商談のロールプレイングで、聞き取った内容は残っていますか
商談のロールプレイングを重ねているのに、本番では相手の話の後半を思い出せないという担当者がいます。練習のあいだ、意識は次に何を言うかに向きます。練習の目的が「言えるようになること」に置かれているため、これは自然な集中です。ただ、そのあとの展開を左右するのは、相手が話しているあいだの過ごし方でもあるのです。
振り返りは、なぜ自分の発言だけに向くのか
聞いている時間が練習に入らない
ロールプレイングでは、想定した場面に沿って自分の受け答えを組み立てます。相手が話し始めても、頭の中では次の発言を用意しています。練習の目的が「言えるようになること」に置かれているため、これは自然な集中です。意識が足りないわけではありません。ところが本番の商談では、相手が話しているあいだに何をしていたかが、そのあとの展開を左右します。どこでうなずくか、どの言葉を書き留めるか。相手が話し終える前に次の質問を組み立ててしまうと、話の後半が耳に入りません。商談を終えたあとに思い返すのは、うまく言えた箇所と詰まった箇所です。同僚から受ける助言も、たいていは説明の順番や言い方についてのものになります。手応えも反省も、自分の発話にしか結びつきません。聞いていた時間については、何も残らないのです。
同じことを次でもう一度聞く
聞いた内容が手元に残らないと、次の面談で同じことをもう一度確かめることになります。相手にとっては、前回話したはずのことです。二度目の説明は短くなり、そこから先の事情が出てこないまま話が終わることもあります。訪問の回数は増えているのに、話が同じ場所を回っているという感覚は、ここから生まれます。
聞いていた内容を練習の対象にする
相手の話を受け止められたかどうかは、聞いた直後に確かめられます。話が終わった直後に、相手が言ったことを、言った順番で三つ挙げてみてください。言い返す準備をしていると、三つ目が出てきません。挙げられなかった箇所が、聞けていなかった時間です。この確かめ方は一人でも成り立ち、道具も要りません。
練習では、場面も相手の出方もあらかじめ分かっています。本番では、相手が話し始めてから内容が決まります。想定の外から話が来たとき、聞き終える前に返してしまう癖が表に出ます。
練習の道具を比べるとき、話した内容を評価してくれるかどうかは、たいてい確かめます。もう一つ確かめたいのは、聞いていた時間について何が残るかです。この観点は、体験を申し込む前でも確かめられます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
相手の反応を見ながら、聞く練習ができます
表情と身ぶりを返すAIの顧客
UMU AIロープレでは、AIの顧客役が待機、傾聴、思考、発話の状態を切り替え、会話の流れに応じて肯定や否定の身ぶりを返します。相手が話しているあいだ、どこを見ていればよいのかを練習の中で確かめられます。しかめ面や沈黙に慣れておくと、本番で相手の受け止め方を見誤りにくくなります。
本番と同じ持ち時間の中で練習できます
制限時間つきの対話練習
練習には制限時間を設けられ、規定の時間に達するとその場で終わります。相手の話を聞く時間も、この持ち時間の内側にあります。聞き終えるのを待ってから返す進め方でも収まるのかどうかを、時間を計りながら試せます。何を先に伝え、何を削るのかという判断も、同じ練習の中で身につきます。
聞いていた場面についても指摘が残ります
段階ごとに分かれた評価
対話が終わると、導入、ヒアリング、価値提案、反論対応、クロージングという段階ごとに評価が返ります。「ヒアリングで相手の事情を引き出せていない」のように、聞いていた場面についての指摘も残ります。自分の発話だけを思い返す代わりに、通した対話をたどり直せるのです。AIが受け持つのは反復練習と評価の標準化までで、相手との関係づくりは担当者の仕事として残ります。
対話のあとに残るものを変えた例
体外診断分野のグローバル大手
欧州に本社を置き、体外診断の分野でグローバルに事業を展開する大手企業では、能力の認定を人が向かい合う模擬訪問で行っていました。認定の材料になっていたのは通した対話ではなく、評価者がその場で付けた点数でした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、社内で定めた5つの訪問プロセスに沿った模擬対話を、音声とテキストの両方で扱える形に切り替えました。話した言葉が文字としても残るため、対話を通したあとで読み返せます。
その結果、認定を通過した担当者の実訪問における成約率は22.4%向上しました(出典:導入企業へのヒアリング)。点数だけを受け取る形から、通した対話を読み返せる形に変わったことが、実際の商談の結果として表れたと言えます。
医療機器を扱う組織が制度として運用した例なので前提は異なりますが、終わったあとに何を読み返せるかを見る視点は、そのまま持ち込めます。
生命保険・1万名超の営業組織
日本の大手生命保険会社では、1万名を超える営業担当者が練習の相手役を人に頼っていました。相手の予定を押さえる必要があるため、同じやり取りを何度も繰り返す進め方はとりにくい状態でした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、練習の相手役を人からAIへ切り替えました。AIは評価的な態度を取らず、同じ問いを何度繰り返しても不快感を示しません。
その結果、営業担当者と管理職の双方を対象に、20を超えるシナリオを展開できました(出典:導入企業へのヒアリング)。聞いた内容をその場で確かめ直す受け答えも、回数を気にせず試せるようになりました。
生命保険という業種の事例ですが、相手の予定に左右されず同じやり取りを繰り返せるという条件は、業種を問わず当てはまります。