時差に対応するオンライン研修で、練習機会が揃わない理由
海外拠点を含めてオンライン研修を同時に開催すると、どこかの拠点は深夜や早朝の参加になります。画面に顔は並んでも、集中して話し、質問し、練習するところまでは届きません。時差に対応するオンライン研修で問われるのは参加率ではなく、拠点ごとに受けられる練習の中身と回数に差が出てしまうところにあるのです。
参加率は高いのに、何が抜け落ちるのか
同時開催では時刻を選び切れません
時差に対応するオンライン研修を組むとき、開催時刻を一つに決めた時点で、各拠点の現地時間はばらばらになります。本社の午後3時は、ある拠点では朝の7時であり、別の拠点では深夜0時です。これは担当者の意欲や能力の話ではなく、開催時刻と現地時間がずれているという条件の違いにすぎません。ところが研修の設計側は、この条件の違いを吸収する形になっていないことがほとんどです。深夜や早朝に接続したメンバーは、話は聞けても、途中で発言したり、その場でロープレに加わったりする余力までは残っていません。同じ研修に参加していても、拠点によって聞くだけで終わった人と、話して練習した人に分かれていきます。人材育成の担当者から見ると、出席記録の上では全員が同じ研修を修了したことになるため、この違いはしばらく表に出てきません。
録画の配信では追いつきません
時間の壁は、録画を後日配信すれば片づくように見えます。しかし録画では、その場で質問することも、相手と話して練習することもできません。学んだ内容は、補強がなければ1週間で70%、1カ月で87%が失われるという調査もあります(出典:Gartner)。視聴が数日ずれるほど、定着の差は開いていくのです。
同時開催を前提にしない設計へ
開催時刻を一つに決める前に、研修を全員が同時に集まる部分と、各自の時間で進める部分に分けます。全体共有と質疑応答は短い同時開催にとどめ、知識の習得と対話の練習は各拠点の勤務時間内に回します。この切り分けができると、どの拠点も現地の日中に主要な学習を終えられます。
同時開催に参加できた拠点だけが質疑や練習まで進み、ほかの拠点は資料と録画で終わってしまいます。到達してほしい行動を先に決め、どの拠点でもその練習まで進める手順を、研修の中に組み込みます。
拠点ごとに指導できる人も時間帯も異なり、人手だけで回数を確保するには限界があります。時刻に縛られず同じ基準で何度でも練習でき、実施状況を画面で確認できる仕組みがあるかどうかが、分かれ目になると言えます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
どの拠点でも同じ基準で練習できます
共通の評価基準とシナリオ
成果の出ている担当者のトークや、社内で承認された説明の型を、AIの評価基準に組み込めます。同じシナリオと同じ基準で練習するため、どの拠点のメンバーも、質疑や練習まで含めた同じ内容にたどり着けます。研修名は同じでも中身が違う状態を避けられます。
拠点ごとの練習量を、数字で確認できます
拠点別の実施状況
練習の回数やスコアは、拠点別・項目別に集計して確認できます。人材育成の担当者は、どの拠点で練習が止まっているかを把握し、次の手当てを決められます。AIが担うのは反復練習と評価基準の統一までで、目標設定や動機づけは、引き続きマネージャーの役割です。
拠点が分散した組織での実践例
体外診断分野の大手企業
欧州に本社を置く体外診断分野のグローバル大手企業では、5名の研修担当者が1,500名の営業担当者を担当し、能力認定は四半期に1回しか実施できませんでした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、認定の模擬対話と評価の一部をAIが担う形に切り替え、日程調整を待たずに受けられる体制を整えました。
その結果、能力認定を随時実施できるようになり、認定を通過した担当者の実訪問における成約率は22.4%向上しました(出典:導入企業へのヒアリング)。
日本大手の生命保険会社
日本大手の生命保険会社では、営業担当者が全国3,000拠点に分散しており、集合研修だけで全員を継続的にカバーすることが難しい状況でした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、知識のインプット中心の学習から、各自の時間で取り組めるアウトプット型の実践練習へ切り替えました。
その結果、学習コンテンツの量は10倍に、動画の視聴数は100倍に増えました(出典:導入企業へのヒアリング)。担当者は、本部が各拠点の朝礼に初めて関われるようになったと振り返ります。