「使えている」から「使いこなす」へ
ATD×UMU調査で見えた、AI人材育成のリアル 第3回

ATD×UMU グローバル共同調査-3

 

このシリーズでは、ATD(Association for Talent Development)とUMUが共同で実施したグローバル調査をもとに、AI活用の「今」を見てきました。

第1回では、多くの人が毎日AIを使う一方で「使いこなしている」と言える人はまだ少ないというギャップを、

第2回では、不安を抱えながらも「もっと学びたい」という現場の意欲が組織の研修整備を上回っている実態を紹介しました。

最終回となる第3回では、この状況から次のステージに進むために、組織として何ができるのかを見ていきます。

 

基本業務は定着、しかし高付加価値な活用はこれから

調査によると、人材開発分野(TD)の専門家の70%がメールや文書の作成・編集に、64%が言語翻訳にAIを活用しています。

一方で、企業向けAIツールの活用を「エキスパート」だと自認する割合は、米国23%・中国12%に対し日本はわずか4%、学習体験を個別最適化するアダプティブ・ラーニングでも米国20%に対し日本は4%にとどまるなど、専門性の定着度には地域差も見られます。

つまり、反復的な基本業務でのAI活用はかなり定着してきた一方、専門性を要する分野での活用や、その定着度に見られる地域差を埋めていくことが、次の課題だといえます。

「使いこなす」ために、組織が着手できること

同調査のアクションプランでは、以下のような取り組みが挙げられています。

 

・AIリテラシーの構築と強化:高いAIリテラシーを持つ組織とそうでない組織の差は依然として大きく、公式・非公式の研修を通じて、組織全体のAI理解を底上げする必要があるとされています。

 

・AI研修プログラムの拡充と公式化:現在、AIに関する社員研修を義務化している組織は44%、任意研修を提供している組織は40%です。学習者の学ぶ意欲がすでに高いことを踏まえると、研修機会を増やすことは、現場・組織双方にとってメリットが大きいと指摘されています。

 

・AI人材の確保:技術的スキルを持つ人材の採用と、既存社員のリスキリングを組み合わせることで、変化の速い環境の中でも競争力を保てると提言されています。

 

・AIガバナンス体制の主導:AIの倫理的な活用に関する委員会や諮問委員会を設置している組織は、全体でまだ26%にとどまります。データの正確性やセキュリティーへの懸念が根強く残る中、こうした体制を主導することも、これからの重要なテーマとして挙げられています。

数字が示しているのは「伸びしろ」

AIポリシーを策定している組織は54%、AIツールのROI(投資対効果)を測定している組織は33%にとどまるなど、活用の「量」に対して、その効果や安全性を「見える化」する取り組みは、まだ発展途上です。ここに着手できるかどうかが、これから他社との差になっていく部分だといえそうです。

まとめ

「使っている」ことと「使いこなしている」ことの間には、まだ距離があります。しかし、その距離を埋めるための材料はそろいつつあります。現場にはすでに強い学習意欲があり、あとは組織がそれをどう受け止め、体系立てた学びとガバナンスの仕組みに落とし込んでいくか、という段階に来ているのではないでしょうか。

 

全3回のシリーズでご紹介したデータは、調査結果のごく一部です。3カ国979名(TD専門家500名・学習者479名)を対象にした調査の全データ、企業の成功事例、そして今回ご紹介したアクションプランの詳細は、ホワイトペーパー「AIリテラシーを世界標準へ 未来の労働市場に向けた人材育成」でご覧いただけます。

 

▶ ホワイトペーパーの無料ダウンロードはこちら

https://www.umu.co/download-doc/atd-umu_research-report-2026/

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