理解から行動へ――UMU「協働型マネジメント」× AI マネジメント Dojo

UMUcolumn (3)

学習と練習を一体化し、学びをマネジメントの実践につなげる新たな育成モデル

米国の管理教育機関CMOEの調査により、現場のマネージャーは勤務時間の最大80%をコミュニケーションに費やしていると判明しました。その主な目的は、目標・進め方・役割分担について、チーム内で共通認識をつくることです。

 

しかし、経営コンサルティング会社West Monroeが企業の管理職を対象に行った調査では、新任マネージャーの4割以上が、就任前後にマネジメント研修を受けた経験がないことが明らかになりました。つまり、多くのマネージャーが、自身の経験やこれまでの習慣を頼りに、マネジメントの方法を模索しているのが実情です。

 

その結果、さまざまなチームで同じような問題が繰り返し起こります。

 

タスクを依頼するとき、マネージャーは「十分に説明した」と考え、部下も「理解できた」と思っています。しかし、成果物が提出された段階で、双方の認識が大きく食い違っていたことに気づきます。

 

部下が難しい問題に直面して相談に来たとき、マネージャーがすぐに答えを教えれば、その場では問題を解決できます。しかし、次に同じような状況に直面しても、部下は自分で判断できないままです。

 

フィードバックも同様です。漠然と「よくできた」と伝えるだけでは、部下は具体的にどの行動を続ければよいのかが分かりません。一方、十分な前置きもなく問題点を指摘すれば、部下が防衛的になることがあります。それが続けば、チームには次第に「良いことは報告するが、問題は言い出しにくい」という空気が生まれます。

 

一つひとつを見れば、単なるコミュニケーション上の小さな問題に思えるかもしれません。しかし、組織の中で同じことが継続的に繰り返されれば、その影響は手戻りや業務効率の低下だけにとどまりません。

 

自分の意見が何度も受け止められなければ、部下は次第に自ら考えようとしなくなります。「何を言っても変わらない」という感覚が続けば、優秀な人材の離職にもつながります。Gallupの調査によると、従業員の50%が、上司に関する問題を理由に自ら退職した経験があるとされています。

 

また、新任マネージャーに明確な行動基準がなければ、自分がこれまで見てきた上司のマネジメント方法をそのまま模倣しがちです。Forbesが紹介した調査結果からも、その割合は42%に上ることが示されました。こうして、コミュニケーション上の課題が、次の世代のマネージャーへ引き継がれていきます。

 

これらの問題に共通するのは、重要なコミュニケーション場面で、マネージャーが参照できる明確な行動基準がないことです。

 

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管理職研修における「学習と練習の分断」

研修を受ける機会があるマネージャーにも、別の課題があります。

 

多くの管理職研修では、戦略的思考、目標管理、業務プロセスの改善などが中心に扱われます。一方、コミュニケーション能力は長く「ソフトスキル」として位置づけられ、実務経験の中で自然に身につくものであると考えられてきました。そのため、具体的な対話行動を体系的に練習する機会は十分とはいえません。

 

さらに、コミュニケーションを扱う研修でも、各施策にはそれぞれ価値がある一方で、全体として期待した成果につながらないケースがあります。

 

集合研修では、理論やフレームワークを効率よく学べます。しかし、研修を終えて職場に戻ると、学んだ内容を実際の場面で適切な行動として実践することは簡単ではありません。

 

1対1のコーチングでは、個人に合わせた詳細なフィードバックを受けられます。一方、コーチの力量に左右されやすく、コスト面からも多くのマネージャーへ継続的に展開することには限界があります。

 

その背景には、多くの企業において、知識や考え方を学ぶ研修と、実際の行動を練習するプログラムが、別々のベンダーや部門によって設計されているという構造があります。

 

研修で学ぶ概念と、練習で評価される能力項目が一致していなければ、マネージャーはその二つを自分自身で結びつけなければなりません。その解釈の精度は人によって異なるため、研修効果にもばらつきが生まれます。

 

 

では、学習と練習を、共通の行動基準でつなぐことができたらどうでしょうか。

 

マネージャーは明確なマネジメントの判断軸を身につけたうえで練習に臨み、練習で得たフィードバックを通じて、理解をさらに深めることができます。この循環が生まれれば、行動変化のスピードと質の両方を高められます。

 

この考え方に基づき、UMUは学習と練習を一体化した育成プログラムを設計しました。

 

一つは、マネジメントの判断軸を身につける「協働型マネジメント」コース。もう一つは、実際の対話行動を練習する管理職向けAI対話トレーニングパートナー「AI マネジメント Dojo」です。両者は、同じ行動基準を共有しています。

 

AI マネジメント Dojoでは、マネージャーが日常業務で頻繁に直面する対話場面をシミュレーション環境に再現します。マネージャーはAI部下と1対1で対話し、リスクのない環境でさまざまなコミュニケーション方法を繰り返し試すことができます。

 

練習後には、構造化されたAI評価レポートが自動生成されます。コースで学ぶ一つひとつのマネジメント行動に対応して、AI マネジメント Dojoにも評価項目と評価基準が設定されています。

 

そのため、研修で学んだ後、まずAIとの対話シミュレーションで練習し、自分が各行動をどの程度実践できているのかを定量的に確認します。これにより、実際の職場で試行錯誤する前に、自分の課題を把握できます。

 

マネジメント力の評価も、「何となくできている」「経験上こうだと思う」といった感覚的な評価から、行動ごとに確認できる診断へと変わります。

 

この仕組みを可能にしているのが、具体的に定義された行動基準です。

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マネージャーに求められる20の重要な行動

多くの企業では、現場のマネージャーの能力を評価する際、まだ具体的な行動レベルまで捉えられていません。

 

「人を育てるのが上手」「部下をうまくマネジメントできる」といった表現はよく使われますが、非常に曖昧です。

 

マネジメント能力を一つの総合的な特性として捉えてしまうと、「高い・低い」という評価はできても、何を改善すべきなのかを具体的に特定できません。

 

チームの連携に問題が起きたときも、組織は「このマネージャーは人のマネジメントが苦手だ」と大きく括ってしまいがちです。その結果、本人が経験を積んで成長するのを待つか、人を入れ替えるといった対応に偏り、体系的な診断や育成につなげにくくなります。

 

行動科学では、リーダーシップは具体的で観察可能な複数の行動へ分解できると考えられています。共通認識をつくる力も同様です。

 

UMUの学習・練習一体型プログラムでは、マネジメントに必要な能力を、伝達・傾聴・質問・共感・行動促進という5つの主要能力に整理しています。

 

さらに、それぞれを4つの具体的な行動に分解し、合計20のサブコンピテンシーとして定義しています。各項目には、明確な行動定義と段階別の評価基準があります。

 

このフレームワークは、DDIの能力体系、Korn Ferryの38コンピテンシーモデル、Leadership Circle Profile、ATDの人材開発能力モデルなどを参照しながら設計されています。

 

 

ここまで細かく分解することで、「人のマネジメントが得意かどうか」といった曖昧な評価は、一つひとつ確認できる指標へ変わります。

 

たとえば、

 

「論理的構成」がどの程度できているか。
思考を促す問いかけをどの程度活用しているか。
プレッシャーのかかる場面でも、共感的に傾聴できているか。

 

といった形で、具体的な基準と改善の方向性を確認できます。

 

「実行の確約」を例にすると、評価基準には段階があります。

 

まず、部下から実行する意思を言葉で確認できているか。次に、その確認内容に具体的な期限や成果基準が含まれているか。さらに、部下自身が、そのタスクに取り組む意味を理解したうえで確約しているか。

 

評価段階が上がるほど、マネージャーと部下の間で形成された共通認識が、実際の行動につながる状態へと近づいていきます。

 

この粒度で評価することで、一回一回の対話練習に、定量的な改善目標を設定できます。

 

これまで経験や個人の勘に頼る部分が大きかったマネジメント能力を、測定し、診断し、必要な行動を重点的に練習できるようになるのです

 

そして、この20のサブコンピテンシーは、「協働型マネジメント」コースの学習フレームワークであると同時に、AI マネジメント Dojoの評価基準でもあります。学ぶ内容と練習で評価される内容が、同じ基準に沿って設計されています。

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「協働型マネジメント」コース:因果関係から理解し、マネジメントの判断軸をつくる

行動を細かく分解するだけでは十分ではありません。

 

20のマネジメント行動を実際の場面で組み合わせ、長期的な行動習慣へ変えていくためには、「何を学ぶか」だけでなく、「どのように理解するか」が重要です。

 

従来の管理職研修では、「効果的なフィードバックの5ステップ」「コーチング対話の3要素」のように、有用な原則や方法論が数多く整理されてきました。

 

こうしたルールや手順は、基本的な知識を身につけるうえで有効です。一方、実際の職場では、感情が高ぶっている部下への対応が必要になったり、曖昧な業務目標に直面したりしたとき、覚えた手順をそのまま当てはめることは簡単ではありません。マネージャーに必要なのは、さらに一段深い判断軸です。

 

なぜその行動が有効なのか。行わなかった場合、どのような結果につながるのか。

 

「協働型マネジメント」では、こうした因果関係からマネジメント行動を理解する学習設計を採用しています。

 

各章では、典型的なマネジメント行動が欠けた場面を起点に学びます。

 

その行動がないことで、部下にどのような心理的反応が生まれるのか。その心理的反応が、どのような行動変化につながるのか。そして、その行動変化が最終的に業務へどのような影響を与えるのか。

 

この一連の因果関係を理解することで、マネージャーは「この行動をすべきだ」というルールだけを覚えるのではなく、その行動がなぜ必要なのかまで理解できます。そのため、初めて直面する状況でも、自ら考え、判断しやすくなります。

 

たとえば、部下にタスクを依頼する場面を考えてみます。

 

マネージャーが、依頼内容を部下自身の言葉で復唱(パラフレーズ)してもらわないまま進めると、部下は自分なりの理解で業務を進めます。方向性にずれがあっても途中でそのずれに気づかないまま、最終的に成果物が期待と異なり、プロジェクトの遅延や相互の信頼低下につながる可能性があります。

 

この因果関係を一通り理解すれば、「依頼内容を復唱してもらう」という行動は、単に覚えるべき手順ではなく、明確な理由を持つマネジメント行動になります。状況が変わっても、その本質を踏まえて応用できます。

 

 

「協働型マネジメント」コースは、全5章・23セッションで構成されています。コースには、19の動画セッションと4つのディスカッションが含まれます。

 

学習内容は、次の3段階で構成されています。

 

L1:マネジメントの基礎

 

日常のマネジメントに必要な基本行動を扱います。

 

タスクを正確に依頼すること、効果的に承認・動機づけを行うこと、形式的ではなく実質的な実行の確約を得ることなどを学びます。

 

L2:マネジメントの応用

 

ここでは、部下ごとの違いを踏まえた対応を扱います。

 

意欲や能力の状態が異なる部下に対して、同じ対応を一律に行うのではなく、思考を促す問いかけ、まだ言語化されていないニーズを捉えること、行動の意義を伝えることなど、状況に応じて複数の行動を使い分けます。

 

L3:困難な対話

 

プレッシャーのかかる場面でも、自分自身の感情を整えながら対話する力を扱います。

 

部下の抵抗の背景にある不安を捉えること、「実行の確約」と「その場しのぎの確約」を見分けること、不確実な状況でも変化へ向けた行動を促すことなどを学びます。

 

 

また、このコースはマネージャーだけでなく、部下側の視点からも学べるよう設計されています。

 

部下は、上司に進捗を主体的に共有する方法や、自分の業務状況を分かりやすく伝える方法を学べます。マネージャーと部下の双方が同じ考え方を学ぶことで、コミュニケーションの質をより高めることができます。

 

4つのディスカッションでは、参加者自身の実際のマネジメント経験を、学んだフレームワークに照らして振り返ります。自身の経験と結びつけることで、動画を視聴するだけの場合よりも、学びの定着を効果的に促します。コース全体の所要時間は、約2時間です。

 

マネジメントの判断軸を身につけた後は、実際の職場に近い対話場面で繰り返し練習し、理解した内容を、安定して実践できる行動として定着させていきます。

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AI マネジメント Dojo:実際の職場に近い場面でマネジメント行動を練習

AI マネジメント Dojoは、UMUが提供する管理職向けAI対話トレーニングパートナーです。

 

実際の職場で行われる対話に近い場面を再現し、マネージャーが自身のマネジメント行動を継続的に振り返り、改善できるよう支援します。

 

マネージャーは、異なるタイプのAI部下と1対1の対話演習を行います。

 

練習中には、一つひとつの発言に対するリアルタイムの個別フィードバックを受け、終了後には構造化されたAI評価レポートを確認できます。

 

AI マネジメント Dojoには、さまざまなマネジメント場面を想定した30の実戦シナリオと、5つのAI部下タイプが用意されています。

 

高い実行力がある一方で主体性に課題のある新人から、豊富な経験を持ちながら変化に抵抗を示すベテランまで、異なる特性を持つAI部下との対話を通じて、相手に応じた対応を練習できます。

 

対話が終わると、20のサブコンピテンシーに基づいて、構造化されたAI評価レポートと5軸レーダーチャートが生成されます。

 

マネージャーは、それぞれの行動について自分がどの程度実践できていたのか、どこに改善の余地があるのかを具体的に確認できます。

 

この練習方法の大きな価値は、リスクの低い環境で繰り返し練習できることです。

 

従来のロールプレイングでは、研修担当者の時間や力量に左右され、実施できる回数にも限りがあります。AI マネジメント Dojoでは、必要なときにいつでも練習し、異なるコミュニケーション方法を何度でも試すことができます。そして毎回、同じ行動基準に基づくフィードバックを受けられます。

 

AI マネジメント Dojoの製品詳細については、こちらの記事もご覧ください。

 

 

AI マネジメント Dojoが重視するのは、単なるAIとの会話ではなく、対話シミュレーション、フィードバック、評価、改善を一つの学習サイクルとしてつなぐことです。

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理解から行動へ――学習と練習をつなぐ成長サイクル

「協働型マネジメント」のコース内容と、AI マネジメント Dojoの3段階のシナリオは連動しています。そのため、コースで「マネジメントの基礎」「マネジメントの応用」「困難な対話」の各段階を学んだ後、AI マネジメント Dojoでそれぞれに対応するシナリオを練習できます。

 

練習の結果、あるサブコンピテンシーの評価が低かった場合は、対応するコース内容へ戻り、理解を深めたうえで、再び練習できます。

 

学習とシミュレーション練習が緊密につながることで、診断と改善のサイクルが生まれます。

 

各回の評価結果が、次に何を改善すべきかを具体的に示すため、研修の成果を可視化・定量化し、投資の成果として報告しやすくなります。

 

チームの一人ひとりが、「なぜ行うのか」「誰が行うのか」「どのように行うのか」について共通認識を持てるようになれば、行動の主体性と正確性も高まります。

 

マネージャーが何度も認識を合わせ直したり、問題が起きた後に修正したりする時間を減らすことができれば、チーム全体の業務効率向上にもつながります。

 

 

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UMUの学習・練習一体型プログラムを無料で体験

「協働型マネジメント」コースと、管理職向けAI対話トレーニングパートナー「AI マネジメント Dojo」は、マネージャーの理解から行動までを一貫して支援する、学習と練習を一体化した育成プログラムです。

 

「タスクに対する認識の違いによる手戻りが繰り返されている」「フィードバックを行っても行動改善につながらない」「マネージャーがそれぞれの経験や感覚でマネジメントしている――」

 

こうしたコミュニケーションやチーム運営の課題を抱えている場合は、ぜひUMUへお問い合わせください。詳しいプログラムのご紹介と、無料体験についてご案内します。

 

 

 


私達UMUは、企業様向けに研修のオンライン化やリモート学習の無料相談会を毎日実施しております。
また、常に最先端のテクノロジーと学習情報をアップデートしておりますので、お困りごとや、追加で必要な情報のご要望などございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

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