営業ロープレの進め方は、本題の一言目より前から始まりますか
営業ロープレの進め方を組むとき、一回の長さも、扱う題材も、相手役も、終わったあとの振り返りも、たいていは用意されているでしょう。整っていないわけではありません。それでも、本番の商談で最初に迷う場所だけは、練習の中に出てきません。練習には「では、始めてください」という合図があり、その手前が毎回飛ばされているのです。
なぜ入り方だけが議題に上がらないのか
練習はいつも合図から始まります
ロープレは、進行役の「では、始めてください」という一言から動き出します。受講者が席に着いたときには、相手役はもう顧客の側に入っています。名乗りも、用件の切り出しも、そこから先の話でしょう。ところが本番の商談には、その一言がありません。あいさつから用件へ移る場所は、こちらが自分で見つけて、自分で入ります。相手がまだ前回の納品の話を続けているとき、どこで切り替えるのでしょうか。名刺を交わしたあとの短いあいだを、どう使うのでしょうか。営業ロープレの進め方を丁寧に組んでいる現場ほど、この部分だけがすっぽり抜けています。一番迷うところなのに、練習では毎回そこから先が始まっています。しかも、飛ばされていること自体に気づきにくいと言えます。練習が滞りなく始まってしまうからです。終わったあとの振り返りでも、質問の順番や説明の抜けは話に出ますが、入り方そのものが取り上げられることはまずありません。始まっていたので、問題として見えないのです。
気づけないまま回数だけ増えます
ここで起きているのは、練習の回数をもっと重ねるべきだという話ではありません。合図という一点だけが、本番と違っているのです。相手役や題材を替えても、始まる位置は動きません。回数を重ねても同じでしょう。たとえば、はじめて訪ねた会社の応接室で、相手が別件の電話を終えて席に戻ってきたとします。その数十秒のあいだに何を言うかは、どの練習でも扱われていません。見方を変えれば、進め方の中でまだ手つかずのまま残っている項目が、ちょうどここにあると言えます。
進め方で扱っていない一つの項目
研修を組む側があらかじめ用意しているのは、たいてい進行に関わることです。開始から終了までの流れ、担当の割り振り、当日に使う資料。ここまでそろっていれば、練習は形になります。手をつけていないのは、その練習をどこから始めるかという一点だけです。営業ロープレの進め方を見直すときも、多くの場合は中身の話から入ります。
始まる位置は、進行の項目として立てられることがほとんどありません。合図があるので、決める必要が生まれないからでしょう。相手役は最初から顧客として構えており、受講者は本題の一言目を用意した状態で待っています。本番では、その一言目をいつ出すかを担当者が自分で判断します。判断の部分だけが練習の外に置かれたまま、回数だけが重なっていくのです。
そこで問いになるのは、始まりの手前を毎回同じ条件で用意できるかどうかでしょう。相手役には、最初の短いあいだだけ本題と関係のない話をしてもらい、受講者が自分で切り替えるところから通します。この形を人に頼んで再現しようとすると、その日の相手役の呼吸に左右されます。切り替えの一言は人によって違ってよいので、どこで入るかを自分で決める、その一点だけを取り出して練習の対象にできるかが分かれ目になります。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
練習の始まる位置を、本題の手前に置けます
本題の手前から始まる場面設定
UMU AIロープレでは、練習が始まる位置を、本題の一言目より手前に置けます。相手役となるAIには、職種や話し方に加えて、そのときの状況も持たせられるようになります。最初のうちは別の用件を気にしていて、こちらの話にはまだ関心が向いていない相手を用意しておけば、受講者は切り替える場所を探すところから始められます。合図を無くすのではなく、合図の位置をひとつ手前にずらすという設定なのです。営業ロープレの進め方に、これまで欄のなかった項目を一つ足せます。
切り替える場所を、自分で選ぶ側に回れます
台本のない切り出しの練習
相手役が決まった順番で進まないため、こちらが黙っていれば、相手は別の話を続けます。切り出すまでの間の取り方も、そのまま結果に表れるのです。早すぎれば、相手はまだ聞く構えになっていません。遅すぎれば、用件に使える時間が減っていくでしょう。同じ場面を何度でも繰り返せるため、切り替えの一言を替えながら試せます。決まった言い方を覚えるのではなく、自分に合う入り方を担当者自身が見つけられます。
入り方の一点だけを、あとから見返せます
開始の場面にしぼった評価
評価の観点と重みは、企業の側で決められます。入り方を練習の対象にした回であれば、その一点に重みを寄せた設定にできるでしょう。用件に移るまでにどれだけ待ったのか、どの言葉で切り替えたのかが、工程ごとに分かれて残ります。そのため、振り返りの場でも入り方を取り上げやすくなるのです。AIに任せられる範囲は、毎回同じ条件をそろえることと、やり取りを同じ形で見返せるようにするところまでです。どの入り方がその相手に合っていたかという見立ては、引き続き人が受け持ちます。
始まりの手前を練習に入れた企業
自己免疫領域の新薬メーカー
新薬の承認が続き、営業チームを短い期間で立ち上げる必要がありました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、医師が別の用件を抱えたまま席に着く場面から練習を始めました。
本題に入る場所を担当者が自分で選ぶところまで含めて、訪問の練習を組み直しました。
ワクチン領域のバイオ企業
販売代理店と社内の営業が混在し、本部が示した進め方の受け取り方が拠点ごとに分かれていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
UMU AIロープレでは、全員が同じ場面の同じ入り口から練習を始められます。
どこで用件に移るかの違いを、選び方の差として見比べられます。