メーカーのルート営業、価格と納期以外の話ができていますか
メーカーのルート営業では、担当する取引先を定期的に回り、価格と納期の確認だけで商談が終わってしまう日があります。新しい用途や設備の更新に話を広げようとすると、購買の担当者から「今のところ間に合っています」と返されて、言葉が続かないことがあります。その差を生んでいるのは訪問の回数ではなく、提案の会話を事前に試せる場があるかどうかなのです。
差がつくのは訪問の中身です
ルート営業の訪問1回の流れ
メーカーのルート営業の1回は、たいてい同じ順序で進みます。まず担当窓口に顔を出し、前回納めた製品の使い勝手と在庫の残りを確認します。次に見積の依頼や納期の相談を受け、その場で答えられないものを持ち帰ります。ここまでで持ち時間の大半が過ぎ、最後に「何かお困りごとはありませんか」と一言添えて席を立ちます。この流れは取引先との関係を保つうえで欠かせないものですが、設備の更新計画や生産技術部門が抱える現場課題まで話が届くことは多くありません。ただ、3つの場面のうちどこで差がつくのかは、訪問を重ねている本人ほど意識しにくいものです。
差は中盤のヒアリングで生まれます
訪問がうまくいかない原因を、話し方や関係づくりに求める方は少なくありません。ところが差が生まれているのは、在庫確認と見積対応にはさまれた中盤、相手の現場に踏み込んで質問を重ねる場面です。ここで購買以外の関係者、たとえば設計や保全が抱える困りごとまで引き出せた担当者は、次の商談を自分から作れます。引き出せなければ、次回もまた在庫の確認から始まるのです。そして、この中盤こそ従来のトレーニングがいちばん扱ってこなかった場面と言えます。
中盤の質問を練習しにくい事情
同僚に顧客役を頼んでも、担当先の設備構成も、保全担当が抱える不具合の履歴も分かりません。そのため会話はカタログの説明に寄り、訪問先で実際に返ってくる「うちの生産ラインには合いません」という反応までは再現できないのが現実です。
練習の場が実際の訪問しかないため、上司の同行が事実上の唯一のトレーニングになります。ところが担当地域が広く、同行できるのは月に数回です。その結果、中盤の質問を試せる回数は、一年を通しても限られてしまいます。
同行のあとの助言は「もう少し踏み込んで聞いてみよう」で終わりがちです。どの質問を飛ばしたのか、どの言葉で相手が口を閉じたのかまでは残りません。そのため次の訪問でも同じ順序で話し、同じところで会話が止まってしまいます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
立場の違う相手と、一人で練習できます
立場ごとに設定できるAI顧客
担当する取引先に合わせて、購買、設計、生産技術といった立場の異なるAI顧客を設定できます。役職や性格、気にしている条件まで細かく決められるため、同じ製品でも相手によって話す順番が変わることを、一人で確かめられます。カタログの説明で止まらない会話を、訪問の前に試せるのが特徴です。
同行を待たずに、回数を重ねられます
移動時間に挟み込む練習の回数
訪問の合間や移動中に、スマートフォンから何度でも練習を始められます。相手の予定を押さえる必要がないため、上司の同行を待つあいだも回数を重ねられます。四半期に一度の集合研修を待つのではなく、10分の練習を日々の訪問の前後に置けるようになります。
どの質問が抜けたか、その場で分かります
対話直後に出る段階別の評価
練習が終わると、導入、ヒアリング、価値提案、反論対応、クロージングという段階ごとに採点された結果が出ます。感覚的な助言で終わらず、どの段階で質問が足りなかったのか、次に何を変えればよいのかを、その場で確認できます。AIが担うのは反復練習と評価基準の統一までで、目標の置き方や動機づけはマネージャーの役割です。
指導者を増やせない組織の実践例
バイオ医薬品/800名規模
代理店を経由して顧客に届く商流という点で、メーカーのルート営業と構造が重なる事例です。ワクチンを主力とするバイオ医薬品企業では、営業体制が販売代理店を中心に地域へ分散し、本部が用意できるのは研修資料までにとどまっていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、社内営業と販売代理店の800名が、同じ訪問シナリオライブラリで同じ基準の練習に取り組む体制を構築しました。
その結果、一人ひとりに専任の指導者を付けないまま、新任営業が独り立ちするまでの期間は60日から30日に短縮され、新任営業への顧客満足度も23.5%向上しました(出典:導入企業へのヒアリング)。
体外診断/1,500名規模
技術的な説明を顧客との会話に変える必要があるという点で、メーカーの技術営業と課題が重なります。体外診断分野のグローバル大手企業では、5名の研修担当者が1,500名の営業担当者を受け持ち、能力認定は四半期に1回の模擬訪問でしか実施できませんでした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、企業が定めた5つの訪問プロセスに沿って、準備ができた人からいつでも認定を受けられる仕組みを構築しました。
その結果、評価者の主観に左右されていた採点が段階ごとの基準にそろい、認定を通過した担当者の実訪問における成約率は22.4%向上しました(出典:導入企業へのヒアリング)。