保険の営業のコツが、聞いたあとの場面で見つからない理由
切り出し方の引き出しは増えたのに、相手がひととおり事情を話し終えた直後で手が止まる担当者がいます。保険の営業のコツとして出回っているものの多くは、会話の入口に関するものです。実際に難しいのはその先、聞いた内容をこちらの言葉で言い直し、そのうえで何をどう伝えるかを決めるところにあるのです。
集めたコツは、なぜ入口で止まるのか
引き出しは増えたのに先が続かない
保険の営業のコツを探すと、会話の入口に関する話が数多く見つかります。初対面でどう名乗るか、どの順番で用件に入るか。この部分は、調べれば調べるほど引き出しが増えていきます。ところが面談の席で実際に止まるのは、そこではありません。相手が暮らしの事情や将来への心配をひととおり話し終え、こちらを見て一拍おいた、その直後です。聞いた内容をどこまで声に出して確かめるのか、そのうえで何から伝えるのか。ここから先が、面談のたびにその場しのぎになります。同じ支社の先輩に尋ねても、返ってくるのは「相手によります」という一言で、そこから先は続きません。こうして入口の引き出しだけが増えていき、その先の部分は一人ひとりの経験の中に置かれたままになります。
コツにまとまらない部分がある
見つからないのには、はっきりした事情があります。返すところの中身は、相手がその日に話した内容へ丸ごと寄りかかっています。同じ言い回しが二度使える場面はほとんどなく、短い言葉として持ち出せません。隣の席の担当者がうまく返せていたとしても、その言い方をそのまま借りた途端、相手が違うだけで噛み合わなくなります。さらに保険の仕事には扱える範囲そのものに決まりごとがあり、こう返せばよいと言い切れる形にもなりません。だから短い言葉のコツとしては流通せず、探しても出てこないのです。出てこないので、また入口の話を集めることになります。
その場面は、どう身につくのか
受け答えを組み立てる力は、型を暗記しただけでは育ちません。相手が持ち出す中身が毎回違う以上、こちらの言い直しも毎回変わります。伸びるとすれば、同じ言葉を覚えたからではなく、聞き終えてから返すまでの段取りを、条件を変えながら何度も通したからです。身につけ方の道すじは、暗記よりも反復の側にあります。
保険の仕事では、扱える範囲そのものに決まりごとが置かれています。このページは制度や規程、税の扱いについて解釈や判断を示すものではありません。範囲がある前提で言葉を選ぶ以上、こう返せば正解という一つの形にはたどり着けません。だからこそ、確かめながら通す場が要ります。
返すところだけを取り出して練習するには、事情を話し終えたところから始めてくれる相手役が欠かせません。同僚に頼む場合、こちらの都合と相手の都合を合わせる手間が先に立ちます。相手役を待たずに用意できるかどうかで、練習を続けられるかが変わってくると言えます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
相手が話し終えた場面から練習できます
その場で変わるAIの受け答え
UMU AIロープレを活用し、事情をひととおり話し終えたところからAIの顧客役と向き合えます。こちらの言い直しや確認の仕方に応じて、相手役の態度も次の発言も動きます。相手の立場や話し方の癖、引っかかりやすい点をあらかじめ決めておけるので、想定しておきたい人物像を何通りも並べられます。同じ場面をもう一度選んでも、返ってくる内容が前回と重なることはありません。相手ごとに違う部分を、相手を入れ替えながら通せるのが特徴です。
どこがずれたかを、その場で確かめられます
どの段階で何を選んだか
一回のやり取りを終えたあと、決まった言葉を口にしたかどうかではなく、どの段階でどのように進めたかに沿って評価が出ます。受け止めの確認が抜けていたのか、伝える順番が合っていなかったのか。次に直す場所が名指しで残ります。同じ場面を何度か通したあとで並べて見れば、どこが安定してきたのかも追えます。評価の重みづけは、自社が定めた面談の型に合わせて設定できます。
同じ場面に、何度でも戻ってこられます
回数に上限のない反復練習
同僚の空き時間を探さずに済むため、手元の端末を開けばすぐに始められます。返しきれなかった場面をその日のうちにもう一度なぞり、翌日また同じところから入り直せます。AIが肩代わりするのは、繰り返しの相手役と採点の目安をそろえる範囲までです。面談で何をどこまで伝えるかの判断や、続ける気持ちの持ち方までは代われません。
返す場面を練習に移した二つの例
自己免疫領域の製薬企業
抗体医薬品を手がける製薬企業では、異議を受けたあとの応答が担当者ごとにばらつき、組織の基準となる返し方が定まっていませんでした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、医師との面談で会話が途中で遮られる状況を再現したうえで、代表的な異議への応答を何度でも通せる体制を整えました。
保険とは商材も規制の枠組みも異なる分野ですが、聞いたあとに返すところを練習の対象へ置き直した点が重なります。
数値の成果は本ページでは扱いません。参照していただきたいのは、練習の当て先をどこに移したかという一点です。
眼鏡専門店を営む企業
眼鏡の専門店を全国で営む企業では、次のリーダー候補に求められる傾聴と伝達の力を、座学だけでは扱いきれない状態が続いていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、日々の予定の合間にコーチングと説明の対話を繰り返せる環境を整えました。
扱う商材は保険とまるで違いますが、相手の話を受けてから言葉にして返す部分を反復の単位に据えた点は同じです。
こちらの事例についても、達成率などの数字は載せていません。読み取っていただきたいのは、練習の単位の切り方です。