ルート営業の訪問が御用聞きで終わる理由
「毎月きちんと顔を出しているのに、話すことといえば納期の確認と世間話で終わってしまう……」。既存のお取引先を回るルート営業では、関係ができあがっているからこそ、あらためて何を切り出せばよいのか迷う場面が続きます。定期訪問が御用聞きにとどまってしまうのには、担当者の努力とは別のところに「理由」があります。
新規開拓とは、鍛える力が違います
新規開拓とルート営業の違い
新規開拓とルート営業では、営業担当者が向き合う難しさの種類が異なります。新規開拓で力が要るのは、まず相手に会うこと、そして関心を持ってもらうことです。一方、ルート営業では会う約束がすでにあります。担当者として名前も覚えられ、決まった間隔で訪問できる関係が続いています。そのうえで難しいのは、特に用件がない状態で訪問した数十分を、何の話に使うかという点です。納期や在庫の確認は数分で終わり、その先に何を持ち出すかは担当者一人の判断に委ねられています。既存取引先を担当するということは、会えない苦労ではなく、会えるのに深まらない苦労と向き合うことなのです。この難しさは、訪問の回数を増やすだけでは薄まりません。
切り出し方は教わっていません
営業のトレーニングは、その多くが新規開拓を前提に組み立てられています。初対面での自己紹介、決裁者への働きかけ、提案書の組み立て。どれも必要な内容ですが、すでに何年も取引のある相手に対して次の一言をどう切り出すかを扱ったものは、多くありません。そのため、ルート営業の担当者は、最も頻度の高い場面をほとんど練習しないまま現場に立つことになります。実行が難しいのは、強く押し返される場面よりも、何ごともなく終わってしまう場面の方と言えます。
定期訪問を練習に組み込む難しさ
用件のない訪問では、何を話すかが訪問先に着いてから決まります。従来のロープレは提案の型を扱いますが、それをどう切り出すかまでは練習の対象になりません。そのため、納期の確認を終えたところで会話が止まってしまうのが現実です。
取引が続いている相手ほど、困りごとを自分からは持ち出しません。設備の更新や生産計画の変更といった変化は、こちらから問いかけて初めて表に出てきます。ところが、その問いかけをどう組み立てるかを練習する場は、ほとんど用意されていないのです。
その結果、集めた事情は担当者一人の記憶にとどまります。工場の稼働状況、過去の取引の経緯、誰に話を通すべきかといった前提は、引き継ぎ資料には残りにくいものです。担当が代わった直後の数回の訪問で何を確認すべきかも、前任者の勘に頼ってきました。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
用件のない訪問こそ、事前に練習できます
定期訪問を再現する練習シナリオ
訪問先の担当者像は、こちらで設定できます。取引年数の長い購買担当、必要なことしか話さない生産技術の方、前任者との付き合いが長かった工場長。実際に回っている顧客に合わせて、AI顧客を用意しておけます。UMU AIロープレを活用することで、用件のない定期訪問という場面そのものを、訪問前に何度でも試せます。
聞き方を変えてはじめて、変化は見えます
適切な質問でのみ開示される事情
AI顧客には、こちらから踏み込んで質問しなければ出てこない事情を、あらかじめ設定しておけます。生産量の見直しや、別の仕入先からの引き合い。そうした背景は、当たり障りのない確認を続けている限り、最後まで表に出てきません。裏を返せば、どの問いかけが状況を動かしたのかを、練習のたびに確かめられるということなのです。
前任者の聞き方を、そのまま引き継げます
組織に残る訪問時の会話の基準
成果を出している担当者が、どの順番で何を聞いているのか。その進め方を評価基準として設定しておけば、担当が代わっても同じ基準で練習を始められます。AIが担うのは、反復練習と評価基準の統一という部分です。顧客との信頼関係づくりや、長い付き合いの中でどこまで踏み込むかの判断は、これまでどおり担当者と上長の役割なのです。
既存顧客を担当する組織での活用
日本市場の製薬企業
日本市場で事業を展開する製薬企業では、若手MRの育成が同行訪問に頼っており、実践に近い練習の機会を高い頻度で確保できませんでした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、若手MRが実際の訪問場面を安全な環境で繰り返し練習できる体制を整えました。
その結果、受講後7〜9カ月で、若手MRの医師との対話型面談の回数が受講前と比べて約2倍に増加しました(出典:導入企業へのヒアリング)。決まった相手に通い続ける訪問が、確認だけの時間から中身のある対話へ変わったことがうかがえます。
外資系の生命保険会社
日本の大手外資系生命保険会社では、新人育成が支社ごとに進められており、指導の基準が拠点によって異なっていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを導入し、全員が同じシナリオと同じ評価基準で練習できる形に切り替えました。
ABテストの結果、3カ月後の顧客への提案数が30%増加しました(出典:導入企業へのヒアリング)。基準を共有したことで、誰が担当を引き継いでも同じ水準で提案まで進められるようになったと言えます。