営業マンへのコーチングが空回りする、本当の理由
1on1で「あのとき何を聞きましたか」と尋ねても、営業マンから具体的な言葉が返ってこないことがあります。コーチングを学んだマネージャーほど、戸惑いやすい場面。ただ、問いの立て方に問題があるわけではありません。数日前の商談を振り返る材料が、手元に残っていないのです。
問いを重ねても、対話が続かないのはなぜか
思い出せるのは、手応えだけ
コーチングは、答えを渡す手法ではありません。問いによって、本人に気づいてもらう進め方です。前提になるのは、問われた側が自分の商談を具体的に思い出せること。ところが営業の現場では、この前提が崩れがちです。数日前の面談について尋ねると、多くのメンバーが「手応えは悪くなかったと思います」「先方の反応は良かったです」と答えます。残っているのは、商談全体のぼんやりとした手応えだけ。どの質問に顧客がどう答え、どこで話題が切り替わったのかは、同席していないマネージャーにも確かめようがありません。そのまま問いを重ねれば、思い出せない本人は責められているように受け取ります。対話は一般的な確認で終わり、翌週の1on1でも同じやり取りが繰り返されるのです。
思い出せないのは自然なことです
学んだ内容は1週間で約70%、1カ月で約87%が忘れられるという調査結果があります(出典:Gartner)。意識して覚えようとした学習内容でさえこの速さで薄れる以上、記録の残らない商談の会話であれば、なおさらです。思い出せないことを本人の姿勢の問題として扱う限り、コーチングの対話は前に進まないと言えます。
コーチングの前提をどう用意するか
気づきは、あいまいな記憶をたどる作業からは生まれにくいものです。自分が実際に何を聞き、相手がどう答えたかを目の前に置けたとき、初めて「ここで聞き方を変えられた」という発見が起きます。コーチングの問いは、その材料があって初めて働くと言えます。材料のないまま問いを重ねても、本人は記憶を探すだけです。
材料があっても、良し悪しを測る観点がマネージャーごとに違えば、対話は感想の交換で終わります。ヒアリングの深さをどこで見るのか、チームで共通の観点を持てているかどうかが、次の分かれ目になります。
商談そのものを毎回記録するのは、現実的ではありません。一方、練習の場であれば、やり取りも評価もそのまま記録に残せます。振り返る材料を本番ではなく練習側で用意するという考え方が、ここで選択肢に入ってくるのです。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
実際のやり取りを、そのまま振り返れます
練習ログと即時フィードバック
UMU AIロープレを活用することで、AIが顧客役を担う練習の内容が、発言単位で残ります。練習が終わった直後に、どのプロセスに改善の余地があったかを本人がその場で確認できます。1on1は、記憶をたどるところからではなく、残った記録を一緒に見るところから始められるのです。
同じ観点で、チーム全員を見られます
自社基準に沿った評価の設定
自社の商談プロセスや、成果を出しているメンバーのトークを、そのまま評価の基準として設定できます。誰が振り返っても、ヒアリングの深さや異議への切り返しを同じ観点で確認できるのです。マネージャーの経験差で指摘の中身が変わることが減り、1on1の話題を「どこをどう直すか」に絞れるようになります。
練習の記録が、1on1の材料になります
メンバー別の進捗ダッシュボード
練習のたびに、スコアと改善の推移がメンバーごとに蓄積されます。マネージャーは、誰がどの段階でつまずいているかをダッシュボードで確認し、そのまま1on1に持ち込めるのです。AIが担うのは、反復練習の場と評価基準の統一までです。目標の設定や動機づけは、引き続きマネージャーの役割になります。
1on1の材料づくりに使われています
大手製薬企業・100名規模
日本国内の大手製薬企業では、新任チームリーダー約100名が、学んだコーチングを実際の1on1で使いこなせるようになるまでに時間がかかっていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、「行動コーチング」「スキルコーチング」「動機づけコーチング」の対話シナリオを用意し、全3セッションで型を繰り返し練習しました(出典:導入企業へのヒアリング)。
その結果、第3セッションの時点で98.1%がコーチングを実践し、うち93.1%がメンバーの変化を実感しました(出典:導入企業へのヒアリング)。型を声に出して練習したことが、実際の1on1での実践につながったのです。
眼鏡小売チェーン・全国展開
全国に眼鏡店を展開する小売企業では、エリアマネージャー候補の育成を実績による抜擢型から立候補型へ切り替えたため、傾聴力と伝達力を鍛える場が不足していました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、次世代リーダー候補が時間や場所を問わず、コーチングの対話とプレゼンテーションを繰り返し練習できる環境を整えました(出典:導入企業へのヒアリング)。
5カ月の運用を経て、「感覚的な指導から、言葉と図解で論理的に伝えられるようになりました」という声をいただいています(出典:導入企業へのヒアリング)。指導の根拠を言葉にできたことが、対話の質を変えたと言えます。