セールスイネーブルメントのSaaSは、中身を誰が作りますか
セールスイネーブルメントのSaaSを選ぶとき、比較の対象は機能になります。何ができるか、どこまで揃っているか。そこを見るのは当然のことです。ただ、契約して管理画面を開いた最初の日、そこに並んでいるのは入れ物だけなのです。自社の商談で使える形の中身は、まだ一つも入っていません。
初日に何を入れるかが決まらないのはなぜか
入れ物は買えても中身は買えません
検討の場で時間を使うのは、たいてい機能の一覧です。どこまで揃っているか、自社の業務に足りない項目はないか。導入の可否を決める立場としては、そこを詰めるのが仕事です。間違った進め方ではないと言えます。ただ、機能がどれだけ揃っていても、契約の初日に管理画面へ並ぶのは項目と枠だけで、商談で実際に使える形の中身は、社内の誰かが作らないかぎり存在しません。用意されるのは、置く場所と配る道筋まで。これはどの提供元を選んでも変わらず、製品の出来不出来とは別の話です。ところが検討の時間の多くは機能の比較に使われ、最初に何を入れるのか、それを誰が作るのかは、契約が始まってから考えることになりがちなのです。
二度目に開く理由が無くなります
例えば、導入の連絡を受けた営業担当者が、案内されたURLを開きます。ログインし、メニューを一通り眺め、自分の担当する商材に関わるものが一つも無いと確認して閉じます。これは、やる気があるかどうかとは別の話なのです。開いてみたら自分の仕事に関わるものが無かった、という事実の確認。そして、この一度目で「ここには自分に関係するものは無い」と分かってしまうと、二度目に開く理由が残りません。あとから中身が入っても、そのことは閉じた側に伝わりません。
順位づけの代わりに確かめること
本ページでは、提供元の比較や順位づけは行いません。代わりに、検討する側が自分で確かめられることを挙げます。その中心は、契約の初日に入る中身を一つ、その場で口に出して言えるかどうかにあります。網羅的な資料である必要はなく、いま詰まっている商談の一場面で構いません。言えるなら、その一場面をそのまま初日の一つに据えられます。それを言葉にできないなら、足りないのは機能ではないと言えます。
その一つを誰が作るのかも、契約の前に確かめておけます。営業企画の担当者なのか、現場のマネージャーなのか。ここが空欄のまま契約が始まると、中身づくりはどの人の予定表にも現れません。機能の説明を受ける場では話題に上りにくいところですが、聞けば答えが返ってくる問いなのです。作る人が決まっていれば、商談の場で「初日はこの一場面から始めます」と言い切れます。
いったん作った中身を、自分たちの手で直せるかどうかも見ておけます。商談で使う言い方は競合の動きや相手の関心に合わせて変わり、変わるたびに社外へ依頼して待つ形だと、最初に入れた一つは更新されないまま古くなります。ここも、機能の有無ではなく運用の形の話なのです。自分たちで直せる形かどうかが、一年後にも開かれるページであり続けられるかを分けます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
困っている一場面が練習の中身になります
詰まった場面の練習シナリオ
UMU AIロープレでは、価格の指摘や他社との比べられ方など、実際に詰まった受け答えを、そのままAIの相手役の会話に組み込めます。網羅的な教材を先に用意する必要はなく、いま困っている一場面から始められると言えます。営業担当者は、その場面だけを何度でもやり直せます。なお、AIが担う部分は、顧客の役を演じることと、返ってきた言葉を一定の基準で見ることに限られます。何を最初の一場面に選ぶかという判断は、引き続き社内の担当者にあります。最初の一つが決まっていれば、設定にかかるのは一場面ぶんの手間だけです。
中身をつくるのは業務側の担当者です
コードを使わない設定画面
練習の場面を用意する作業は、情報システム部門への依頼から始める必要がありません。相手役の性格や話す調子、投げてくる指摘の種類は、画面上で選んで組み立てる形になります。営業企画や育成の担当者が、自分の知っている商談の形をそのまま設定に移せるため、中身づくりを誰かの空き時間待ちにしなくて済みます。その結果、契約の初日に何も無いという状態を避けられるのです。作った本人が現場の言い回しを知っているぶん、練習の場面は商談に近づきます。
言い方が変われば、その日のうちに直せます
保存して呼び出せるひな形
作り終えた場面は、自社のひな形として残せます。似た商談が出てきたとき、ゼロから書き起こさずに呼び出して手を入れられます。競合の話の出方が変わった月には、その部分だけ差し替えて配ることになります。最初に入れた一つを起点に、次の場面、その次の場面が現場の実感に合った形で増えていきます。社外へ依頼して待つ形と比べれば、直したいと思った日に直せる差は小さくありません。更新が止まらないことが、二度目に開く理由につながるのです。
中身を自分たちで作った企業の例
循環器領域の製薬企業
知識を学ぶ仕組みは整っていましたが、学んだ内容を実際の会話として口に出す場が用意されていませんでした。
知識の項目ごとに、それに対応する商談の場面を自社で書き起こし、練習の中身として並べ直しました。
直属のマネージャーは、部下がどの場面でつまずいたかを画面上で確かめ、面談の話題をそこに絞れるようになりました。
糖尿病領域の製薬企業
製品の紹介資料を相手に分かるように話す力が求められていましたが、講師の人数が限られ、一人ひとりの練習に付き添えませんでした。
社内で使っていたコーチングの進め方を、そのまま練習できる対話の形に書き直し、経験のあるマネージャーも同じ中身で練習できるようにしました。
練習を多く重ねた人ほど成績も高いという傾向が、社内に残った記録から確かめられました。
講師が付き添えない時間帯でも、同じ中身で練習を進められる状態になりました。