ナレッジの継承は、受け取る側が使える形へ
ナレッジの継承では、担当者が代わる前に手順をまとめてもらう対応が一般的です。ただ、残した文書が読まれないまま共有フォルダに置かれている例も少なくありません。継承の成否を左右するのは、受け取る側が使える形かどうかなのです。
継承で先に決める3つのこと
文書を残した時点は途中
ナレッジの継承は、渡す側が文書を書き終えた時点で完了とはなりません。引き継いだ担当者が実務の中でその内容を取り出せて、はじめて継承が成り立ちます。設計の出発点に置くべきなのは、渡す側の作業量ではなく、受け取る側がどの状態になれば使えるのかという基準なのです。ここを決めないまま資料づくりだけを先に進めると、分量が増えても、いざ必要になった場面では参照されにくくなります。引き継ぎのたびに、同じ内容をまた作り直すことにもなりかねません。
残す範囲と形の決め方
継承で決めることは、大きく3つあります。1つ目は、誰のどの判断を残すかという範囲の選定。持っている知識のすべては残せないため、引き継ぐ相手が最初に困る内容から選びます。2つ目が、残す形の設計。通読する読み物にせず、受け取る側が答えながら進む構成に組み替えます。3つ目は、確認の時期。使える状態になったかどうかを、渡した側がまだ在籍しているうちに確かめ、必要なら説明を足します。この3つがそろって、引き継ぎははじめて日々の実務で機能すると言えます。
残した文書が使われない理由
引き継ぐ内容を研修コンテンツとして形にする段階になると、学習設計の進め方が分からず、手が止まりやすくなります。事業部門が自分でコース化する手段を持たないため、研修部門の制作スケジュールを待つことになり、現場で必要とされるタイミングに知識の展開が間に合いません。
渡された資料を一通り読んでも、受け取る側は自分の理解が正しいかどうかを確かめる機会がありません。一方向に情報を受け取るだけの学習では、実務で必要になったときに知識を取り出しにくく、引き継いだ業務の品質が、担当者によってばらつきやすいままになります。
引き継ぎが済んだかどうかの判断は、資料を渡した記録と口頭でのやりとりに頼りがちです。チームのどこに理解の差が残っているかを示すデータがないため、業務でつまずきが表面化してから対処する進め方が続き、結局は同じ説明を何度も繰り返すことになります。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
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選んだ範囲を、コースの形へ
資料と説明から組む構成案
引き継ぐ相手が最初に困る内容を選んだら、次はそれをコースの形にします。社内資料をAIで読み解き、問いと解説を備えたコースに仕立てる工程を受け持つのが、UMU AGL(AI Generated Learning)です。起点になるのは、手元の資料と本人の説明。対話形式の質問に答えていくうちに、章立てと学習ポイントを含む構成案が整います。学習設計の理論を別途学ばなくても、担当者が自分の手でコース化を進められます。
知識の種類ごとに、進め方を変える設計
事実、考え方、手順の扱い
継承する内容には、覚えておく事実、理解して使い分ける考え方、手を動かして身につく手順が混ざります。同じ形で並べただけでは、受け取る側は同じようには受け取れないのです。UMU AGLが進め方を合わせる先は、学習ポイントの種類。事実は要点を簡潔に示し、考え方は身近な例えで説明したうえで理解を確かめ、手順は想定した局面での確認とフィードバックを重ねます。理解度に応じた足場かけが入るため、密度の高い内容でも順を追って学べます。
引き継ぎ後の状態を確かめる視点
在籍中に確かめる習得度
渡した側が社内にいるうちに、受け取った側の理解の状態を確かめられれば、足りない説明をその場で補えます。UMU AGLが記録するのは、学習ポイント単位の習得度。回答状況や追加の質問から、理解の差が残る箇所をチーム単位で示します。測るのは人の優劣ではなく、次に何を伝えるかです。なお、残す知識を決めるのは組織であり、UMU AGLが選定を代行したり、現場で重ねた経験そのものを移したりすることはできず、扱えるのは言葉にできた範囲と言えます。
日々の引き継ぎへの応用
配属直後の新入社員
配属後にまとめて渡す職務関連の社内資料は、そのままでは読み物にとどまります。UMU AGLを通せば、新入社員は読む合間に問いへ答え、具体的な状況で判断を試しながら理解を直せます。
どの学習ポイントで回答につまずいたかが分かるため、指導役が何度も口頭で補っていた箇所や、渡す資料の書き方を見直せます。
管理職の着任時
着任した管理職が引き継ぐ判断の基準や運用ルールは、量が多く、まとめて読む時間を取りにくいものです。UMU AGLで小さな学習単位に分けたコースにすると、移動中のすきま時間でも進められます。
どの論点まで確認が済んだかが記録として残るため、引き継ぎ元の担当者は在籍しているうちに、口頭で補うべき点を絞り込めます。