IT営業のスキルアップ、後で自分に返る約束はどれですか
IT営業のスキルアップというと、製品や技術の知識を増やすことが先に浮かびます。ただ、この仕事は売ったあとも関係が続きます。導入の支援、運用の相談、更新の話。商談の場で交わした約束は、そのまま自分の仕事になって返ってくるのです。
IT営業のスキルアップで、後から効いてくるもの
約束のつもりがない一言が残ります
商談の場では、相手から細かい確認が入ります。今の仕組みとつながりますか、この項目も出せますか、この時期に間に合いますか。答えは技術の担当に聞けば分かることが多く、その場で持ち帰るのも普通の進め方です。困るのは、持ち帰らずに答えてしまったときです。例えば「それもできますよね」と言われて「たぶん大丈夫です」と応じ、導入の段になって条件が付くと分かり、自分が説明に回ることになる。こうした場面がこれにあたります。商談のときには約束のつもりがなかった一言が、あとで自分の仕事として戻ってきたわけです。
相づちは、議事録に残りません
議事録に書かれるのは決まった条件で、会話の途中の相づちは残りません。そのため後になって、どこで相手の期待が生まれたのかを追えなくなります。追えないので、同じことが次の商談でも起きます。約束のつもりがない一言を止められるのは、その場にいる自分だけなのです。この判断は毎回その場で下すことになります。技術の担当に確認する手順は整っていても、確認するかどうかを決める瞬間には誰もいません。スキルアップの中身にこの判断が入っていないと、知識が増えても同じ場面を繰り返します。
約束になる一言を、どう扱うか
できますと言い切らず、どういう形でできるかを一緒に確かめさせてくださいと返します。相手を少し待たせる印象は残りますが、後から条件が付くよりは軽くすみます。待たせる長さを添えれば、相手も間に何をするか決められます。言い切らないことと、話を止めることは違うと分けて考えます。
相手がその場で決めたい様子だと、言い切る方向に引かれます。急いでいる相手への返し方だけは、別に用意しておく必要があります。相手の急ぎ方に合わせて、確かめる範囲を狭めるという手も取れます。
言い切らずに前へ進める言い方は、考えてから出すには間が長すぎます。何度か口に出しておかないと、会話の速さに追いつきません。知識と違って、覚えたかどうかを自分では確かめにくい種類の力だと言えます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
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言い切りたくなる場面を、先に試せます
確認が重なる場面の設定
相手が細かい確認を重ねてくる場面を設定できます。言い切らずに前へ進める返し方を、繰り返し試せます。相手がそれで納得しなかった場合の続きも、続けて練習できます。
急いでいる相手への返し方も用意できます
相手の様子を変えた練習
その場で決めたい様子の相手を設定して、同じ返し方を試せます。落ち着いた相手には通る言い方が、急いでいる相手には通らないことも分かります。短い時間でも一つの場面は通せます。
どこで言い切ったかが、記録に残ります
言い切りが残る記録
どの確認に対して言い切ったのかが、記録に残ります。後から見返すと、自分が引かれやすい場面の型が見えてきます。AIが引き受けるのは、この繰り返しと記録までです。
知識の先にある力に手を入れた例です
ある疾患領域を受け持つグローバル製薬企業
知識の準備は足りていたのに、新しい製品を出す直前になって別の不足が見えた企業があります。グローバル製薬企業の一部門で、ある疾患領域を担っていました。学ぶ仕組みは長年動いていたものの、相手の職位ごとに伝える中身が変わる部分は練習の対象に入っていませんでした(出典:導入企業へのヒアリング)。
取った手は、相手のタイプ別に専用の相手役を置くことでした。担当者は現場へ出る前に、職位の違う相手との対話をそれぞれ通しておけます。
ここから読めるのは順序です。学ぶ仕組みが整ったあとに、言い方を選ぶ練習が別に必要になります。数値の成果は示されていないので、ここでは取り組みの紹介にとどめます。
製品の知識を増やすことと、その場で言い方を選べるようになることは別だという点が、本ページの話とつながります。
日本で事業を営む製薬企業
別の製薬企業では、力の差が二つの層のあいだで開いていました。経験の浅い層は実践の場数が不足し、経験を積んだ層は業務に追われて指導の余力がありません。同行や見学の形では、身につくまでの時間が読めない状態でした(出典:導入企業へのヒアリング)。
取った手は、経験の浅い層が安全な場で、実際の訪問に近い場面を数多く重ねられる形をつくることでした。相手と向き合う回数が業績の先行きを示す手がかりになる、という見方が土台にありました。
研修から半年から一年が過ぎた時点で、面談の回数は研修前の倍近くになりました(出典:導入企業へのヒアリング)。伸び方は、経験を積んだ層より速かったと記録されています。
回数を通しておくと、その場で選べる言い方が増えます。言い切らずに進める返し方も、同じように回数で身についていくものです。