工程は、誰の担当としても組み込まれていないことが少なくありません。ニーズの調査からコース設計、講義、実施後のフォローまでを1人で兼任していれば、実施日の翌週には次の研修の準備が始まるのです。
同じ設問の使い回しは効きません
回ごとに求める中身も、同じものを使い回せません。同じ設問を3回続ければ、受講者が覚えるのは答えの位置だけ。切り口を変えた課題を回数分そろえる必要があり、制度や製品が改定されれば、そのすべてが見直しの対象に入ります。
回ごとの課題づくりを、一から始めない前提へ
回数分の案を、一から書きません
資料の整理、回ごとの切り口の組み立て、設問や課題の初稿づくりといった準備をAIが引き受けると、講師が回数分の中身を一から書き起こす前提ではなくなります。同じ内容について、自分の言葉で説明を求める回、条件を比べて選ばせる回、実際にやってみせてもらう回。こうした案があらかじめ並んだ状態から、手を入れて仕上げる形に近づきます。
実務に合うかの判断は人が担います
ただし、AIが用意するのは案までです。回の間隔が受講者の経験の幅に見合っているか、想定した状況が自社の業務に即しているか。この確認と手直しは、引き続き講師が担います。準備がなくなるわけではなく、労力の向け先が、課題を書き起こす作業から、中身が実務に合うかを見定める作業へ移ると考えるほうが実態に近いと言えます。
間隔型学習は、事後のフォローから設計の中へ
2回目、3回目まで先に決めます
研修後にリマインドの連絡を送る形から、コースを組む段階で2回目、3回目に何を求めるかまで決めておく形に移りやすくなります。1回あたりに必要な時間は短くなるため、集合研修の日程を追加で確保できないときも、業務の合間や移動中に短い回として置けます。
分かるのは、課題の上での状況まで
回ごとの答えが記録に残るため、講師は、どの内容で理解のずれが繰り返し起きているかを見分けやすくなります。ただし、そこから分かるのは、用意した課題と条件のもとでの学習の状況まで。業務の中で同じ判断ができているかどうかは、現場での観察や上司との面談を通じて確かめることになります。
重要なポイント
間隔型学習が定着につながるかどうかは、どれだけ間隔を空けたかだけでは決まりません。空けた時間の後に、受講者が資料を閉じた状態で自分の記憶から答えを取り出す回が入っているか。これも、結果を分ける要素の一つです。読み返しだけを間隔ごとに繰り返す形では、回数を重ねても通し読みに近づきます。
同じ内容へ戻る回について、受講者に何を求めるかまで決めたうえで、日程を引く順序が現実的です。あわせて、回の数が、制度や製品の改定時に手を入れ続けられる範囲に収まっているかも確かめます。この二点を先に押さえておけば、一度の企画で終わる形から抜け出しやすくなるのです。