企業のロールプレイングが続かない原因は、主催の手間です
企業でロールプレイングを始めると、最初の数回はきちんと人が集まります。ところが期末や繁忙期をまたいだあたりから、次の日程が入らないまま自然に止まってしまう組織があります。担当者が異動して、そのまま立ち消えになることもあります。止まった原因を参加者の意欲や題材の出来に求める前に、毎回誰かが主催者にならなければ始まらない、その段取りのほうを見ておきたいのです。
最初の数回は回るのに、なぜ次の日程が入らないのでしょうか
主催は誰の担当でもありません
企業の中でロールプレイングを一度回すには、誰かが主催者の位置に立つ必要があります。会議室と時間を押さえ、相手役を引き受けてくれる人を探し、当日の題材を用意し、進行も引き受けます。研修部門の担当者であれば、この一連は担当業務のうちに入ります。ところが、現場のリーダーが善意で引き受けている場合、その時間はどの業務にも紐づいていません。四半期の締めや大型案件が重なれば、担当業務ではないところから順に外れていきます。続かなくなる企業で先に消えるのは、参加者の熱意ではなく主催の役目のほうなのです。なお、このページでは、ロールプレイングを提供する企業の比較や順位づけは行いません。取り上げるのは、企業の中でこれを回す側の段取りです。
意欲の問題に見えてしまう
実施の記録に書き残されるのは、開催した回数と参加した人数です。この二つだけを見ると、止まった原因は参加者の関心が薄れたからだと読めます。ところが、主催した人が日程の調整と相手役の依頼にどれだけの時間を使ったかを書き込む欄は、どの様式にも用意されていません。工数として申告する先もないため、負担は引き受けた本人の中だけにとどまります。例えば、火曜の夕方に会議室を押さえ、相手役を頼んだ相手から前日に断られ、別の担当者に頼み直し、当日の題材を帰宅後に作ります。この半日ぶんの動きは、実施報告のどこにも出てきません。
主催の手間を順にたどる
半年、一年と続いている企業を見ると、主催が誰かの担当業務として置かれています。研修を運営する側の業務として明記されているか、現場のリーダーの役割に書き込まれているか、どちらかです。気づいた人が引き受ける形で始まった取り組みは、繁忙期を一度またぐと止まります。差が出ているのは、参加者の姿勢ではなく、主催という役目に置き場所があるかどうかだと言えます。
主催の負担は、一つの塊ではありません。日程の調整、相手役の手配、題材の用意、当日の進行、終わったあとの記録の整理と、性質の違う作業が並んでいます。どれが重いかは組織によって違い、拠点が離れていれば日程が、扱う商材が多ければ題材が重くなります。まずは直近の三回で、何にどれだけ時間を使ったかを書き出してみてください。
書き出すと、人の判断が要る作業と、そうでない作業が混ざっています。題材の中身を決めるのは人の仕事ですが、相手役を務めることや、実施の状況を集める作業は、必ずしも人でなくてかまいません。ここから、道具の側で肩代わりできるのはどの作業か、という問いになります。なお、公的な制度や資格の位置づけをどう読むかは、それぞれの定めと所管の説明に沿います。是非をここで論じることはしません。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
相手役を頼まなくても、練習は始まります
順番待ちが起きない同時練習
UMU AIロープレを活用し、AIが顧客役に入るため、相手役を頼む連絡が不要になります。同じ時間に何人が始めても順番待ちは起きないため、主催が用意するのは案内と締め切りだけになります。開催のたびに人を押さえていた作業は、ここで手元から離れます。AIに任せられるのは、相手役と反復の部分までです。何をどこまで練習させるかを決める判断は、研修を運営する側に残ると言えます。
練習の状況は、集計しなくても分かります
実施状況を映す管理画面
練習の実施と評価はその都度記録に残るため、担当者が出欠の名簿を集めて回る必要がありません。誰がどこまで取り組んだか、どのプロセスで点数が伸び悩んでいるかを、管理画面で確認できます。報告のたびに表を作り直していた時間も、主催の手元から減っていきます。
題材の用意に、毎回の時間はかかりません
業種別のひな形の取り込み
練習のシーンは、業種ごとに用意されたひな形を取り込むところから組み立てられます。一度作ったシナリオは自社のひな形として保存でき、次からは選んで直すだけで済みます。題材を書き起こしていた前夜の作業が、内容を確かめる作業に変わり、主催の負担のうち見えにくかった部分が短くなります。
主催の手間を置き換えた企業の例
体外診断領域の大手企業
体外診断の分野で事業を展開する企業では、営業の能力認定を対面の模擬訪問で実施しており、研修を担当する数名が相手役と採点を交代で引き受けていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、企業が定めた訪問プロセスに沿った模擬対話と、その場での評価をAIが担う形に切り替えました。
その結果、研修の担当者は反復的な認定対応から離れ、判断の難しいケースへの指導やシナリオ設計に時間を向けられるようになりました。数値はここでは扱わず、時間の使い道が動いた点だけを記します。運営に人手がかかっていた相手役と採点を、道具の側に移した例です。
生命保険分野の大手企業
生命保険の分野で全国に営業拠点を持つ企業では、紙の資料と集合研修が学習の中心で、担当者の人数と拠点の広がりに対して開催が追いつきませんでした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、知識を受け取る形の研修から、担当者が実際に声に出す練習へと切り替え、学習内容の配信も同じ仕組みで行いました。
その結果、学習の機会を広げながら、運営側の事務作業の負担が軽くなりました。成果の数値には触れないまま、運営の作業量が変わった点だけを取り上げます。主催が抱えていた配信と集約の作業を、仕組みの側へ渡した形です。