新人の営業研修は、配属前にどこまで教えられますか
入社直後の新人の営業研修では、名刺の交換や電話の受け方まで、配属先が決まらなくても同じ内容で教えられます。ところが商談の中身に入った途端、扱う商材も、会う相手も、よく出る質問も配属先で変わります。共通で教えられる範囲には、はっきりした限りがあるのです。
教えた内容は、配属後どこまで使えるのか
共通で教えられるのは手前まで
新人の営業研修は、入社直後に全員をそろえて実施することが多いものです。名刺の交換、電話の受け方、日報の書き方、自社の事業の説明。ここまでは配属先が決まっていなくても教えられますし、そろえて教える利点もあります。難しくなるのは、商談の中身に入ってからです。ある新人は法人の情報システム部門を担当し、別の新人は地域の小売店を回ります。扱う商材が違えば、価格の説明も、比較される相手も変わります。よく出る質問も、決裁までの流れも同じではありません。それでも全員に共通する形で教えようとすると、内容は一般的な進め方の説明にとどまります。配属後の現場で、そのまま口に出せる言葉にはなりにくくなります。かといって配属先ごとに分けて用意しようとすると、人数と時期の制約にぶつかります。研修担当者が向き合うのは、内容の充実度ではなく、この配分なのです。
教えてから使うまでの間隔
配属前にまとめて教えるほど、学んだ日と実際に商談で使う日の間隔は長くなります。学んだ内容の70%は1週間で思い出せなくなるという調査もあります(出典:Gartner)。配属前に詰め込む量を増やしても、現場に立つころには手元に残りにくいと言えます。
配属前と配属後、どこで線を引くか
配属先が決まっていなくても教えられることはあります。社会人としての基本動作と、自社の事業の説明。ここをそろえて教えておくと、配属後に配属先ごとの中身へ進みやすくなります。まとめて実施する形の利点です。
商談の中身に入ると、共通で扱える部分は急に狭くなります。会う相手の役職も、比較される選択肢も配属先で違うためです。全員向けの内容を厚くしても、この差は埋まりにくいままです。
そこで設計の順序が変わります。新人の営業研修では、内容を足す前に、どこまでを配属前に教え、どこからを配属後に回すかを決めます。配属後の練習を何で支えるのかも、あわせて考えたいところです。
配属先ごとの商材で、練習を続けられます
配属先別のシナリオ設定
配属が決まったあとに、その配属先で扱う商材や顧客像に合わせた練習シナリオを設定できます。専門知識がなくても、研修担当者が管理画面から自分で作れます。配属前の共通研修で扱いきれなかった部分を、現場に出てからの練習として続けられるのです。
配属先で会う相手を、練習で再現できます
顧客像の作り分け
役職も、こだわる論点も、AI顧客の設定として作り分けられます。情報システム部門の担当者と地域の小売店の店主では、同じ商材でも返ってくる言葉が変わります。配属先で実際に会う相手に近い状態で、切り返しを繰り返し試せます。
練習の評価基準を、全員でそろえられます
共通の評価基準とデータ
練習ごとのスコアと改善点は同じ基準で記録され、配属先が分かれても比較して確認できます。ただし、AIが担うのは反復練習と評価基準の統一までです。どこまでを配属前に教えるかの線引きは、引き続き研修担当者が決める領域です。
配属後の練習まで設計した企業の例
バイオ医薬品/営業800名超
店舗運営/従業員6,000名
従業員6,000名規模で店舗を全国展開する企業では、新人スタッフを早く現場に立てる状態にすることが急務でした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこで接客とコンプライアンスを一つにまとめたAI対話練習を導入し、配属後の短い期間で練習を終えられる流れを整えました。
その結果、新入社員が独り立ちするまでの期間は1カ月未満に短縮されました(出典:導入企業へのヒアリング)。配属後に練習を続けられる形にしたことで、現場に出る時期を早められました。