【開催報告】ATD-ICE 2026 ツアー振り返り会|AI時代の人材開発トレンドと実践知を共有

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世界最大級の人材開発カンファレンス「ATD-ICE 2026」。生成AIの本格導入が進む中、人材開発の潮流は「ツールの活用」から「AI時代における人間の価値の再定義」へと大きく移行しています。2026年7月10日、ATD-ICE 2026 UMUツアーおよびProFutureツアーの参加者が一堂に会する帰国後の振り返り会を、パーソルキャリア株式会社 大手町オフィスにて開催。参加者自身がATDで得たトレンドと学びを語り、自社への実装を議論した本イベントの模様をレポートします。AI時代の人材開発・HR戦略のヒントを探る担当者は、ぜひご参考ください。

ATD-ICE 2026 ツアー振り返り会の開催概要

ATDツアー参加者を対象としたクローズドな振り返り会として、参加者同士のコミュニティ形成と学びの深化を目的に開催。昨年までは実施していなかった取り組みであり、リアル開催をまず実現することに意義があると判断して決行した結果、熱量の高い場が生まれました。

項目 内容
イベント名 ATD-ICE 2026 ツアー振り返り会(UMUツアー・ProFutureツアー共催)
開催日時 2026年7月10日(金)17:00〜20:00
会場 パーソルキャリア株式会社 大手町オフィス(リアル開催)
参加者 ATDツアー参加者(UMUツアー・ProFutureツアー)、ファシリテーター・主催者
形式 参加者によるATD振り返り登壇、実践ワークショップ、懇親会

 

参加者登壇①:「人事の幕の内弁当化」から経営と連動するHRの重心へ

多くの人事部門が直面するのが、現場から多種多様な要望が殺到し施策が総花的になる、いわば「人事の幕の内弁当化」の課題です。

 

パーソルキャリア株式会社の白井 孝大 氏は、この課題に対し「職種経験年数」を軸としたこれまでの取り組みを共有した上で、2030年に向けた次なる「HRの重心(経営レベルの戦略)」を探求した背景を語りました。ATDでの具体的な学びとして挙げられたのは以下の観点です。

  • ツール導入にとどまらない「AI時代のプロアクティブな風土改革」
  • データ活用によるタレントプールの構築
  • 採用からサクセッションまでの一貫したシステム化

いずれも経営戦略と連動した、人事主導の施策シフトを示す視点。人材開発を「研修の提供」から「経営インパクトの創出」へと引き上げる潮流を象徴する発表となりました。

参加者登壇②:AX時代にこそ問われる「即興力」とAI×EQの融合

AX(AIトランスフォーメーション)が進むほど高まるのが、「人間にしかできないこと(感情・共感)」の価値です。三菱ふそうトラック・バス株式会社の藤井 氏は、この前提のもと、マネージャーや内製トレーナー育成の視点から学びを共有しました。

 

主な論点は次の通りです。

  • ビジネスという“筋書きのないドラマ”を生き抜く「即興力」とチームの信頼関係
  • 相手の行動変容を促す「研修体験のデザイン」
  • 部下に答えを与えず考えさせる「マルチプライヤーとしてのリーダーの在り方」
  • 今後の鍵となる「AIとEQの融合」

AIが「正解を出す」領域を担うほど、人間に求められるのは、聴き、受け入れ、共創する力です。テクノロジーと人間性を対立ではなく融合で捉える、示唆に富む発表となりました。

ワークショップで「学び」を「自社への実装」へ

登壇を通じて高まった課題意識を受け、後半は「自社への持ち帰り・実装」をテーマにした実践ワークショップを実施。テーブル別のディスカッションでは、業界も役割も異なる参加者同士が互いの文脈で学びを翻訳し合う、活発な議論が展開されました。

 

各テーブルで交わされた主な論点は次の通りです。

 

研修の効果測定と行動変容

 

階層別研修や節目研修が年々増える一方、効果測定が追いついていないという課題意識が複数の企業から挙がりました。「人材開発の仕事はアウトプットかアウトカムか」という問いを起点に議論されたのは、満足度の評価にとどまらず行動変容や成果までを追う設計の必要性と、その前提となる事前のヒアリングや期待値のすり合わせです。認知スキルは習得を測定しやすい一方、非認知スキルは短期では測りづらく、中長期で捉える前提で育成を設計するという整理も共有されました。

 

スキルベース組織への移行

 

ジョブディスクリプションが根付いた米国と異なり、日本にはジョブベースの土台がないままスキルの議論が始まっているという構造的な指摘が印象的でした。スキルデータの蓄積、事業戦略と人事戦略の接続、評価制度への落とし込みなど、移行の出発点をめぐる実践的な意見交換が行われました。

 

AI時代に人が担う価値とガバナンス

 

新人時代の下積み業務がAIに置き換わる中で「その業務を通じて学んできたことは何だったのか」を再定義する必要性、効率化できる業務でもあえて人が担うことが組織のカルチャーを育てるという視点、さらにAIエージェントを「部下」として率いる新しいリーダーシップ研修の潮流など、人とAIの役割分担をめぐる議論が深まりました。あわせて重要な論点となったのが、採用選考へのAI活用における責任の所在や、倫理・社内規定・セーフティーネットの整備といったAIガバナンスです。

 

帰国後すぐに全社朝礼で「今日が一番変化の遅い日」というメッセージを発信した企業の事例など、学びを即座に行動へ移した報告も相次ぎました。ディスカッションの終盤には「ATDには誰が行くべきか」という問いも。経営層、会社を変えたいと思っている人、柔軟な発想で意見を発信できる若手といった声が挙がり、学びを組織変革につなげる当事者意識の高さがうかがえました。

 

学びは、インプットするだけでは行動変容につながりません。仲間と語り、自社の文脈に落とし込み、実践を宣言する。懇親会でも交流は続き、ATDを起点とした学び合うコミュニティの土台が築かれました。

まとめ

ATD-ICE 2026 ツアー振り返り会は、参加者自身によるリアリティのあるトレンド共有と、実装を見据えたワークショップにより、高い熱量のコミュニティ形成を実現しました。「HRの重心の再定義」「即興力とEQ」「AIとの融合」という論点は、AI時代の人材開発を考えるすべての組織に示唆を与えるものです。学びを一過性で終わらせず、実践と対話で定着させる場づくりの価値が改めて確認された機会となりました。

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UMUでは、ATDをはじめとする人材開発の最新トレンドを踏まえたセミナーや資料を通じて、AI時代の学びの実践を支援しています。詳細は以下よりご確認いただけます。

 

 

 

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