生命保険の営業トークで、前回の希望が次には変わっている理由
生命保険の営業トークで一度うかがった希望が、次にお会いしたときには別のものになっている。そうした経験は珍しくありません。相手は、普段は言葉にしていない事柄を、質問されてから考え始めます。目の前で組み立てられた答えを、こちらは決まった希望として持ち帰ってしまうのです。
前回の答えは、なぜ次に変わるのか
その場で作られる答え
生命保険の営業で尋ねる事柄の多くは、相手が普段から言葉にしているものではありません。暮らしの見通しや数年先の予定について、日ごろから順位をつけて整理している方は多くありません。そのため相手は、質問を受けてから考え始めます。目の前で組み立てられた答えは、そのときの気分や、直前に話していた内容に引っ張られやすくなります。ところが、答えが仮のものかどうかは、その場では見分けがつきません。相手自身も、話しているあいだは本当にそう思っています。たとえば、初回の面談で数年先の予定をうかがい、それに沿って次回の資料を用意したとしましょう。ところが二度目の席では、相手が前とは別の順位を口にします。担当者の手元にあるのは、一度目の席で作られた答えなのです。聞き取った内容を確かな希望として記録するほど、次にお会いしたときに前回の話が土台にならず、また同じところから聞き直すことになります。
確かめにくさの正体
やっかいなのは、確かめる行為そのものが疑いに見えることです。面談の終わりに念を押して聞き返すと、相手は自分の返事を疑われたと受け取りかねません。信頼を保とうとするほど、その場の答えをそのまま受け取るしかなくなるのです。なお、ここで扱うのは面談の進め方だけです。募集にかかわる法令や社内規程、税に関する取り扱いの読み方は、所属先の定めと担当部署の確認に委ねます。
生命保険の営業トークの終わり方
答えが仮のものかどうかは、内容よりも、答えが出てくるまでの間合いに表れます。すぐに返ってきた事柄と、しばらく考えてから出てきた事柄では、次に会うときの残り方が違うものです。後者は、面談が終わった時点ではまだ決まっていません。ですから、その場で出た答えを結論として持ち帰らない終わり方が要ります。
終わり方を変えるには、次の面談で同じことをあらためてうかがえる間柄が要ります。前回の内容を持ち出しても、蒸し返しに聞こえない関係です。聞き出す技術より先に、この関係の作り方が問われると言えます。
練習の単位は、面談まるごとではありません。相手が考えながら答えた、その直後の受け止め方です。この短いやり取りだけを、条件を変えて何度も繰り返せるかどうかに、差が出るのです。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
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前回の話を、次の面談で持ち出せます
受け答えで変わるAIの反応
AI顧客は、担当者の受け答えに応じて出方を変えます。念を押すように問い直せば身構え、迷いをそのまま受け止めれば話が続きます。同じ事柄を二度目にうかがう場面も、練習の中であらかじめ試せるようになります。二度目の切り出しが、どの運びなら蒸し返しに聞こえないのかも、ここで見ておけます。次につながる終わり方を、本番の面談を待たずに組み立てられるのです。
短いやり取りだけを、何度でも通せます
短時間で繰り返せる練習環境
練習は、面談を丸ごと再現しなくても成り立ちます。相手が考えながら答えた直後の一往復だけを取り出し、移動中や面談の合間に通せます。受け止め方を変えるとやり取りがどう動くかを、その日のうちに何度も試せるのです。一往復ごとに区切っておけば、どの受け止め方のときに話が続いたのかを後から見返せます。AIとの練習で扱えるのは、受け答えの組み立て方までです。相手との間柄をどう作るかは、面談を重ねる担当者の仕事になります。
同じ課題に取り組む他業種の現場から
ワクチンを主力とする製薬企業
販路の中心が代理店にあり、担当者は地域ごとに散らばっていました。本部の手で用意できるのは研修の資料までにとどまり、それが各地で同じように使われているかまでは見届けられませんでした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、直接雇用の担当者と代理店の担当者が、同一の訪問シナリオで練習に入れるようにしました。返ってくる講評は受講者ごとの受け答えに沿って変わるため、誰にも同じ文面が出るわけではありません。
到達した数字は、この記事では扱いません。業種は生命保険と重なりませんが、同じ場面を重ねても返ってくる反応がその都度違う点に、一度の手応えを結論にしない練習の形が表れています。
通信サービスの店舗チェーン
全国に売り場を広げる通信サービスの店舗チェーンでは、接客の力をつけることと並んで、守るべき決まりの教育をどう厚くするかが課題に挙がっていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこで、接客の手順と決まりの確認を一つの対話シナリオにまとめ、入ったばかりのスタッフがAIを相手に何度でも練習できるようにしました。
こちらも成果の数値には触れずに紹介します。扱う商材は生命保険とは別ですが、一度うまくいったことをもって独り立ちと見なさず、条件を入れ替えて同じ場面をたどり直した点に手がかりがあります。