営業効率化ツールの導入直後に、現場が一度遅くなる理由
営業効率化ツールを入れた直後から、現場の動きがかえって重くなったという報告が上がることがあります。入力の順番を覚え直し、これまでの手順を手放し、慣れない画面で同じ作業をやり直す時間が、しばらくのあいだ必要になるからです。その期間の数字は、導入前より低く出ます。しかしそこで起きているのは、失敗ではなく習熟の途中なのです。
なぜ、導入した直後に現場は重くなるのか
増えるのは、慣れるまでの仕事
営業効率化ツールを入れると、現場ではまず新しい仕事が増えます。どの項目をどこに入力するのか、これまで手帳で済ませていた確認をどの画面で行うのか、担当者は一つずつ覚え直すことになります。前のやり方と新しいやり方が並走する期間もあり、同じ内容を二度扱う場面も出てきます。慣れた手順なら数分で終わっていた作業に、しばらくは倍の時間がかかります。ここで起きているのは、手を抜いていることでも、やり方に納得していないことでもありません。新しい手順が身につくまでの時間が、そのまま作業時間に上乗せされているだけなのです。ところが、この上乗せが消えないうちに「思ったほど変わらない」という感想が出はじめます。導入から一、二か月というのは、ちょうどその時期にあたります。
並ぶのは、上乗せ分を含んだ数字
導入から一、二か月が過ぎたころ、多くのチームで振り返りの場が設けられます。そこに並ぶのは、訪問件数や商談の進み具合、入力にかかった時間といった、いつもの指標です。どれも上乗せ分を含んだままの数字で、慣れたあとの姿はまだ反映されていません。材料が並んでいるように見えるぶん、読み取れる結論は「前より落ちた」の一つに寄ります。営業マネージャーが説明を求められるのも、たいていこの時期です。中身を確かめないまま答えを先に出すと、まだ効果が出る前のものを、効果がないと結論づけることになります。
遅くなっている期間に何を見るか
新しい進め方を最初に試す場所は、多くの場合、顧客との商談の中です。導入直後の担当者は、画面の操作と会話の進行を同時に抱えます。手順を思い出しながら話すと、相手の反応を拾う余裕までは残りません。ここでのやり直しは、取り戻しのきかない一回の商談の中で起きています。営業マネージャーから見ると、この時期の同行は「いつもより噛み合わない」という印象として残ります。
習熟の途中で起きていることは、成果の指標には悪い数字としてしか現れません。誰がどの段階まで進んだのか、どこで手が止まったのかは、件数や金額の集計に残らないからです。進んでいる最中の担当者と、手が止まったままの担当者が、集計の上では同じ行に並びます。
そこで問いになるのは、慣れるまでの期間の中身を、どうやって手元に置くかという点です。誰がどの段階で詰まっているのか、その詰まりは前の週より減っているのか。この二つが分かれば、期間そのものを短くする手当てが打てますし、判断もその上で行えます。練習の道具を選ぶときに確かめたいのは、この一点だと言えます。
やり直しを、商談の外で終わらせられます
本番に近い対話練習
UMU AIロープレを活用し、新しい進め方を商談の前に通しで試せます。AIが顧客役を務め、時間の制約や、途中で話を切られる展開まで再現します。担当者は、操作と会話を同時に抱える状態を、失注の心配がない場所で先に経験できるようになります。取り戻しのきかない一回を練習に充てずに済むため、導入直後の商談で起きるやり直しを減らせるのです。
詰まりの場所が、その場で分かります
段階別の個人レポート
一回の練習ごとに、どの段階で減点があったのかが個人単位で残ります。最初のスコアから最も良かったスコアまでの移り変わりも並ぶため、同じ相手のどこで手が止まりやすいのかを見分けられます。慣れるまでの期間に何が起きているかを、感触ではなく記録の形で持てるようになります。なお、記録したデータをどこまで残せるかという線引きは、社内の規程と管理部門の運用によって決まります。本ページでその線引きを示すことはしません。
詰まりの減り方を、チーム単位で追えます
全体の傾向が見える管理画面
管理画面では、段階や異議の種類ごとに、チームの練習結果をまとめて確認できます。先週まで多かった減点が今週は減っているのか、特定の場面だけが残り続けているのか。この動きが読めると、慣れるまでの期間に手を入れる場所を絞れます。見えるようにできるのは、詰まりの位置と、その減り方までです。そこから先、誰にいつ声をかけるかを決めるのは、チームを預かる営業マネージャーの仕事として残ります。
慣れるまでの期間に、何を見ていたか
体外診断を扱う医療機器の企業
体外診断を扱う医療機器の企業では、指導が対面での一対一に偏り、研修を担う人数に比べて営業の人数がはるかに多い状態でした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、まず全員が使える模擬練習に切り替え、その後は実際の訪問対応を想定した練習へと、段階を分けて進めました。
途中の状況を見たうえで次の段階へ進む判断を、いずれも同社側が行っています。数値の公表は本事例にないため、ここでは割合も期間も挙げていません(出典:導入企業へのヒアリング)。
生命保険を扱う外資系の企業
生命保険を扱う外資系の企業では、新人を育てる手順が支社ごとにばらばらで、同じ時間をかけても仕上がりに差が出ていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、対面での指導を受ける組と、オンラインで練習を重ねる組に分けて、同じ期間の中で比べる形を取りました。
成約に至った受講者の練習記録は、その後入社した新人向けの教材に組み込まれました。慣れるまでの期間に何が起きていたかを記録として残した点が、この事例の要点です。数値については、本ページでは触れずに進めます(出典:導入企業へのヒアリング)。