保険営業のマーケティング、成果は数だけで見ていますか
保険営業のマーケティングを学ぶと、手元に残るのは、何人に届いたか、どれだけ反応があったかという数字です。数を見る目は、活動を続けるために欠かせません。ただ、一線の担当者がその日の成否を判断するのは、目の前の一件が次に進んだかどうかです。二つの尺度が一つの成果として混ざったままだと、どこに手を入れるべきかが決まらないのです。
保険営業のマーケティングで、二つの尺度が混ざる理由
数の尺度は、多くの人を前提に組まれています
マーケティングとして紹介される方法は、多くの人に届けることを前提に組み立てられています。ですから成否も、届いた人数や反応の数で語られます。一線の担当者が受け取るのは、この人が反応したという事実です。その人が何を気にしているのかは、会話を始めてからでないと分かりません。例えば、案内を見て問い合わせてきた相手に連絡し、前の相手と同じ入り方で話し始めたところ、途中で関心が別のところにあると気づくことがあります。こうした場面がこれにあたります。ところが自分の仕事も同じ数字で見ていると、一件が進まなかったときの説明が、まだ数が足りないというところに落ち着きやすくなります。数を増やす動きは翌日から増やせますが、その一件について何を直すのかという手がかりは残らないのです。
振り返りの材料が、片側にしか残りません
数の側は、記録がそのまま残ります。いつ何件動いたのかは、後から誰でも見返せます。一方、一件の会話でどこが引っかかったのかは、担当者の記憶のなかにしか残りません。そのため振り返りの材料は、いつも数の側にそろっていると言えます。なお、このページでは集客の手法やツールの選び方は扱いません。案内や表示の内容について所属先に定めがある場合は、それに従ってください。本ページでその可否を判断することはありません。
一件が次に進むかどうかは、どこで決まるのか
反応があった相手は、関心の持ち方がそれぞれ違います。ですから、一つの入り方を覚えるだけでは足りません。同じ論点を、相手の反応に合わせて言い直せるかどうかが、その一件が次に進むかを分けます。この力は、相手の言葉が返ってくる状態で試してみないと、身につきにくいものです。
数は毎日動くので、手を入れた実感が得やすくなります。一件の会話は、結果が出るまでに間があります。しかも、何をどう直したのかが残らないため、次の一件でも同じところで止まりやすくなります。
道具を見比べるときは、数を増やす機能ではなく、一件の会話をもう一度通せるかどうかで見ると判断がつきます。話した内容が残り、どこで止まったのかを後からたどれる形になっているかを確認します。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
相手ごとに違う進め方を、面談の前に試せます
相手ごとの人物像の設定
職種や性格、話し方の違いを設定した相手と、同じ論点を試せます。反応があった相手を一括りにせず、一人ずつ違う進め方を用意できます。相手が納得しなかった場合の続きも、その場で続けて練習できます。
限られた時間の中で、聞く順番を組み立てられます
本番と同じ時間制限のある練習
面談で使える時間は限られています。時間の制限がある状態で練習すると、何を先に聞き、何を後に回すかを、本番の前に決められます。限られた一回のなかで、伝える順番を組み替える練習にもなります。
止まった場所を、終わった直後に確かめられます
対話直後の構造化レポート
練習が終わると、段階ごとの評価と、改善が必要なところが整理されて残ります。一件の会話がどこで止まったのかを、記憶に頼らずに確かめられます。AIが担うのは、この繰り返しと評価の基準をそろえる部分です。相手との関係づくりは、引き続き担当者の仕事になります。
対話の中身を見比べた企業の例です
国内で保険を扱う代理店企業
国内で保険を扱う代理店企業では、AIを使った練習の効果について、厳密な検証データが必要とされていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、AI練習を行った実験群と、AIを使用しなかった対照群を、5つの独立した評価軸で比較する統制実験を設計しました。
15名の評価者が、約150名の保険営業担当者による対話練習動画を確認し、5つの評価軸について5点満点で評価しました。その結果、5つすべての評価軸において、AI練習を行った実験群が対照群を上回りました(出典:導入企業へのヒアリング)。一件ずつの対話を軸ごとに見比べたことで、練習の違いを数字として説明できる形になったのです。
題材は保険の営業ですが、成果を一つの数字にまとめず、一件ずつの対話を軸ごとに見比べた点は、数と一件を分けて考えるときの手がかりになります。
体外診断領域の医療機器企業
体外診断領域の医療機器企業では、研修部門が少人数で営業育成を担っていました。第1フェーズでは対面中心の1対1コーチングに依存しており、効率が低く、担当者の負荷も高い状態でした(出典:導入企業へのヒアリング)。
第2フェーズでは、AIを活用した模擬練習を取り入れ、対象となる営業担当者の全員が参加する状態になりました(出典:導入企業へのヒアリング)。
第3フェーズでは、現場の営業担当者を対象に、実際の訪問対応力を高めるための実践的な活用スキルの強化へ進みました。次の段階へ進むかどうかは、各フェーズで同社が自ら判断しています(出典:導入企業へのヒアリング)。
見るものが、参加した人数から訪問での対応力へと移っていきました。数の側で足場を整えたうえで、一件の中身に移るという順番だったと言えます。