不動産営業の最新ツールを入れても、成約が増えない理由
反響対応の自動化から物件提案の資料作成まで、不動産営業の最新ツールをひととおり試したものの、内見のあとに話が止まる件数は変わらないという声があります。その課題の根幹はツールの数ではなく、資金計画への不安や他社物件との比較といった、その場で返さなければならない質問を練習する機会が、ほとんどないことにあるのです。
ツール選びで見落とされる一点
最新ツールは3つの役割に分かれる
不動産営業で使われる最新ツールは、担う役割で見ると3つに分かれます。ポータルサイトからの反響(問い合わせ)を取りこぼさずに振り分け、追客(購入検討中の顧客へのフォロー)のタイミングを知らせるものがあります。顧客情報や物件資料、契約書類を一か所にまとめ、店舗をまたいで共有できるようにするものもあります。そしてもう1つ、物件案内や資金計画の説明といった、顧客と向き合う場面そのものを練習し、記録として残すものがあります。はじめの2つは商談に入るまでの導線を整えるもので、残る1つは商談の中身に踏み込みます。導入が進んでいるのは導線側で、中身側に手をつけている会社はまだ多くありません。この偏りが、成約の数に表れてきます。
案内の件数だけが増えていく
ツールで導線が整ったぶん、1日に回せる内見の件数は確かに増えました。その一方で、案内の前に想定問答を組み立てたり、終わったあとに切り返しを見直したりする時間は、移動と入力に押し出されていきます。件数が増えても、顧客と向き合う数十分の中身が変わらなければ、成約率は動かないのです。難しいのは、この中身を鍛える仕組みをどう作るかという点にあります。
対話の練習が続かない構造
新人が案内の流れを覚える手段は、先輩の内見への同行がほとんどです。自分が主導して話す番は、月に数回しか回ってきません。物件の見どころを自分の言葉にする経験が、在籍した年数のわりに増えないのが現実です。
だからこそ用意される社内のロープレも、相手役は同じ店舗の同僚です。互いに遠慮が生じやすく、住宅ローンの審査に通るのかという不安や、他社の見積もりとの比較といった、返しにくい質問はまず出てきません。
案内から戻ったあとの振り返りも、「もう少し落ち着いて」「熱意は伝わった」といった言葉で終わりがちです。どの一言で顧客の表情が変わり、次はどう言い換えるのかまでは決まりません。その結果、同じ場面で同じ止まり方を繰り返してしまうのです。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
内見の初回接客は、待たずに練習できます
移動中に重ねる案内トークの練習
UMU AIロープレを活用することで、AIが顧客役を務めます。先輩の予定に合わせる必要も、順番を待つ必要もありません。営業担当者は、次の内見までの移動中や店舗が落ち着いた時間に、スマートフォンから同じ場面を何度でも試せます。話す番が月に数回だった状態から、毎日短く繰り返す状態へ移行できます。
答えにくい質問ほど、先に受けられます
資金計画の不安を口にするAI顧客
AI顧客には、住宅ローンの事前審査に通るのかという不安や、他社が提示した価格との比較を、あらかじめ会話へ組み込めます。担当者の説明が曖昧なままなら、AI顧客は納得せずに問い直します。同僚には頼みにくい厳しい役どころを、遠慮のいらない相手として繰り返し設定できるのが特徴です。
どこでつまずいたかが、その場で分かります
対話の直後に出る工程別の評価
練習が終わると、導入からヒアリング、資金計画の説明、反論対応までを工程ごとに分けたスコアと、次に直す一点が示されます。「もう少し落ち着いて」で終わっていた振り返りが、どの発言をどう言い換えるかという具体的な話に変わります。AIが担うのは反復練習と評価の基準を統一するところまでで、案件ごとの判断や動機づけは、引き続き先輩やマネージャーの役割です。
高単価の商談を担うチームの事例
高級アパレル分野の大手企業
国内外100都市以上に500店舗超を展開する高級レディースアパレル分野の大手グループでは、新人の販売スタッフに高単価の顧客と向き合う経験が不足していました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、効率を重視する企業役員やこだわりの強いバイヤーなど、複数の顧客タイプを設定して、店舗や地域をまたいで練習できる体制を構築しました。
その結果、導入当年の大型セールでは自社チャネル経由の売上が前年比90%以上増加し、会員獲得率も前年比42%増加しました(出典:導入企業へのヒアリング)。顧客タイプ別に話し分ける練習が、値引きに頼らない提案の定着につながったと言えます。
外資系の大手生命保険会社
日本で事業を展開する外資系の大手生命保険会社では、新人の育成が支社ごとに任され、指導の方法や基準が分かれることで育成の質にばらつきが生じていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレでOJTの一部を置き換え、対面のOJT研修を受けたグループと、AIとの練習で学んだグループを比較する検証を行いました。
その結果、3カ月後にはAIで練習したグループの顧客向け提案数が30%増加しました(出典:導入企業へのヒアリング)。成約に至った受講者の練習記録を教材に組み込んだことで、支社ごとに分かれていた育成の基準が一つにまとまっていったのです。