代理店営業の研修で、資料にない質問をどう受け止めるか
代理店営業の研修を終えたあと、取扱商材の資料の説明は上手になります。ところが商談の途中で、資料に載っていない条件を尋ねられた瞬間、「確認してご連絡します」で会話が止まってしまう場面があります。その場で答えを出せないこと自体は、避けようがありません。分かれ目は、持ち帰るまでのやり取りが、相手の関心をつないだ形で終わっているかどうかにあるのです。
取り次ぎで回るうちは、何が見えないのか
取り次ぐもので足りている
代理店の担当者にとって、その商材は取り扱う商材の一つです。資料を渡し、見積を出し、判断に迷えば供給する側に確認する。多くの場面はこの進め方で回りますし、それは合理的な状態であって、能力や熱意の問題ではありません。だから研修も、どこに何が書いてあるかを伝える形に寄りやすくなります。資料の構成、料金の見方、申込書の書き方。ところが商談で結果が分かれるのは、資料に書いていない条件を聞かれた場面です。すでに結んでいる契約と併用できるのか、他社の製品と組み合わせたときにどこまで対応するのか。ここは取り次ぎでは間に合いません。持ち帰り、供給する側に確認し、翌週に回答を持って戻る。そのころには、相手の関心はすでに別の案件へ移っているのです。
時間は取り合いになっている
代理店の担当者は自社の社員ではないため、研修への参加は依頼であって指示ではありません。同じ時間帯には、自社の研修も、他の供給元の研修も並びます。扱う商材が増えるほど、そのすべてを同じ深さで覚えることには、人数と時間の面から無理が出るのです。研修に人が集まりにくいという話も、意欲ではなく、この時間の配分から見たほうが実態に近いと言えます。
答えられないときの進め方を渡す
覚える量を増やす方向には限りがあります。研修の題材を、資料の中身から、資料に書いていない条件を聞かれた場面へ移すほうが現実的です。過去に持ち帰りとなった質問を供給する側で集め、誰が、どの局面で、何を聞いてきたのかまで揃えると、練習できる形になります。なお、代理店との契約条件や手数料の決め方、業種ごとに定められた登録や資格の仕組みについては、このページで解釈を加えることはしていません。扱えるのは、研修の題材の選び方までです。
参加が依頼である以上、まとまった時間を前提にした設計は続きにくくなります。1回10分ほどで終わる単位に切り、担当者が自分の予定の隙間に置ける形にしておく。集合の日程を待たずに始められるかどうかが、実施の回数を左右します。
ここまでを人の手だけで回すと、相手役と振り返り役を誰が務めるのかという問題が残ります。研修を設計する側は、商談の場に立ち会えません。練習の相手と、その場での振り返りを道具の側が担えるかどうかが、分かれ目になるのです。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
持ち帰った質問を練習の場面にできます
対話シナリオの設定
UMU AIロープレを活用し、実際に持ち帰りとなった質問を、AIが演じる顧客の発言として組み込めます。既存の契約との併用、他社製品と組み合わせたときの対応範囲、導入後の問い合わせ先。答えにくい問いが会話の途中で出てくる状態を、そのまま練習の場面として設定できます。代理店の担当者は、供給する側の同席を待たずに、その場面へ一人で入れます。
予定の隙間から、一人で始められます
モバイルからの短時間練習
練習は手元の端末から始められるため、集合の日程や相手役の都合を待つ必要がありません。移動の合間や店頭の待ち時間でも、1回分の会話を終えられます。他の供給元の研修と時間を取り合う担当者ほど、まとまった時間を空けずに済む形が現実的だと言えます。回数を確保しやすくなることで、扱う商材が多くても、優先度の高い場面から練習を重ねられます。
答えを出せない場面での進め方が分かります
局面ごとのフィードバック
一回分の会話を終えた直後に、導入からヒアリング、条件の確認、次に会う約束まで、どの局面で何が起きたかを分けて確認できます。答えを持っていない問いに対して、聞き返したのか、分かる範囲を先に伝えたのか、いつまでに戻るかを決めたのか。曖昧な講評ではなく、局面ごとの記録として残るのです。AIとの練習が扱う範囲は、この受け答えの進め方に限られます。条件の判断や関係づくりは、人の側の仕事です。
本部から現場が見えない組織の例
ワクチン領域の医薬品企業
ワクチンを主力とする医薬品企業では、販売代理店を軸に営業体制が組まれ、地域ごとに担い手が分かれていました。本部の手元にあるのは研修資料までで、そこから先の実行までは見通せない状態でした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、社内の営業担当者と販売代理店のメンバーが、同じ基準で訪問場面を練習できる環境を整えました。
公表されている期間短縮などの数値は本ページでは扱わず、本部の基準が代理店側の練習に届くようになった点だけをお伝えします。
供給する側が立ち会えない場面での実行をどう揃えるかという点で、代理店営業の研修と重なります。
生命保険の大手企業
生命保険の大手企業では、研修の中心が商品知識や資格の取得に置かれていました。独自に体系化した営業プロセスを、顧客との対話の中でそのとおりに進めることには難しさがありました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、そのプロセスの重要な局面を、スマートフォンから繰り返し練習できるシナリオへ置き換えました。
こちらは公表値を引かず、知識として知っている状態から、声に出して進められる状態へ移した取り組みとして紹介しています。
設計した側が同席できない対話の中で何が起きるのかという、同じ問いを扱った例と言えます。