ATD-ICE 2026現地参加、デイリーレポート(DAY3:5月19日) – Humanity × AI、共存戦略の最前線 –
2026年5月17日(日)から5月20日(水)まで、世界最大規模の人材開発・組織開発関連カンファレンス「ATD-ICE(International Conference & Exposition)」が、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスで開催中です。会場はLos Angeles Convention Centerとなります。
ATD-ICE 2026現地参加者、UMUデリゲーションチームによるデイリーレポートをお届けします。本日はDAY3、5月19日(火)の現地の様子と、AI時代における人間ならではの価値の再配置を強く感じさせた学びのポイントの速報です。
UMUがATD-ICE 2026に参加する理由
ATD-ICE 2026は、世界最大規模の人材開発・組織開発関連イベントです。90カ国以上から10,000名を超える参加者が一堂に会し、業界のトップランナーによる基調講演や、最新のHRテクノロジーを紹介する大規模な展示会が進行しています。
私たちUMUがこのグローバルな祭典に毎年参加し、現地からレポートをお届けする目的は大きく次の3点です。
- グローバルな知見の獲得:世界の成功事例や研究成果から、日本の組織や個人に活かせる実践的な知識をいち早く吸収します。
- ネットワーキングの推進:各国のL&D(学習・人材開発)専門家や実務家との交流を通じて、新たな視点やグローバルな協業の可能性を探ります。
- 最新ソリューションの把握:UMUのAIラーニングプラットフォームをさらに進化させるためのヒントや、日本のお客様に提供できる新しい価値を見つけ出します。
これらの貴重な一次情報を日本の人材育成に関わる皆様にいち早く、分かりやすくお届けし、組織と個人の成長に貢献することが私たちの責務です。
基調講演ハイライト:「Unreasonable Hospitality」── プロダクトの卓越性の先にある”意図的な人間体験”
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メインステージは、ATD会長挨拶、「ATD Best Awards 2026」発表、「Lifetime Achievement Award」表彰、メイン基調講演という4部構成で進行しました。
Best Awards 2026の上位5社は次のとおりです。
- 1位:トルコ大手通信・テクノロジーのTurkcell(3度目の受賞)
- 2位:イスタンブール拠点の金融機関Kuveyt Türk
- 3位:ジョージア州のトラック輸送Peach State Truck Centers(3度目)
- 4位:トルコのIT・モバイルアプリ企業Teknasyon(初受賞)
- 5位:米国最大の家族経営クイックサービス中華Panda Restaurant Group(7度目)
Lifetime Achievement Awardは、50年以上にわたり「責任ある権力の使い方」と「生涯学習の加速」を研究してきたPat McLagan(パット・マクラガン)氏へ贈られました。
メイン基調講演の登壇者は、書籍『Unreasonable Hospitality』著者でEleven Madison Park(EMP)元共同オーナーのWill Guidara(ウィル・ギダラ)氏。同氏は、EMPを世界ベストレストラン50位から世界1位へ押し上げた経験を共有しました。「プロダクトの卓越性(料理・空間・サービス)はもはや最低限の前提条件である」「これからの差別化は『意図的で温かみのある人間体験の設計』にある」——これが核心メッセージです。
コーネル大学の研究(レジでミントを添える店はチップ平均18%増)、毎日30分の「プレミール」によるチーム文化醸成、顧客体験における約130のタッチポイント設計、欧州客に屋台のホットドッグを即興で提供したエピソード。多彩な事例を交えながら、同氏は核となるメッセージを繰り返し提示しました。それが「人々はあなたが何を言ったか・何をしたかは忘れるが、どう感じさせたかは決して忘れない」(マヤ・アンジェロウ)という一節です。
セッション参加レポート(DAY3)
DAY3は、AIの先で問われる「人間ならではの価値」の再配置がテーマとなった1日でした。私たちUMU現地参加チームが参加したセッションの中から、特に注目すべき7つのセッションをご紹介します。最初に、UMUのウィリアム・リンツが登壇したアカデミックセッション(パーソルキャリア社との共同登壇)の内容を独占公開しましょう。
【UMU登壇】Human First, AI Smart:意図ある設計で営業オンボーディングを変革する (Human First, AI Smart: Transforming Sales Onboarding With Purposeful Design) / ウィリアム・リンツ × 佐々木 綾美
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スピーカー: William Rintz(ウィリアム・リンツ)/ UMU, Global Program Director / Ayami Sasaki(佐々木 綾美)/ パーソルキャリア株式会社 Organization Development Div. CA Learning & Development Dept., Manager
キーワード: AI×人の役割分担, AIロープレ, ハイブリッドモデル, EQ(感情知能), 営業オンボーディング, 行動変容
セッション概要
UMUとパーソルキャリアによる共同登壇セッションです。前半で、UMUのウィリアム・リンツがDAY2のアカデミックセッションで提示したAIリテラシーの進化モデル(Prompt Literacy → Skill Literacy → Agent Literacy)を簡潔に再提示し、その実装事例として後半で佐々木綾美氏がパーソルキャリアにおける新人キャリアアドバイザー育成の取り組みを共有しました。「ツール単体では人は動かず、自信や行動変容も生まれない」という冒頭メッセージのもと、AIをどう組み込み、人間が担う領域をどう守るか、その実践知が披露されています。
主要ポイントと学び
- キャリアアドバイザーは「人生の岐路」の伴走者:パーソルキャリアは日本最大級の転職サービスを運営しており、キャリアアドバイザー(CA)は短時間で深い信頼を築く仕事です。コアスキルはコミュニケーション、共感、信頼構築の3点と整理されました。
- AI比率の3段階ジャーニー:従来の100%人によるオンボーディング(新人1名あたりロールプレイ約3時間、コール同行約4.5時間、フィードバック面談約10時間、計約18時間)→ AIロールプレイ中心の「90%AI・10%人」へ振り切ったフェーズ → 現在の「60%人・40%AI」というハイブリッドモデルへ着地、という3段階の試行錯誤が共有されました。
- AIに振り切った失敗の本質:難易度を上げすぎれば新人が混乱(Too hard: confusion)、下げすぎれば実商談で固まる(Too easy: useless)というミスマッチが発生。AI相手の練習が孤立した宿題化(homework, alone, repetitive)して意欲が低下する事態にも直面しました。さらに「このお客様に何を勧めるべきか」をAIに聞かせた結果、人間トレーナーとAIの役割境界が曖昧化したと反省を語っています。
- 「Awareness」はAI、「Performance」は人間が担う:知識・気づき層(Knowing)はAIが得意である一方、「知っている」を「できる」へ翻訳する行動変容層(Doing)はAIが苦手と整理されました。「Knowledge without behavioral change is just… expensive studying(行動変容を伴わない知識は、ただ高価な勉強でしかない)」という指摘が刺さります。
- 人間にしかできない3つの瞬間:①「I believe in you. あなたの中にこれが見える」と信頼を直接伝える対話、②「私も新人のときに同じ失敗をした」と自身の失敗を開示して挑戦の不安を和らげる場面、③「何が上手くいったと感じる?お客様は何を必要としていた?」と深い問いで強みを発見させる対話。これら3場面が結局はEQ(感情知能)を育てると結論付けました。
- EQが高い営業は商談を動かす:「論理は受け入れられても、感情はそうはいかない」「感情のつながりなしに信頼は生まれない」。高EQメンバーを増やすことが、ビジネスインパクトの直接的な増幅につながると同氏は強調しました。
日本企業への示唆・実務への応用
日本企業の営業オンボーディングでは、AIロープレ導入が「答えを教えるAI」になりがちです。パーソルキャリアの試行錯誤が示すのは、AIに任せるべき領域(均質な反復練習・知識習得)と、人間トレーナーが守るべき領域(信頼構築、失敗共有、深い問い)を明確に切り分ける設計こそが、行動変容と成果接続を加速する道だということ。UMUのAIロープレ・AIチャットボットで反復学習を効率化しつつ、対面の1on1や同行を「人間にしかできない3瞬間」へ集中投資する設計が、日本の営業力強化の現実解となるでしょう。
AI時代における”人間のあり方”の最適化(Optimizing the Human “Being” in the Age of AI)/ ライアン・ゴットフレッドソン氏
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スピーカー:Ryan Gottfredson(ライアン・ゴットフレッドソン)/ リーダーシップ・マインドセット研究者
キーワード:Being Side、垂直的成長、マインドセット、自己防衛 vs. 価値創造
セッション概要
AIが人間の「Doing Side(実行:知識・スキル・能力)」を置き換える時代において、差別化要因は「Being Side(あり方:人格・マインドセット・感情調整)」にある——同氏はそう論じます。
主要ポイントと学び
- 成長には2種類ある。「水平的成長」は知識・スキルの追加(OSにアプリを足す行為)、「垂直的成長」はOS自体のアップグレードに相当します。AI時代に必要なのは後者と位置付けられました。
- 5万人超を対象とした調査で、健全な4軸(成長/開放/促進/外向き)すべてで上位25%に入る人は2.5%のみ。リーダーの約60%は硬直マインドセットを持ち、自覚がない、というデータも提示されました。
- 自己防衛型はAIを「松葉杖(弱点を隠す道具)」として、価値創造型はAIを「思考拡張のツール」として使う、という対比も提示。組織トップのBeing Side成熟度が、その組織の上限を規定すると同氏は強調します。
日本企業への示唆・実務への応用
日本のリーダー育成は知識・スキル習得(Doing Side)に偏る傾向にあります。1on1・コーチング・心理的安全性の高い対話を通じ、リーダー自身の「あり方」を継続的にアップデートする仕組みづくりが、AI時代の競争力を左右する論点となるでしょう。
ソフトスキルをハードデータに結びつける(Connecting Soft Skills to Hard Data)/ ジャック・J・フィリップス博士
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スピーカー:Jack J. Phillips, Ph.D.(ジャック・J・フィリップス)/ ROI Institute, Inc. 会長
キーワード:パワースキル、ROI Methodology、価値連鎖、Tell the Story、沈黙の不関与
セッション概要
100冊以上の著書を持つROI評価の世界的権威、ジャック・フィリップス博士による、測定困難とされてきたソフトスキルをハードデータへ接続するセッションです。
主要ポイントと学び
- ソフトスキル(1950年代の軍事分類が起源)を「Power Skills」へ再定義。Reaction → Learning → Application → Impact → ROIという5レベルの価値連鎖(バリューチェーン)で、リーダーシップやコミュニケーションを売上・離職率・生産性といったハードデータへ翻訳できると示しました。
- 行動変容(Level 3)の最大の障壁は、現場マネージャーの「沈黙の不関与」。研修開始前に経営陣・管理職と動かしたい指標を握り合うアラインメントと、アクションプランの義務化が不可欠です。
- リーダーシップ開発はROI認定で最も評価対象になるプログラムのNo.1とも同氏は指摘します。
日本企業への示唆・実務への応用
日本のL&D部門は経営陣に対して「研修満足度」までしか報告できないケースが多くあります。研修設計の起点を「事業KPI」に置き換え、マネージャーの関与を仕組みとして組み込むことで、「研修がどうビジネス成果に貢献したか」というストーリー(Tell the Story)を語れる体制が整います。
すべての階層にリーダーシップを:コンピテンシーを活用して全社的な変革を推進する(Leadership at Every Level: Using competencies to drive enterprise-wide change)/ マリー・オゲット氏 & ジャクリン・サンチェス氏
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スピーカー:Marie Hoguet(マリー・オゲット)& Jaclyn Sanchez(ジャクリン・サンチェス)/ Memorial Sloan Kettering Cancer Center(MSK)リーダーシップアカデミー アソシエイト・ディレクター
キーワード:Everybody Leads、コンピテンシーモデル、人材ライフサイクル統合、行動指針
セッション概要
職員2万2,000名規模のMSK(メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター)が、2030戦略を実行するために2020年版コンピテンシーモデルを刷新した事例の共有でした。年間74,000件の治療と100万回の外来を支える組織で、「全員がリーダー(Everybody Leads)」を前提に据えた挑戦です。
主要ポイントと学び
- Lead Self/Lead Others/Lead MSKの3階層と、6つの行動指針(Adapts to Change、Builds Belonging、Collaborates、Demonstrates Accountability、Optimizes Resources、Prioritizes Learning)を策定。
- 設計指針はPractical/Flexible Core/Simplicity/Just-in-Time/Integrated/Connectedの6点。採用インタビューガイド、パフォーマンス評価グリッド、ラーニングハブ、ディスカッションガイド、講師主導の新任管理職プログラムへ統合しました。
- 立ち上げ後の数値成果は、ウェビナー6セッション参加者472名、ウェビナーNPS9/10、プログラムフォロワー439名(旧モデル約30名から急増)、学習ツールNPS8/10。退役海軍大佐デビッド・マルケ氏の「トップは権限あるが情報なし、現場は情報あるが権限なし」も引用されました。
日本企業への示唆・実務への応用
日本企業のコンピテンシー設計は、評価制度の付属物として運用されがちです。MSK事例のように、行動指針を採用・評価・学習・1on1の全タッチポイントへ織り込み、四半期1時間のライブ・キャンペーンで継続的に再点火させる設計が、組織変革の現実解になります。
マネージャーのジレンマ:共感と説明責任でリードするスキル(A Manager’s Dilemma: Skills to Lead with Empathy and Accountability)/ ジャスティン・ヘイル(Justin Hale)氏
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スピーカー:Justin Hale(ジャスティン・ヘイル)/ Crucial Learning
キーワード:Fool’s Choice、心理的安全、Mutual Purpose、Mutual Respect、Crucial Conversations
セッション概要
「共感(Empathy)か責任追及(Accountability)か」という二者択一は誤った二項対立(Fool’s Choice)であり、両立こそが組織を Thriving(高基準×高共感)象限へ導く、と説いたセッションです。
主要ポイントと学び
- 臨床心理学者Dr. Lisa Damourの子育て研究を引用し、人が育つには structure(規律)と warmth(温かさ)の両方が必要であると指摘。
- ワシントン州のLincoln Alternative High Schoolの元校長Jim Sporleder氏の事例として、年間約1,000件あった暴力・薬物・ギャング関連事案を、就任4年で60%減まで導いた取り組みが紹介されました。生徒のEmilio君に「今のストレスレベルは1〜10でどれくらい?」と最初に問うアプローチが象徴的です。
- 安全の2要素はMutual Purpose(共通目的)とMutual Respect(相互尊重)。「People don’t fear truth. They fear shame.(人は真実ではなく恥を恐れる)」が核心メッセージ。Safety → Truth → Empathy → Responsibility → Changeの連鎖モデルを提示しました。
日本企業への示唆・実務への応用
日本のマネジメントは「優しさ」と「厳しさ」を二項対立で捉え、どちらかに振れがちです。事実共有(Share the Facts)→自分の物語の開示(Share Your Story)→相手の道筋を問う(Ask for Their Path)という3ステップは、1on1・評価面談・パフォーマンス改善の全場面で再現可能なフレームとなるでしょう。
現代の学習環境におけるAI活用のためのファシリテーター向けロードマップ(The Facilitator’s Roadmap to Navigating AI in Modern Learning Landscapes)/ シンディ・ハゲット氏
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スピーカー:Cindy Huggett, CPTD(シンディ・ハゲット)/ バーチャルトレーニング25年のパイオニア、著書6冊
キーワード:ハイブリッド・ファシリテーション、AI共存、人間の絶対領域、CPTD
セッション概要
マッキンゼー調査では生成AI使用率88%・組織規模拡大39%、ATD調査ではインストラクショナルデザインのAI利用率80%に対しファシリテーター自身は約39%。非対称な現実を踏まえ、同氏は「ファシリテーターは消えるのか」という問いに正面から答えました。
主要ポイントと学び
- 人間ファシリテーターが必須となる4状況:①実践的な体験(ライブシミュレーション)、②信頼と心理的安全性、③感情的なコンテンツ(倫理・組織変革・難しい対話)、④振り返り・デブリーフィング。
- AIで代替可能な3ケース:定型知識の解説、ローリスクなロープレ環境、パーソナライズされた個別補講。
- 活用ツール例として、Perplexity(リサーチ)、NotebookLM(要約)、Claude/ChatGPT/Gemini(アイデア出し)、HeyGen/Synthesia(多言語アバター動画)を紹介。ホスピタリティ業界のパイロットでは、講師主導セッションよりも「自主課題」「AI実践」を参加者が高く評価したというデータも示されました。
日本企業への示唆・実務への応用
集合研修の価値を「人間ファシリテーターの絶対領域」へ集約する再設計が必要です。事前学習はAIアバター動画で標準化し、当日は感情を扱う対話・正解のない議論・振り返りに集中させる「反転型ブレンディッド学習」が、日本企業の研修ROIを大きく押し上げます。
4+10=Success:現代のカークパトリック4段階評価モデル 10の実践的ヒント(4+10=Success: 10 Practical Tips for the Modern Kirkpatrick Evaluation Model)/ ウェンディ・カイザー・カークパトリック氏
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スピーカー:Wendy Kayser Kirkpatrick(ウェンディ・カイザー・カークパトリック)/ カークパトリック・パートナーズ創設者
キーワード:カークパトリック・モデル、L3行動定着、Think Big, Start Small、パフォーマンス・パッケージ
セッション概要
1940〜50年代の組織心理学者レイモンド・カッツェル博士の4次元を源流に、ドナルド・カークパトリック博士がATD(旧ASTD)の依頼で4本の業界紙記事として発表したモデル。その最新進化版を、後継者であるウェンディ氏が解説しました。
主要ポイントと学び
- 4レベルの定義を人間中心に再定義。L1反応は「業務関連性・実務関わり・現場適用サポートの認識」へ、L2学習は知識・スキルに加え「自信」「コミットメント」を追加、L3は実装+ツール・サポート、L4は組織最重要目標への貢献。
- 5つの運用原則:①常にL4から始めL3をすぐ定義する、②評価の深さは投資額×リスクでスケールする、③研修設計段階から評価・サポートを統合する、④ジョブエイドを研修内で練習させる、⑤リソース配分をL3定着支援へシフトする。
- L1の自由記述回答はAIで要約・センチメント分析へ自動化し、空いた時間と予算をL3行動定着の伴走へ振り向けます。結論は「Think Big, Start Small」。
日本企業への示唆・実務への応用
日本の研修評価は「研修直後アンケート」で止まる傾向が根強くあります。L1のアンケート集計をAIで自動化し、現場マネージャーが研修後30日・60日・90日のチェックインへ自然に巻き込まれる仕組みをUMUのようなプラットフォーム上に組み込むことで、L3行動定着が見える化されるでしょう。
ATD-ICE 2026での学びをイベントで終わらせないための「振り返り会」レポート
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UMUデリゲーションツアーでは、一日の終わりにその日の学びを深め、共有するための「振り返り会」を実施しています。ATD-ICEでは300以上のセッションが同時並行で開催されるため、振り返り会は自分一人ではカバーしきれない多様な知見に触れ、学びを最大化する貴重な機会となります。
DAY3の振り返り会は、UMUメンバーのファシリテーションのもと、さまざまな業界から集まった多様な参加者が議論を深めています。
テーマ1:共感とアカウンタビリティの両立、マネージャーのジレンマ
論点・問い
- AI時代のマネジメントスタイルは「成果コミット型」から「支援型」へどう転換できるか。
- 共感と説明責任は「選択」ではなく「両方」を実装するために、現場で何が必要か。
参加者からのコメント・ディスカッション内容
- 組織のマネジメントに関する議論では、「ガードレールはガイドラインである」「若手の退職理由は『ぬるすぎる』が一定数ある。基準(structure)と温かさ(warmth)の両立が評価制度の論点となる」との意見が出されました。
- 「ソフトスキル/パワースキルのROI化、ロープレ研修の活用は日本でも実装余地が大きい」との指摘もあります。
- インハウストレーナー育成の観点では、「研修はライブである。f2f(対面)体験設計を諦めず、共感と説明責任は『選択』ではなく『両立』として型化したい」という意見が共有されました。
明日へつながるアクション・今後の展望
- 1on1や評価面談へ「Share the Facts → Share Your Story → Ask for Their Path」の3ステップを導入し、共感と責任追及の二項対立を解消するフレームを試行する。
- AIマネジメントDojoのようなシミュレーション環境を活用し、マネージャー自身が「共感×アカウンタビリティ」を安全に練習できる場を整備する。
テーマ2:批判的思考力の育成と、AI時代に人間が果たすべき役割
論点・問い
- AIが「答え」を返す時代に、若手の批判的思考力(クリティカルシンキング)をどう育てるか。
- 「人間関与の設計」をどこに置けば、AI支配ではなくAI活用へ向かえるか。
参加者からのコメント・ディスカッション内容
- Will Guidara氏の基調講演に関連して、「期待を超える体験を意図的に設計すること、タッチポイントを増やすこと、再現性を担保すること」が日本企業にも有効であると整理されました。また、クロスカルチャーの違いとして「日本人はパートナー名を共有しない傾向があるが、米国は実名でつなぐ」という日米のネットワーキングの差も話題に上りました。
- 「マネージャーのジレンマ」セッションと基調講演を横断的に振り返り、Will Guidaraの「Unreasonable Hospitality」とカークパトリックのL3行動定着が同じ「人を動かす」というテーマで響き合っていたとの深い洞察も共有されています。
- 全体を通した議論として、「日本的なものの良さ、言語の壁、AI時代の多様性を組織としてどう受け入れるか」という本質的な問いも投げかけられました。
明日へつながるアクション・今後の展望
- AIに「答え」を聞く前に、若手自身が問いを立てる訓練を1on1とコーチングへ組み込む。
- AIロープレ・AIコーチを「人間関与の補完」として位置付け、最終的な感情の揺さぶりと意思決定は人間が担う設計を社内に明示する。
振り返り会全体を通しての総括
DAY3の振り返り会では、AIによる効率化が前提となった世界で、「Being(あり方)」「ホスピタリティ」「共感」「批判的思考」といった人間ならではの価値をどこに配置するか、という論点へ議論が向かいました。
Will Guidara氏の「人々はどう感じさせたかを忘れない」、ゴットフレッドソン氏の「Being Sideがリーダーの上限を決める」、フィリップス博士の「沈黙の不関与を打破する」、Crucial Learningの「真実より恥を恐れる」、ハゲット氏の「人間の絶対領域は4つ」、カークパトリック氏の「Think Big, Start Small」。全セッションが「AI × Humanity の共存戦略」という1本の糸でつながっていた——これが参加者全員の共通認識となっています。
最速!ATD-ICE 2026 現地からの最新レポート! ~UMU アカデミックセッション登壇内容も独占公開~
世界最大級の人材開発カンファレンス「ATD-ICE 2026」の最速報告会、開催が決定しました。
2026年5月17日(日)から5月20日(水)にかけて、アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスで開催された「ATD International Conference & Exposition (ICE) 2026」。本ウェビナーでは、その熱気冷めやらぬうちに、現地で得られた最新のトレンド、ベストプラクティス、そして具体的なインサイトを、日本の人材育成に携わる皆様へいち早くお届けします。AI時代における人材開発の最前線や、世界中から集まった最新の知見など、今年のDAY1からDAY4で得られたエッセンスを凝縮してお伝えする予定です。
関連リンク
・UMU公式サイト:https://www.umu.co/
・ATDコラム一覧:https://www.umu.co/column_category/atd/
・ATD-ICE公式サイト:https://www.td.org/ice
・アメリカATD公式サイト:https://www.td.org/
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まずはコレから!
学びが変わる。組織が変わる。
生成AI時代に成果を生む、
UMUのAIラーニング戦略と事例を公開
UMU(ユーム)は、2014年にシリコンバレーで誕生し、現在では世界203の国と地域で100万社以上、日本では28,000社以上に導入されているグローバルAIソリューションカンパニーです。AIを活用したオンライン学習プラットフォーム「UMU」を核に、学術的な根拠に基づいた実践型AIリテラシー学習プログラム「UMU AILIT(エーアイリット)」、プロンプト不要であらゆる業務を効率化する「UMU AI Tools」などの提供により、AI時代の企業や組織における学習文化の醸成とパフォーマンス向上を支援しています。従業員が自律的に学び、AIリテラシーを習得・活用することで業務を効率化し、より創造的で戦略的な仕事に集中できる時間や機会を創出。これにより、企業の人的資本の最大活用と加速度的な成長に貢献します。