【イベントレポート】AI博覧会 Summer 2026・松田しゅう平登壇:AIネイティブな人と組織を創る

20260827_UMU_AI博覧会用資料

 

イベント名:AI博覧会 Summer 2026

開催日時:2026年8月27日(木)12:10〜12:40

セミナータイトル:AIネイティブな人と組織を創る AI時代の人材育成の新常識

登壇者:ユームテクノロジージャパン株式会社 代表取締役 松田 しゅう平

 

前回のイベントレポート:https://www.umu.co/column/event_report_ai_summit_spring_2026/

 


 

2026年8月27日(木)に開催された「AI博覧会 Summer 2026」にて、ユームテクノロジージャパン株式会社 代表取締役の松田 しゅう平が、「AIネイティブな人と組織を創る 〜AI時代の人材育成の新常識〜」と題したセミナーに登壇しました。

 

会場の半数以上が人材育成に携わる方々という関心の高いセッションとなり、AI時代に企業の学びをどう再設計すべきかを、UMUの新機能デモを交えて解説しました。本レポートでは、その要点をお届けします。

 

はじめに:20年変わらなかった、人材育成の「ジレンマ」

 

登壇した松田は、ラーニングテクノロジー業界に約20年携わってきました。海外の学習系サービスを日本市場に紹介する立場からキャリアを始め、現在はユームテクノロジージャパンの代表を務めています。一貫して軸に据えてきたのは「学習の科学」─心理学的知見に基づいて学習効果を最大化するという考え方です。

 

その松田が20年を通じて感じてきたのが、企業内学習が抱える根深いジレンマでした。エグゼクティブコーチングのように、対象を1人から30人程度に絞り込めば、学習効果は確実に上がります。しかし企業が育成すべき対象は、数百人から数万人規模。効果の高い手法ほどコストがかさみ、大規模には展開できません。この「効果」と「規模・予算」のトレードオフが、長らく研修担当者を悩ませてきました。

 

さらに、従来のeラーニングや集合研修は「インプット→テスト→レポート」で完結しがちです。研修担当者が経営層に報告できるのは「動画視聴時間が90時間を超えた」「レポート完了率が80%を超えた」といった活動量の指標にとどまります。しかし経営が問うのは「それで人は変わったのか」「研修のROIはどれだけあるのか」。この問いに答えにくい状況が、いまも続いています。

UMUが提唱する「パフォーマンスラーニング」

 

こうした課題に対してUMUが掲げるのが、「パフォーマンスラーニング」という考え方です。学習体験を通じて、企業組織と個人のパフォーマンス向上を支援する──これがUMUの真髄だと松田は語ります。

 

ポイントは、学習フォーマットそのものを入れ替えることにあります。すでに各社が持つ高品質なインプット(動画やコンテンツ)はそのまま生かしつつ、その後の「アウトプット」を大幅に増やす設計へ転換することです。学んだことを自分の言葉で口頭説明できる、商品の特長を何も見ずに説明できる──そこまで到達して初めて、インプットは成功したと言えます。

 

さらに、アウトプットに対してマネージャーやコーチが「フィードバック」を返し、それを何度も繰り返す。このサイクルを回すことで、知識は本当の意味で定着(内面化)します。理論としては以前から知られていた考え方ですが、実行は難しかった。それを、AI・インターネット・モバイルといったテクノロジーの発展が、ようやく大規模に実現可能にしたのです。

 

学びを止めないことは、組織の力に直結します。松田は、従業員の94%が「会社が価値ある学びを提供し続ける限り、辞めたいとは思わない」と回答したLinkedInの調査にも触れ、実務で生かせる学びを効果的に届けることの重要性を強調しました。

AIが担う3つの役割──ティーチャー・コーチ・チューター

 

では、AIは学習において何ができるのでしょうか。松田は、AIが「ティーチャー」「コーチ」「チューター」という3つの役割を、場面に応じて的確に使い分けられる点を強みに挙げました。

 

人が教える場合、「教え方にばらつきがある」「高圧的で萎縮してしまう」といった問題が起こりがちです。マネージャーとの1on1がブラックボックス化し、恐怖を感じてしまう従業員がいるという声も少なくありません。その点AIは、いつでも、どこでも、どんな時でも安全に、ブレなく学習者に寄り添うことができます。

 

その上で松田は、知識の内面化に不可欠な4つの要素を提示しました。

 

内面化に必要な4つの要素 内容
① 主体的な知識構築 学習者が自ら考え、知識を組み立てる
② 適時の支援 困ったタイミングで適切なサポートを受けられる
③ 実践のシミュレーション 実務を想定した練習で、業務と学びを結びつける
④ 自己評価 学習者自身が理解度と次の課題を把握する

 

これらのプロセスが設計に組み込まれていない研修は、効果が薄い可能性が高い──松田はそう指摘します。そして、この設計にこそAIと学習の科学が大きな助けになると語りました。

 

情報を「渡す側」の責任

 

内面化の視点は、学習者だけでなく、情報を届けるすべてのビジネスパーソンにも当てはまります。

 

いまや社内には、AIが生成した議事録やメモ、資料があふれています。音声を渡せばAIが議事録を作り、AIと対話すれば製品資料のアウトラインも簡単に生成することが可能です。作ることは驚くほど簡単になりました。しかし松田は、「その議事録を読んでおいてください」「製品ページを見ておいてください」で終わっていないか、と問いかけます。

 

LLMを使えば高品質なドキュメントは誰でも作れる時代になりました。だからこそ問われるのは、それを渡した後のプロセス設計です。受け手が理解し、自分のものにするところまで導くこと──それが情報を渡す側の責任だと、松田は強調しました。

 

新機能「AGL(AI Generated Learning)」

 

セッション後半では、UMUが新たに開発した「AGL(AI Generated Learning)」が、デモ形式で紹介されました。「AIが生成する学習」であり「AIがガイドする学習」──教える側と学ぶ側の双方に効果をもたらすことを目指した機能です。

 

松田は、自身が作成中の新入社員向けオンボーディング教材を例に紹介しました。従業員数が増える中で、会社のコアバリュー(価値観)の浸透はますます重要になります。従来この教材づくりには、カメラの前で話し、要点をドキュメントにまとめ、クイズを作り……と2〜3時間ほどかかっていました。

 

AGLでは、コアバリューの資料をUMUにアップロードするだけで、AIとの対話が始まります。「このコアバリューは誰に伝えたいですか」「入社研修の内容も含めますか」「何分ぐらいで学習させたいですか」「終了テストはつけますか」──AIが対象者・目的・研修レベル・所要時間・テストの有無などを対話形式でヒアリングしていきます。

 

そのやり取りを基に、AIが学習マップ、要件確認、コース構成案、さらには学習設計のアドバイスまで自動生成します。作業時間はおよそ30分。従来の2〜3時間から大幅に短縮されました。

 

学習者側の体験も、一方通行ではありません。選択問題やオープンクエスチョンを交えたAIとの対話形式で進み、疑問があればその場でAIに質問できます。学習者一人ひとりの習熟度や職務レベルに合わせてパーソナライズされたアダプティブラーニングです。松田が学習業界で長年追い求めてきた学びの形が、ついに実現できる時代が来たと語りました。

 

プロンプト作成の難しさやハルシネーションといった懸念も、UMU側が構造を用意しているため、利用者はAIと自然に対話するだけで質の高い学習設計にたどり着けます。

 

まとめ:AIネイティブが「新常識」になる

 

セッションの締めくくりとして、松田は3つのメッセージを提示しました。

 

第一に、AI時代の人材育成は「パフォーマンス型学習」への転換が必須であること。インプット偏重から卒業し、アウトプットとフィードバックを組み込んだ設計へと踏み出す必要があります。

 

第二に、AIの活用ポイントは、学習の科学に基づく「内面化」のプロセス設計にAIを組み込むこと。単なるマイクロラーニングではなく、アウトプットとフィードバックを繰り返す、実のある学習体験を届けることが重要です。

 

第三に、「AIがないと成立しない教え方・学び方」=AIネイティブな学習体験を取り入れること。研修構成をAIとの対話で作り、受講者もAIと対話しながら学ぶ──そうした新しい教え方・学び方こそが、これからの新常識になります。

 

UMUは「知識を通じて人をつなぎ、すべての人々がやりがいを感じながら成果を出す」ことを支援するミッションを掲げています。AI時代の人材育成に当たっては、学習の科学に基づいた設計にこそAIの価値があります。人材育成・人材開発でお悩みのことがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 


※ 本セミナーで紹介した内容や関連資料は、資料ダウンロードページよりご覧いただけます。UMUのパフォーマンスラーニング、および新機能AGLについて詳しく知りたい方は、お問い合わせください。

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    UMU(ユーム)は、2014年にシリコンバレーで誕生し、現在では世界203の国と地域で100万社以上、日本では28,000社以上に導入されているグローバルAIソリューションカンパニーです。AIを活用したオンライン学習プラットフォーム「UMU」を核に、学術的な根拠に基づいた実践型AIリテラシー学習プログラム「UMU AILIT(エーアイリット)」、プロンプト不要であらゆる業務を効率化する「UMU AI Tools」などの提供により、AI時代の企業や組織における学習文化の醸成とパフォーマンス向上を支援しています。従業員が自律的に学び、AIリテラシーを習得・活用することで業務を効率化し、より創造的で戦略的な仕事に集中できる時間や機会を創出。これにより、企業の人的資本の最大活用と加速度的な成長に貢献します。