ATD ICE 2025現地参加、デイリーレポート(DAY3:5月20日) – AIと人材開発の最前線 –

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2025年5月18日(日)〜5月21日(水)まで、アメリカ・ワシントンD.C.にて、世界最大規模の人材開発・組織開発関連カンファレンス、「ATD-ICE(International Conference & Exposition)」が開催されています!

ATD ICE 2025現地参加者、UMUデリゲーションチームによるデイリーレポートをお届けします。

本日はDAY3、5月20日(火)の熱気あふれる現地の様子と学びのポイントを速報します!

 

ATD ICE 2026 デイリーレポート


ATD ICE 2026 DAY1
2026年5月17日

ATD ICE 2026 DAY2
2026年5月18日

ATD ICE 2026 DAY3
2026年5月19日

ATD ICE 2026 DAY4
2026年5月20日

UMUがATD ICE 2025に参加する理由

 

人材開発の最新トレンドとベストプラクティスを学ぶため、私たちUMUは毎年ATD ICEに参加しています。

ATD ICE 2025は、世界最大規模の人材開発・組織開発関連イベントであり、推定90カ国以上から10,000名を超える参加者が集結します(過去実績や事前情報に基づく数値)。このグローバルな学びの祭典では、業界のトップランナーによる基調講演、専門性を深める多種多様なセッション、そして最新のHRテクノロジーやソリューションを紹介する大規模な展示会などが開催されます。

私たちがこのイベントに参加する主な目的は以下の通りです。

  • グローバルな知見の獲得: 世界の成功事例や研究成果から、日本の組織や個人に活かせる実践的な知識を吸収します。
  • ネットワーキング: 各国の専門家や実務家との交流を通じて、新たな視点や協業の可能性を探ります。
  • 最新ソリューションの把握: UMUのサービスを進化させるためのヒントや、お客様に提供できる新しい価値を見つけ出します。

UMUは、これらの貴重な情報を日本の人材育成に関わる皆様にいち早く、そして分かりやすくお届けし、皆様の組織と個人の成長に貢献できるよう努めてまいります。

 

セッション参加レポート(DAY3)


DAY3も刺激的なセッションが目白押しでした!私たちが参加したセッションの中から、特に注目すべき3つのセッションをピックアップしてご紹介します。

 

基調講演:エイミー・エドモンドソン氏「“正しい失敗”の科学~学習する組織と心理的安全性~」

スピーカー: Amy Edmondson (エイミー・エドモンドソン) / Professor of Leadership and Management / Harvard Business School (ハーバード・ビジネススクール リーダーシップ・経営学教授)
セッション形式: 基調講演
キーワード: 心理的安全性, インテリジェントな失敗, 学習する組織, イノベーション, VUCAセッション概要: ハーバード・ビジネススクールのエイミー・エドモンドソン教授が登壇し、著書『Right Kind of Wrong (邦題:正しい種類の失敗)』や『The Fearless Organization (邦題:恐れのない組織)』で提唱する「心理的安全性」と「失敗から学ぶ文化」の重要性について力強く語りました。不確実な時代において組織がいかにして学習し、革新し、成長できるか、その核心に迫る内容でした。

 

〈主要ポイントと学び〉

エドモンドソン教授は、失敗を一括りに「悪いもの」と捉えるのではなく、その種類を理解することが重要だと説きました。

  • 失敗の3つのタイプ
    • 基本的な失敗 (Basic Failures): 回避可能であり、防ぐべき失敗。既存の知識やルールに従わなかった場合に起こる。
    • 複雑な失敗 (Complex Failures): 複数の要因が絡み合って発生する予測困難な失敗。システム思考でアプローチし、未然防止と影響軽減に努める。
    • インテリジェントな失敗 (Intelligent Failures): 未知の領域への挑戦の結果として生じる「正しい種類の失敗」。これこそが学習とイノベーションの源泉となる。
  • インテリジェントな失敗を促す4.5の基準
    • 未知の領域であること: 既存の解決策がない新しい試みか。
    • 意味のある目標があること: 価値ある目的に貢献するか。
    • 十分な準備と仮説があること: 成功の可能性がある合理的な根拠に基づいているか。
    • できる限り小規模であること: 失敗から学ぶために必要最小限の規模か。
    • 学びを共有すること (0.5の基準): 失敗から得た教訓を特定し、組織内で共有し、今後に活かすこと。
  • 心理的安全性の重要性: 従業員が自身のアイデア、質問、懸念、さらにはミスや失敗について、罰せられる不安なく発言できる環境(心理的安全性)が、学習とイノベーションに不可欠であると強調。心理的安全性は「ぬるま湯」ではなく、高い基準と組み合わさることで「学習ゾーン (Learning Zone)」を生み出すと述べました。
  • リーダーの役割: リーダーは、明確な目的を示し、現在の状況(コンテクスト)を説明し、率直な意見やフィードバックを奨励し、失敗を歓迎し教訓を共有する文化を醸成する責任があるとしました。特に「コンテクストの明確化」(例:今は安定運用が求められるのか、新しい挑戦が求められるのか)が重要だと指摘しました。

 

〈日本企業への示唆・実務への応用〉

VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代において、日本企業もまた、過去の成功体験に囚われず、常に新しい挑戦と学習を続ける必要に迫られています。エドモンドソン教授の提唱する「インテリジェントな失敗」を許容し、そこから学ぶ文化を醸成することは、日本企業のイノベーション創出や組織変革の鍵となるでしょう。 「心理的安全性」は、日本の組織文化の中で時に誤解されがちですが、単に仲が良いことではなく、建設的な意見衝突や率直なフィードバックが奨励される、健全な緊張感を伴う環境であることを再認識する必要があります。リーダーは、メンバーが安心してリスクを取り、発言できる場づくりを意識的に行うことが求められます。 特に、失敗を恐れるあまり挑戦を避ける傾向や、一度の失敗で再起が難しいとされる風潮がある組織にとっては、エドモンドソン教授のメッセージは大きな示唆に富んでいます。「失敗は悪ではなく、学習の機会である」という認識を組織全体で共有し、具体的な仕組みとして定着させることが、これからの日本企業にとって不可欠な取り組みとなるでしょう。

  • Amy Edmondson氏の書籍: “Right Kind of Wrong”, “The Fearless Organization”

 

カール・キャップ氏「アクション・ファースト・ラーニング~学習者を行動に巻き込み、刺激する設計とは~」

スピーカー: Karl Kapp (カール・キャップ) / Professor / Commonwealth University (コモンウェルス大学 教授), LinkedIn Learning Author
セッション形式: 講演・デモンストレーション キーワード: アクション・ファースト・ラーニング, ゲーミフィケーション, VR/AR, AIコーチ, 学習意欲向上, インストラクショナルデザイン
セッション概要: ゲーミフィケーションとインストラクショナルデザインの世界的権威であるカール・キャップ教授が、自身の最新著書『Action First Learning』で提唱する「アクション・ファースト・ラーニング」について解説しました。学習者を最初に「行動」させることで、学習効果とエンゲージメントを劇的に高めるこのアプローチは、従来の「まず説明を聞く」という受動的な学習スタイルからの転換を促すものです。

 

〈主要ポイントと学び〉

キャップ教授は、学習の最初に受講者へ何らかの「行動」を促すことの重要性を説き、そのフレームワークと具体的な事例を紹介しました。

  • アクション・ファースト・ラーニングのフレームワーク
    • トリガー・アクション (Trigger Action): 学習の冒頭で、学習者に具体的な行動(ゲーム、意思決定、問題解決など)を促す。
    • 知識の応用 (Apply Knowledge): 行動を通じて、学習者は自身の既存知識を試したり、新たな知識の必要性を感じたりする。
    • フィードバックと指導 (Feedback, Instruction, Social Interaction): 行動の結果に基づき、適切なフィードバック、必要な知識・スキルの指導、他者とのインタラクションを提供する。
    • 振り返り (Reflection): 行動とそこから得られた学びを学習者自身が振り返り、意味づけを行う。振り返りなくして真の学習はない、と強調。
  • なぜアクション・ファーストか?
    • 「知らないことを知る」: 成人学習者は、自分が何を知らないかを認識した時に最も学習意欲が高まる。最初に行動させることで、知識のギャップを自覚させ、学習への動機付けを行う。
    • 失敗からの学習: 安全な学習環境での「失敗」は貴重なフィードバックとなる。
    • 即時のエンゲージメント: 学習開始と同時に学習者を巻き込み、目的意識と進捗感覚を提供する。
  • 具体的な実践例の紹介
    • カードゲーム: ロールプレイや意思決定をカードゲーム形式で行い、ピア・フィードバックや反論カードなどを活用。
    • オーディエンス・レスポンス・システム: QRコードなどを活用し、リアルタイムで聴衆の意見を収集・共有。
    • オンラインエスケープルーム: Google FormsやArticulate Riseなどを用いて、協調学習を促す脱出ゲームを作成。
    • VR/ARシミュレーション: 360度カメラやVRオーサリングツール(例: Scenario VR)を使い、現実的な職場環境でのトレーニングを実施(例: Airbnbの清掃手順)。
    • AIコーチ: ChatGPTのようなAIを活用し、ロールプレイングの相手やフィードバック提供者として活用(例: マネジメントスキルの練習)。
    • ビデオベースのAI評価: UMUなどのプラットフォームで、プレゼンテーションやセールストークを録画し、AIが表情、声のトーン、キーワード使用などを分析・評価。

〈日本企業への示唆・実務への応用〉
日本企業の研修においても、「まず講義を聞き、最後に質疑応答」という伝統的なスタイルは依然として主流です。しかし、キャップ教授の提唱するアクション・ファースト・ラーニングは、特にミレニアル世代やZ世代といったデジタルネイティブな学習者に対して、より効果的な学習体験を提供する可能性を秘めています。 例えば、新入社員研修でいきなりビジネスマナーの講義をするのではなく、最初にシミュレーションゲームで顧客対応を体験させ、その後に必要な知識を解説する方が、学習者の当事者意識を高め、記憶にも残りやすいでしょう。また、リーダーシップ研修では、AIコーチを活用したロールプレイングにより、管理職が実践的なスキルを繰り返し練習できる環境を提供できます。 「失敗は学習の母」という言葉があるように、研修という安全な場で積極的に「行動」させ、そこでの「失敗」から学ばせる設計は、日本企業における「経験からの学習」をより効果的に促進するでしょう。重要なのは、単に活動させるだけでなく、その後の適切なフィードバックと深い振り返りをセットで行うことです。テクノロジーの進化により、こうしたインタラクティブな学習体験の設計・提供は以前よりも容易になっています。

  • Karl Kapp氏の書籍: “Action First Learning”, “The Gamification of Learning and Instruction”
  • 紹介されたツール例: Google Forms, Articulate Rise, Scenario VR, UMU AI Coach

 

エリオット・メイジー氏「AIと仕事の未来~共感が変える人材開発~」

スピーカー: Elliott Masie (エリオット・メイジー) / Researcher, Educator, Analyst (研究者、教育者、アナリスト)
セッション形式: 講演 キーワード: AI倫理, リスキリング, キャリア開発, 共感 (Empathy), 動的変化, 仕事の再設計
セッション概要: ラーニングテクノロジー分野の第一人者であり、「eラーニング」という言葉を最初に使ったとされるエリオット・メイジー氏が、AIが仕事、スキル、そして人材開発にもたらす影響について、長年の経験と鋭い洞察を交えながら語りました。技術の進化に熱狂するだけでなく、その変化に「共感」をもって向き合い、人間の価値を高めることの重要性を訴えました。

 

〈主要ポイントと学び〉

メイジー氏は、AIの現状と未来について、冷静かつ人間中心の視点から考察しました。

  • AIに関する「嘘」と現実
    • 「AIを導入しても雇用はなくならない」という言説は必ずしも真実ではないと指摘。テクノロジーの進化は常に仕事のあり方を変えてきたし、AIも例外ではない。重要なのは、この変化にどう備えるか。
    • リーダーは安易な約束をするのではなく、仕事が再設計され、必要なスキルが変わる可能性について率直に語り、従業員のリスキリングを支援する責任がある。
  • 「共感 (Empathy)」の重要性
    • 人員削減や組織変更の際に、従業員の生活への影響を考慮しないトップの姿勢を批判。共感は単なる同情ではなく、「理解」であるとし、組織運営の中心に据えるべきだと強調。
    • AI時代における人材開発は、この共感の視点から、従業員のキャリア不安に寄り添い、前向きな変化を支援するものでなければならない。
  • AIと仕事の再設計
    • AIは多くの仕事を自動化・効率化するだけでなく、仕事の内容そのものを変えていく。例えば、会計士の仕事は単なる計算作業から、AIが出した結果を「懐疑心」をもって検証し、より高度な判断を行う役割へとシフトする可能性がある。
    • 私たちは、AIによって仕事がどのように変化し、どのような新しいスキルが求められるのかを具体的に見極め、対応していく必要がある。
  • 大規模リスキリングの課題
    • AIの普及に伴い、膨大な数の人々がリスキリング(学び直し)を必要とする。しかし、現在の教育システムや企業研修は、この大規模な変化に十分に対応できていない。
    • 「5000人をリスキルするにはどうすればよいか?」といった問いに対し、効果的かつ迅速な方法論を確立することが急務。
  • キャリアの不確実性と「動的変化」
    • 多くの人が、数年後の自身のキャリアを見通せない時代になっている。この不確実性を受け入れ、キャリアをリアルタイムで築いていく柔軟性が求められる。
    • AIのような変化の激しいテクノロジーに対しては、「動的変化 (Dynamic Change)」というアプローチが必要。固定的な予測をするのではなく、その可能性を継続的に探求し、適応していく姿勢が重要。
  • 人材開発部門の役割
    • AIの技術的側面だけでなく、それが人々の仕事やキャリアに与える影響、そして組織における「共感」の醸成に焦点を当てるべき。
    • AIを単なる効率化ツールとしてだけでなく、従業員のストレスを軽減し、キャリアの障壁を取り除くための「恵み」として活用する方法を考える。

〈日本企業への示唆・実務への応用〉
メイジー氏の警鐘と提言は、日本企業にとっても他人事ではありません。AI導入が加速する中で、「効率化」や「コスト削減」といった側面ばかりが注目されがちですが、それが従業員に与える影響や、長期的な組織文化への配慮が不可欠です。 特に、雇用の流動性が欧米に比べて低いとされる日本においては、AIによる仕事の変化が従業員に与える不安は大きいかもしれません。企業は、従業員一人ひとりのキャリアに向き合い、丁寧なコミュニケーションを通じてリスキリングやキャリアシフトを支援する「共感」に基づいたアプローチが求められます。 「動的変化」への対応という点では、変化を恐れずに新しい技術や働き方を積極的に試行し、そこから学び、柔軟に軌道修正していくアジャイルな組織運営が重要になるでしょう。人材開発部門は、AI時代における新たなスキルセットの定義、効果的なリスキリング戦略の策定、そして何よりも従業員が安心して変化に挑戦できる組織文化の醸成において、中心的な役割を担うべきです。AIの専門家になる必要はなくとも、AIがもたらす変化の本質を理解し、人間と組織の成長に繋げる視点が不可欠です。

 

ネットワーキングナイト:National Building Museumでの交流の夜


Day3の夜は、ワシントンD.C.の象徴的な会場であるNational Building Museumにて、ネットワーキングナイトが開催されました!
歴史ある建造物の中で、エンターテイメントと交流が融合する特別な時間となりました。

会場では、ライブバンドによる音楽が流れ、参加者たちは軽快なビートに合わせてダンスを楽しんだり、美味しい軽食を片手に会話に花を咲かせたりしていました。
スリリングなゲームやアクティビティも用意され、会場の隅々には予期せぬサプライズが満載。
参加者にとっては、日中のセッションで得た学びを共有し、新たな人脈を築き、リラックスして思い出を作る絶好の機会となったことでしょう。

このネットワーキングナイトは、ATD ICEカンファレンスの大きな魅力の一つであり、多くの参加者にとって忘れられない夜となったようです。

 

最速!ATD ICE 2025 現地からの最新レポート!~UMU アカデミックセッション登壇内容も独占公開~

 


世界最大級の人材開発カンファレンス「ATD ICE 2025」最速報告会、開催決定!

2025年5月18日から21日にかけてアメリカで開催される、人材開発に関する世界最大級のカンファレンス「ATD International Conference & Exposition (ICE) 2025」。

本ウェビナーでは、その熱気冷めやらぬうちに、現地で得られた最新のトレンド、ベストプラクティス、そして具体的なインサイトを、日本の人材育成に携わる皆様へいち早くお届けします。

 

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・UMU公式サイト:https://www.umu.co/

・ATD-ICE公式サイト:https://www.td.org/ice

・アメリカATD公式サイト:https://www.td.org/

 

 

 

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