金融機関の窓口のロープレは、手続きの応対に偏っていませんか
番号札を持って窓口の前に座った方の用件は、最初の一言では分かりません。記帳や振込だけを希望して来店した方と、気になっていることがあって来店した方が、同じ列に並んでいます。窓口担当者が用件を確かめる一言をどう選ぶかで、その後の会話は分かれていきます。金融機関の窓口のロープレで扱われるのは、手続きの説明や混雑時の応対が中心になりがちです。用件を見分ける最初のやり取りは、練習の題材になりにくいのです。
窓口の列に並ぶ、二種類の来店
手続きに来た方と、相談に来た方
窓口の番号札を取って順番を待つ方は、用件で二つに分かれます。一方は、記帳や振込、住所の変更など、手続きだけを希望して来店した方です。もう一方は、いずれ必要になりそうなことが気にかかっていて、その相談ができるかどうかを確かめに来た方です。手続きだけを希望する方にとっては、用件を確かめてすぐに手続きへ進むことが、最も速く、正しい応対です。相談したいことがある方も、最初は同じように番号札を取り、同じ列で順番を待っています。窓口担当者の側から見ると、二つの用件は席に着いた時点では見分けがつきません。この違いが会話の表に出るのは、やり取りが進んだ後になります。
最初の一言で道筋が決まります
窓口担当者が「本日はどのようなお手続きでしょうか」と最初に尋ねると、会話は手続きの確認へ進みます。手続きだけを希望していた方にとっては、この進め方が最も適しています。ただ、相談したいことがあって来店した方は、この流れの中では切り出す機会をつかめないまま、席を立ってしまいます。混み合った窓口で、後ろに順番を待つ方が並んでいる場面では、相談を切り出しにくいのは自然なことです。練習の題材にしにくいのは、この最初のやり取りなのです。
二種類の来店を、どう練習に入れるか
窓口のロープレは、用件がすでに決まった場面から始まります。振込の手続きを説明する、書類の記入をご案内する、といった設定です。そのため、用件がまだ分からない状態からのやり取りは、練習の入口に入っていないのが現実です。
練習では「本日はどのようなお手続きでしょうか」から入る型が定着し、その先は手続きの説明が正しく進むかを見る流れになります。だからこそ、相談を切り出せなかった方の側で会話がどう終わるかは、練習に出てきません。
手続きの説明は、抜けや誤りを手がかりに振り返れます。これに対して、用件を確かめる一言は、相手の様子によって適した形が変わるため、良し悪しの基準を決めにくいままです。その結果、指導する側も練習の題材として扱いにくくなってしまいます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
用件の違う来店客を、それぞれ設定できます
用件ごとに分けたAI顧客
手続きだけを希望する方と、相談したいことがある方を、別々のAI顧客として用意できます。役職や性格、話し方の傾向まで設定できるため、席に着いた時点では用件が分からない状態から練習を始められます。窓口担当者は、どちらの来店にも同じ入り方で向き合う練習を、現場に立つ前に重ねられます。
入り方の違いが、その場で見て取れます
一言ごとに変わるAI顧客の反応
AIは決まった台本をなぞりません。窓口担当者が手続きの確認から入れば、AI顧客はその手続きの話を進めます。用件を確かめる問いかけから入れば、気にかかっていたことを少しずつ話し始めます。同じ設定でも、入り方によって会話がどこへ向かうかを、繰り返し試せます。
確かめる一言も、評価の項目にできます
自社で決める評価の観点
育成を設計する側は、用件を確かめるやり取りを評価の観点として自社で設定できます。窓口の応対に合わせて配点や基準を決められるため、対話が終わった直後に、どの場面で何が足りなかったかを段階ごとに確認できます。AIが担うのは、反復練習と評価基準をそろえるところまでです。目の前の方にどこまで伺うかの判断は、これまでどおり窓口担当者が担います。
聞き取りを練習に入れた2社
生命保険・国内の支社網
国内で事業を展開する外資系の生命保険会社では、新人の育成が各支社の主導で進められ、指導の方法や基準が支社ごとに異なっていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、OJTの一部をAIとの練習に切り替えたうえで、成約に至った練習の記録を教材に組み込み、育成の手順を支社をまたいでそろえました。
その結果、3カ月後にはAIで練習したグループの顧客向け提案数が30%増加し、標準化した育成を土台に、対象のアカウント数も2,000から7,000超へ拡大しました(出典:導入企業へのヒアリング)。
眼鏡チェーン・全国展開
全国で眼鏡チェーンを展開する企業では、エリアマネージャー候補の育成にあたり、傾聴力や伝達力を座学だけでは鍛えられないという課題がありました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、5カ月にわたって、時間や場所を問わずコーチングと説明の練習を重ねられる環境を整えました。
その結果、担当者からは「対話型なので話す練習になり、実際の接客にも活かせています」「感覚的な指導から、言葉と図解で論理的に伝えられるようになりました」という声が寄せられています(出典:導入企業へのヒアリング)。