金融機関の営業で説明義務を守りながら対話を進める方法
「重要事項の説明は一通り伝えたはずなのに、お客さまの反応が途中で硬くなってしまった……」金融機関の営業では、渉外担当が担当エリアの法人と個人を訪ね、適合性原則に沿った説明を守りながら、相手の関心に合わせて話す順番を組み替えます。手順は頭に入っているのに、その場で組み替えようとすると言葉が止まることはありませんか。説明義務と対話を両立できるかどうかは、日ごろの練習の設計で決まります。
対話は切り替えで決まります
渉外訪問はどう進んでいるか
担当エリアの企業を訪ねると、会話はまず前回の面談からの変化を確かめるところから始まります。決算の着地や設備投資の予定を聞き取るなかで、融資、資産運用、事業承継のどれに話が向かうかが決まります。相手の関心が定まったら、商品性とあわせてリスクや手数料を説明し、意向把握(ヒアリング)で理解度を確かめながら次に進みます。最後に持ち帰る資料と次回の宿題をすり合わせて席を立ちます。ここまでの流れは、多くの渉外担当が体で覚えています。ただ、どこで負荷が高まるかは、訪問先と担当者によって違います。
難しいのは説明への切り替え
一連の流れのなかで最も負荷がかかるのは、聞き取りから説明へ移る場面です。リスクや手数料を省かずに伝えることは、社内規程として決まっています。一方で、相手が何を不安に思っているかは、その場の言葉づかいや間から読み取るしかありません。決められた説明を守ることと、相手に合わせて順番を変えること。この二つを同じ数十秒のなかで両立させる部分だけは、資料の読み込みでは身につきません。ここを対話として練習できる場が、金融機関の育成にはほとんど用意されていないのです。
渉外の対話練習に残る3つの制約
社内規程に沿った説明の手順は、資料とテストで確認できます。しかし、相手の反応を見ながら順番を組み替える練習は、集合研修の限られた時間には入りきりません。そのため、説明はできても、途中で質問が挟まると流れが崩れてしまうのが現実です。
担当エリアには、設備資金の相談を控えた法人も、退職金の運用を考える個人もいます。求められる説明は相手ごとに変わりますが、練習の機会は限られており、だからこそ話し慣れた話題に寄っていきます。その結果、初めて向き合う相談では言葉が出てきません。
渉外担当には定期的な異動があります。前任者が築いた聞き方や説明の順序は、引き継ぎ資料には残りません。そのため後任は関係づくりからやり直すことになり、拠点としての対話の質が、担当者の交代のたびに揺れてしまうのです。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
説明を守りながら、話す順番を変えられます
反応に応じて変わるAIとの対話
相手の理解度に合わせて説明の順番を組み替える練習を、一人で何度でも重ねられます。UMU AIロープレでは、導入から聞き取り、リスクの説明、意向の確認までの流れをステップとして設定でき、AI顧客は担当者の話し方に応じて反応を変えます。説明を飛ばせば質問が返り、丁寧に確かめれば相手が事情を話し始めます。
どの相手との会話も、事前に一巡できます
相手ごとに用意するAI顧客の設定
話し慣れていない相談にも、初めて向き合う前に備えられます。UMU AIロープレでは、役職や性格、関心事、背景を細かく設定でき、設備投資を控えた法人の経営者、退職金の運用に迷う個人、事業承継を親族と相談中の経営者といった顧客像を並べて用意できます。担当エリアで想定される相談を一巡してから、実際の訪問に臨めるようになります。
異動しても、進め方は拠点に残ります
拠点に引き継がれる練習シナリオ
前任者の進め方を、後任が同じ形でたどれます。UMU AIロープレでは、成果を上げている担当者の説明の順序や、社内規程で外せない説明項目を、AIの評価基準としてあらかじめ組み込めます。拠点が変わっても同じ基準で練習できます。AIが担うのは反復練習と評価基準の統一までで、お客さまとの関係づくりや最終的な判断は、これまでどおり担当者と上席の役割です。
拠点が分散した組織での実践
日本の大手外資系生命保険会社
日本の大手外資系生命保険会社では、新人育成が支社主導で進み、支社ごとに指導方法や基準が異なるため、育成の質にばらつきが生じていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、同じシナリオと同じ評価基準で練習できる環境を整え、成約に至った受講者の練習記録を、新人向けの学習内容として引き継げるようにしました。
その結果、AIで練習したグループは3カ月後の提案数が30%増加し、標準化された育成の流れが支社をまたいで残りました(出典:導入企業へのヒアリング)。
通信キャリア系の店舗運営企業
全国展開する大手通信キャリア系の店舗運営企業では、新人の採用が増える一方、接客とあわせて法令に沿った説明を身につける時間が足りていませんでした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを導入し、接客の練習と法令順守の確認を一つのシナリオにまとめ、説明を省かずに会話を進める流れを繰り返し練習できるようにしました。
その結果、新入社員が独り立ちするまでの期間は1カ月未満に短縮され、コンプライアンス研修の周期も2カ月から1カ月に縮まりました(出典:導入企業へのヒアリング)。