新入社員の営業研修、練習の相手はまだ決まっていません
新入社員の営業研修は、入社の時期に合わせて組まれます。ところがその時点で、配属先はまだ決まっていないか、決まっていても担当する先はありません。練習の相手が決まらないので、中身は相手が誰でも通じる範囲に寄っていきます。配属後に必要になる会話の形は、配属されてから見えてくるのです。
新入社員の営業研修で、対象が決まらないのはなぜか
最初の一手が置けません
研修の設計では、まず誰に何を話す場面を練習させるかを決めます。新入社員の場合、この最初の一手が置けません。扱う商材も、相手の業種も、訪問の頻度も、配属で変わります。例えば、春の研修で商品知識の確認と名刺交換の練習をひととおり終えたのに、配属後の最初の一か月で必要になったのは、担当を引き継いだ相手に前任者との経緯を尋ねる会話でした。こうした場面がこれにあたります。研修の中身が悪かったわけではなく、その会話は配属先が決まるまで想定できなかったのです。そのため研修は、相手が誰でも変わらない範囲で組み立てられます。
変わらない範囲は、狭くありません
相手が誰でも変わらない範囲は、思ったほど狭くありません。聞いた内容を自分の言葉で言い直して確かめる動作、分からないことを分からないと伝える言い方、次にいつ何をするかを声に出して確認する言い方。どれも商材に依存しません。狭いのは、これらを練習として置いている研修が少ないという点です。知識の確認に時間を取られ、会話そのものを試す時間が残らないためです。配属先が決まらないことは、対象を絞る理由にはなりますが、練習をなくす理由にはなりません。
配属前に置ける練習と、配属後に回す練習
商材の説明ではなく、会話の進め方に絞ります。聞いた内容を言い直して確かめる、分からないと伝える、次の約束を口に出す。こうした動作は、配属先が決まる前でも練習の対象にできます。どれも短い場面なので、一回の研修で何度も通せます。
商材ごとの会話や、担当先の事情に沿った聞き方は、配属後でないと形が決まりません。研修で無理に埋めようとせず、配属後に一人ずつ通せる形で残しておきます。残すと決めておけば、研修の終わりが育成の終わりだと受け取られることもありません。
配属後の必要は、一人ずつ違うタイミングで来ます。一斉の日程に乗せると、必要になる前か後にずれてしまいます。準備ができた人から順に通せる形にしておくと、ずれが小さくなります。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
配属先が決まる前から、会話の型を試せます
商材に依らない場面の設定
聞いた内容を言い直して確かめる場面だけを、相手役を立てて練習できます。商材の情報がなくても成り立つ場面なので、配属前でも通せます。
配属後は、一人ずつのタイミングで通せます
日程に縛られない練習の置き方
配属後に必要が出てきた人から順に練習できます。日程を合わせる手間がないため、必要になった週のうちに一件通せます。同じ場面を、時期をずらして何度でも試せます。
誰がどこまで通したかが、記録に残ります
進み具合が見える記録
配属前の共通の部分と、配属後の部分を分けて記録に残せます。誰がどこで止まっているかが分かるので、次に手を入れる場所を選べます。AIが引き受けるのは、この練習と記録までです。
新任の立ち上がりに手を入れた例です
ワクチンを主力とする医薬品の企業
バイオ医薬品の企業がワクチンを主力にしており、営業の体制は販売代理店を中心として各地域に分かれていました。本部から渡せるものは研修の資料までで、その内容が現場で同じ形に実行されるとはかぎりません。社内の営業チームを新しく立ち上げた際も、新入社員の多くは実践の経験が足りない状態でした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、本部が定めた標準を一人ひとりに直接届ける形にしました。同じ訪問の場面の集まりを全員が使い、同じ基準で練習します。返ってくるのは全員同じ言葉ではなく、各自の実際のやり取りに応じた個別の指摘です。
その結果、新任が立ち上がるまでの期間は半分に短くなり、新任に対する顧客満足度も上がりました(出典:導入企業へのヒアリング)。配属先が分かれていても、練習の中身と基準は共通に保てたのです。
配属前に共通の部分を置き、配属後に個別の部分を回すという分け方の、先例として読めます。
体外診断の分野で世界的に事業を広げる企業
体外診断の分野で世界的に事業を広げる企業が、欧州に本社を置いていました。能力の認定は人が相手役を務める模擬訪問で実施しており、その機会は四半期に一度きりでした。新しく入った営業は最短でも三か月待たなければ認定を受けられず、その間は正式な営業活動を始めにくい状態でした(出典:導入企業へのヒアリング)。
人が担っていた模擬認定の一部を、UMU AIロープレが引き受けました。認定は日程の調整を待つものではなく、準備ができたら受けられるものへ変わりました。
その結果、認定は随時実施できるようになり、認定を通った担当者の実際の訪問での成果も上がりました(出典:導入企業へのヒアリング)。研修の担当者も、繰り返しの模擬対応から離れ、判断の難しい場面の指導に時間を回せています。
一斉の日程に乗せない形をつくると、立ち上がりの速さは本人の準備の進み方で決まります。日程が制約でなくなる点が、配属後に回す部分と相性がよいと言えます。