BtoBの営業で先方の担当が代わった後、経緯を話し直せますか
BtoBの営業では、取引が続いている間に先方の担当者が代わることがあります。案件そのものは会社と会社の間にあるため、担当が交代しても商談はそのまま前に進むことになります。ところが、決着済みのはずの論点が、新しい担当者との間でもう一度戻ってきます。続いているのは取引であって、そこに至るまでの経緯ではないのです。
決まった話が、なぜ戻ってくるのか
決着した論点が戻ってくる
先方の担当者が代わったという連絡は、こちらの都合とは関係なく届きます。新しい担当者が手にしているのは、すでに決まった内容だけです。なぜその形に落ち着いたのか。どの案を見送り、どこで折り合ったのか。そこに至るまでの経緯は、引き継ぎの資料に残りにくいのが実情です。こうした判断の背景は、そのつどのやり取りの中で重なってきたもので、一覧の形にはなりにくいと言えます。その結果、前任者との間で決着していたはずの論点が、もう一度机の上に戻ってきます。これは新しい担当者の落ち度ではありません。渡された資料に書かれていない以上、知らないまま席に着くことになります。とはいえ商談の側から見れば、話が数カ月前の地点に戻ったことに変わりはありません。
説明し直すと蒸し返しに見える
難しいのは、ここで一から説明し直すと、すでに決まったことを蒸し返しているように受け取られやすい点です。経緯は先方の社内で引き継がれるものなので、こちらから手を入れることはできません。しかも交代の連絡は突然届くため、何をどの順で伝えるかを考える時間も、ほとんど残されていないのです。なお、先方の人事や組織の見直しそのものについて、こちらが良し悪しを述べる立場にはありません。ここで扱えるのは、交代が起きた後に自社の側でできることだけです。
経緯は、どこに置いておくか
BtoBの営業で積み重ねてきた経緯は、書類よりも先に、日々のやり取りの中で形になります。そのつど交わした言葉が、最終的な合意の理由になっています。つまり経緯は、記録に残るより先に、担当した人の頭の中に置かれるのです。先方の担当者が代わるとき、抜け落ちるのはこの部分です。だからこそ、同じものを自社の側でも持っておく必要が生まれます。
経緯を文書にまとめて渡せばよいのでしょうか。分量が増えるほど読まれにくくなり、送ったこと自体が催促のように受け取られる場合もあります。交代の直後に必要になるのは、読み込みを求める資料よりも、その場で短く伝えられる言葉です。
では、短く言い直す形は、どこで用意できるでしょうか。相手が目の前にいる一回目は、やり直しがききません。求められるのは、経緯を知らない相手に、決まっていることとその理由を手短に伝える場面です。これを本番の前に通しておけるかどうかが、交代の直後の一回目を左右することになります。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
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話す内容を、人ではなく形に残せます
合意の経緯に沿ったシナリオ設定
UMU AIロープレでは、自社の商談で実際に起きたやり取りをもとに、AI顧客の設定を組み立てられます。どの条件で折り合ったのか、どの要望を引き取れなかったのか。そうした前提を練習シナリオに書き込んでおけば、経緯は担当した人の頭の中だけに置かれた状態から離れます。先方の担当者が代わったという連絡が入っても、何を伝えるべきかをその場で探し直さずに済みます。
短い伝え方を、その場で確かめられます
時間の制約を入れた対話練習
AI顧客との対話には、実際の面談に近い時間の制約を設定できます。限られた時間の中で、決まっていることとその理由をどう並べるか。話す順番を変えながら何度でも試せるため、長い説明を短く畳む感覚が身につきます。相手の時間を借りずに済むので、言い回しを変えて繰り返すことにも遠慮がいりません。
交代の連絡が来ても、慌てずに済みます
場面に沿った評価の基準
練習が終わったあとには、決まった内容をどの順で伝えられたのかが、プロセスごとに示されます。用意した言い回しをなぞれたかではなく、その場で必要な説明を置けていたかを見る形です。前提の共有が足りないのか、決まった理由に触れられていないのか。こうした点を、次の一回に持ち込めます。なお、AIが引き受ける範囲は、同じ場面を用意し、評価のものさしをそろえるところまでに限られています。相手企業の事情をどう読むかは、担当者の判断に委ねられるのです。
BtoBの営業で説明の形を残した例
医薬品分野の大手企業
同社は複数の疾患領域を扱う医薬品分野の大手企業です。営業担当者には、標準化された製品紹介の内容を、相手に分かりやすく伝えることが求められていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
一方で、各製品ラインを受け持つ研修講師は3名にとどまっていました。人が採点する方式では、基準にばらつきも生じやすくなります。
そこでUMU AIロープレを活用し、標準化された内容を高い頻度で声に出す練習の場を整えました。管理職向けには、コーチングの型を対話として練習できるシナリオも組み込んでいます。
到達した数値については、ここでは触れていません。説明の中身を担当者個人に紐づけずに置いたことで、相手が入れ替わっても同じ説明ができる形にした例と言えます。