IT系の営業で保留の案件を次の一歩に変える問い
IT系の営業では、商談の終わりに「一度社内で確認します」と返ってくる場面が続きます。はっきり断られていないため失注としても整理されず、稟議(社内の承認手続き)に乗ったのかも分からないまま、案件だけが手元に残り続けます。練習すべきなのは切り返しではなく、この保留を次の一歩に変える確かめ方なのです。
社内検討のあとで差がつきます
進み方は商談の外で決まります
IT系の商談で案件の進み方を決めているのは、提案の出来よりも、社内検討に入ったあとの経路です。目の前の担当者が最終決裁者とは限りません。合意は事業部門にとどまらず、情報システム部門のセキュリティチェックや上長承認も控えています。だからこそ、誰が何をいつまでに判断するのか、担当者は社内の誰に説明するのか、稟議には何がそろえば足りるのか、そこを商談の場で確かめられているかどうかで、次に起きることが変わります。ヒアリングが浅いと、デモが汎用的になり、提案は相手の社内検討に乗りません。ただし、この確かめ方は、これまでの練習でほとんど測られてこなかったと言えます。
保留の場面は練習にありません
営業ロープレの想定は、価格交渉や競合比較のように、はっきりした反対に偏りがちです。反論への切り返しは繰り返し練習されてきました。ところがIT系の商談で多いのは、「まず資料を送ってください」「タイミングを見て相談します」という、賛成も反対もしない返答のほうです。相手は反対していないため、切り返す言葉が使えません。必要なのは、相手が社内で誰に何を説明するのかを一緒に描く問いです。難しいのは、その問いを商談の流れの中に置くことなのです。
保留を扱う練習設計の難点
営業の練習教材は、こう言われたらこう返すという対応表の形で作られています。ところが「社内で確認します」には、返すべき主張がありません。対応表を引く場面がないため、この返答は教材に載らないままです。
ロープレの多くは、価値提案から契約の後押しまでを一巡すると終わります。だからこそ、保留を受け取ってからの数分、つまり誰がいつ何を判断するのかを確かめる会話が、練習の対象から外れてしまうのが現実です。
担当者が社内で稟議を通すには、導入目的、比較の観点、費用対効果、リスクの説明が求められます。その材料を商談の中で一緒に整える会話は、練習の想定にありません。そのため案件は手元で止まってしまうのです。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
その保留も、練習の場に仕込めます
反論パターンとして設定する保留
価格交渉や競合比較と同じように、「一度社内で確認します」という反応も、管理者があらかじめ反論パターンとして設定できます。UMU AIロープレでは、AI顧客が会話の流れに合わせた自然なタイミングでこの返答を投げかけます。教材に載りにくかった場面を、何度でも練習できます。
決裁の道筋は、問いかけてこそ見えます
聞かなければ開かない前提
AI顧客には、受講者に開示しない前提を設定できます。決裁者は誰か、判断はいつ下りるのか、稟議に何が必要かといった情報は、問いかけない限り会話に現れません。保留を受けたあとの数分で何を確かめるのか、営業担当者はその組み立てを練習の中で身につけられます。
社内説明の材料まで、評価に載せられます
自社基準に合わせる採点の重み
ヒアリングから反論対応までの工程ごとに評価が出るため、どこで詰まったかをすぐ確認できます。採点の重みづけは自社基準に合わせられるので、相手が社内で説明できる材料を整えられたかという観点も評価に入ります。AIが担うのは反復練習と評価基準の統一までで、案件ごとの判断はマネージャーとの1on1で決めます。
他業界の大規模組織での実例
がん・免疫領域の製薬大手
循環器・がん・免疫領域を扱う製薬分野のグローバル大手企業では、営業担当者が全国に分散しており、人によるOJTや個別指導に高いコストがかかっていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、40以上の知識項目に対して80〜120の模擬業務シーンを設計しました(出典:導入企業へのヒアリング)。
その結果、8,200アカウントの規模でも、直属マネージャーが部下の習得状況をダッシュボードで把握し、指導の的を絞れるようになりました(出典:導入企業へのヒアリング)。
体外診断を手がける海外大手
体外診断の分野で世界的に事業を展開する大手企業では、能力認定が四半期ごとの実施日に限られ、新任の営業担当者は認定を待つ間、正式に営業活動を始めにくい状態でした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、自社で定めた訪問プロセスに沿った模擬対話と即時のフィードバックを、準備ができた時点で受けられる形に変えました。
その結果、認定は日程を待つものから準備ができた担当者がいつでも受けられるものに変わり、営業活動の立ち上がりが滞りにくくなりました(出典:導入企業へのヒアリング)。