個人宅への訪問営業、相手はいま話せる状態ですか
個人宅への訪問営業では、相手は自宅で別のことをしている最中です。玄関に出てきた時点で、その手は止まっています。用件を伝える前にすでに決まっているのは、いま話を聞ける状態かどうかであり、これは訪ねた側からは分かりません。それでも最初に話し始めるのは、たいてい用件の説明なのです。
個人宅への訪問営業で、最初の一言が届かない理由
相手の時間は、すでに中断されています
職場での商談なら、相手は仕事の時間の中で会っています。個人宅は違います。食事の支度、子どもの世話、休んでいる時間。玄関のチャイムは、その途中で鳴ります。相手が出てきたとき、聞く態勢が整っているかどうかは、訪ねた側には見えません。例えば、名乗って用件を短くまとめて伝え、相手が黙ってうなずいたので続けたところ、途中で「今は手が離せない」と言われて終わる。こうした場面がこれにあたります。相手は初めから手が離せなかったのに、それを口にする機会がなかったのです。なお、訪問による営業には法令上の定めがあります。本ページはその可否や解釈を扱いません。所属先の定めと関係する法令に従ってください。
残るのは、断られたという結果だけです
言う機会がないまま進むと、手元に残るのは断られたという結果だけになります。聞ける状態ではなかったのか、用件が合わなかったのかは区別できません。区別がつかないので、次に訪ねるときも同じ順番で話し始めることになります。区別できる形にするには、相手が断れる一言を先に置くしかないと言えます。この一言があると、相手の答えがそのまま手がかりになります。都合が悪いという返事なら用件の中身は判断されていませんし、聞いてもらえたなら、そこから先は用件の話として受け止められたことになります。
断れる形で始めるとは、どういうことか
名乗ったあと、用件の説明に入る前に、いま時間を取れるかどうかを相手が答えられる形で尋ねます。答えが「無理」であれば、そこで終わります。終わり方がはっきりするので、次にどうするかも相手の言葉をもとに決められます。
この形で始めると、早い段階で断られる回数は増えます。ただ、話が続いた相手とは、聞ける状態で話せています。続いた会話の中身が変わるという意味では、増えた分を損とは言えません。早く終わった分の時間が、次の訪問に回るという見方もできます。
玄関先は立ったまま、短い時間で終わります。言い方を組み立て直す余裕はありません。だからこそ、断れる形の一言は、訪ねる前に口に出して確かめておく必要があります。頭の中で組み立てた言い方と、声に出したときの長さは、たいてい違います。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
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断れる一言を、訪ねる前に試せます
最初の数十秒の場面設定
玄関先での短いやり取りを、相手役を立てて試せます。名乗り方と、時間を取れるかどうかを尋ねる一言だけを、繰り返し確かめられます。相手の答えが変わる場合も、続けて用意しておけます。
断られた場面も、練習として残せます
断られたあとの続きの練習
その場で終わった場面も、同じ条件でもう一度試せます。相手が都合が悪いと答えたあと、何を言って引くのかまで練習できます。引き方が決まっていると、次の判断も落ち着いて選べます。
言い方の違いが、記録として残ります
言い方ごとに残る評価
どの言い方で始めたときに会話が続いたのかが、記録に残ります。訪ねる前に確かめた一言を、あとから見直せます。AIが引き受けるのは、この繰り返しと記録までです。相手にどう接するかの判断は、担当者の側に残ります。
外勤の営業で練習を組み入れた例です
日本の大手の生命保険会社
国内で広く事業を営む生命保険会社は、営業活動を三つの段階に分けた独自の進め方を、すでに体系立てていました。ただ、進め方を知っていることと、実際のお客さま対応の中で自然に行えることのあいだには、大きな隔たりがありました(出典:導入企業へのヒアリング)。
ここから読み取れるのは、手順を整えることと、それを人前で行えることは別だという点です。訪問の最初の一言も、決めておくだけでは足りず、口に出す回数が要ります。
外勤の営業という点で、個人宅を訪ねる仕事と条件が重なります。決めた言い方を、出向く前に口に出しておけるかどうかが分かれ目になります。
外勤の担当者を多数抱える生命保険会社
外勤の担当者を多数抱える別の生命保険会社では、人と人が向き合う従来の研修では見過ごされやすい問題に直面していました。担当者が練習そのものに気後れしてしまい、回数が上がらないという状態です(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこで練習の相手役をAIに切り替え、質問による関係づくりから、断られたときの応じ方までを含む学習の区分けを用意しました。管理職の側にも専用の内容を置いています。
読み取れるのは、断られたあとのやり取りまで練習の対象に入れていたことです。断られる回数を減らす話ではなく、断られたあとに何を言うかを決めておく話として扱われています。
個人宅への訪問でも、断られる場面は避けられません。避けるのではなく、そこを練習の一部として置いておく考え方なら、業種をまたいでも使えます。