新卒の営業ロープレが配属後の商談で活きにくい理由
新卒の営業ロープレは、多くの場合、同期同士で行われます。話す順序や言葉づかいを整えるうえでは、有効な進め方です。ただ、顧客役を務めるのも同じ新卒であるため、練習に出てくる顧客は、演じる本人が想像できる範囲にとどまります。配属後に「聞いていた話と違う」と感じる場面は、この練習の組み立て方から生まれているのです。
新卒の営業ロープレで、練習の相手は誰か
顧客役も、同じ新卒です
新卒研修のロープレは、同期同士で組むのが一般的です。研修の場では相手を確保しやすく、回数もそろえやすい進め方です。ただし、そこで顧客役を務めるのも、まだ顧客に会ったことのない新卒です。演じられるのは、自分が想像できる範囲の顧客像に限られます。教わったとおりに質問すれば、教わったとおりの答えが返ってきます。実際の相手は、説明を最後まで聞かないことがあります。前提を共有しないまま本題に入る相手や、社内の事情でその場では決められないと答える相手もいます。こうした振る舞いは、顧客と向き合った経験がなければ思いつきません。そのため、同期同士の練習には、想定の幅という上限が生まれます。回数を増やしても、同じ幅の中で練習を重ねることになります。研修を設計する側から見ると、足りないのは回数ではなく、練習に登場する顧客の幅なのです。
配属後の初訪問で起きること
配属から数週間後、はじめて単独で訪問した先で、相手が資料の途中で話をさえぎり、別の部署に相談すると言って席を立ちます。研修で一度も出会わなかった展開です。ここで言葉に詰まるのは、準備が足りなかったからではありません。練習の場に、その相手がいなかったからです。研修担当者が振り返るべきなのは、練習の量よりも、練習に出てきた相手の種類だと言えます。
ロープレで身につく力は、どこで決まるのか
対話の力は、知識の量よりも、これまでに出会った反応の種類から育ちます。想定どおりに進まなかった経験が増えるほど、次に取り出せる対応も増えます。逆に、練習で出会う反応が数種類にとどまれば、本番で取り出せる対応もその範囲に収まります。配属後につまずく背景には、練習で会えた相手の少なさがあると言えます。
同期同士のロープレでは、相手も同じ研修を受けています。想定した順序どおりに会話が進むため、崩れた場面から立て直す練習が入りません。本番で言葉に詰まるのは、この一手が抜けているためです。
では、顧客に会ったことのない人たちに、誰が顧客の振る舞いを用意するのでしょうか。研修担当者の記憶だけでは、思いつく場面に偏りが出ます。現場で起きた反応を練習にどう持ち込むかが、ここでの問いです。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
同期には演じられない相手と練習できます
顧客像と異議の事前設定
UMU AIロープレでは、AIが顧客役を務めます。説明を最後まで聞かない相手や、社内の事情でその場では決められない相手を、あらかじめ設定できます。研修担当者は、現場で実際に出た異議を持ち込むだけで、同期には演じられない相手を練習の場に用意できます。業界別のテンプレートを取り込めば、最初のシーンづくりも短時間で終わります。
想定が崩れた場面を先に経験できます
立て直しを試せる練習
AIとの練習では、話が途中でさえぎられたり、質問の前提がずれたりする展開が起こります。準備した順序が崩れたところから、どう話を戻すかを何度でも試せます。うまくいかなかった場面については、終了直後にスコアと改善点を確認できるため、次の練習ですぐに試し直せます。崩れたところから戻す経験を、本番の前に済ませておけます。
次に用意する想定を、データで決められます
つまずく場面を一覧で確認
どの場面でつまずく人が多いかを、研修担当者は一覧で確認できます。多くの新卒が同じ切り返しで止まっているとわかれば、その場面を次の練習に足せます。想定の幅は、こうして少しずつ現場に近づいていきます。AIが担うのは、練習の相手役と評価の部分です。配属先の決め方や動機づけは、引き続き人が受け持つ役割になります。
新任の育成を練習から見直した企業
体外診断の欧州系企業
欧州に本社を置く体外診断分野の大手企業では、研修担当者5名が1,500名の営業を受け持っていました。能力認定は人が相手役を務める模擬訪問のため四半期に1回しか実施できず、新任営業は最短でも3カ月待つ必要がありました(出典:導入企業へのヒアリング)。
評価も相手役や評価者によって変わりやすいという課題があり、そこでUMU AIロープレを活用し、認定の一部を、5つの訪問プロセスに沿ったAIとの模擬対話に置き換えました。
その結果、能力認定は四半期に1回から随時実施できるようになり、準備ができた人から受けられます。認定通過者の実訪問における成約率も22.4%向上しました(出典:導入企業へのヒアリング)。
800名規模のワクチン企業
ワクチンを主力とするバイオ医薬品企業では、販売代理店と社内営業が地域に分散し、新しく立ち上げた社内営業チームの多くは実践経験が不足していました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、同じ訪問シナリオライブラリを800名が同じ基準で使える体制を整えました。
その結果、新任営業に対する顧客満足度が、フォローアップ調査で23.5%向上しました(出典:導入企業へのヒアリング)。標準の練習が、顧客との最初の接点にそのまま表れた事例と言えます。