法人営業の商談で、相手の社内事情を聞けていますか
提案の中身は詰めてあるのに、相手の社内で誰が稟議を上げるのか、どこで反対が出そうなのかを聞けないまま持ち帰る商談があります。法人営業で判断を左右する情報の多くは、公開資料にも研修教材にも載っておらず、その会社の中にしかありません。足りないのは情報量ではなく、それを尋ねられる形に言い換える力なのです。
なぜ聞かないまま提案を組み立てるのか
提案の精度は何で決まるか
法人営業の提案が通るかどうかは、資料の作り込みよりも、相手の社内で何が起きているかをどれだけ把握できたかで決まります。誰が稟議を上げるのか、どの部門から反対が出そうなのか、いつまでに決めたいのか。この3つは公開情報にも業界レポートにも出てきません。上長承認の順番や部門間合意(関係部署の合意づくり)の進め方は会社ごとに違い、同業他社の例がそのまま当てはまるとは限らないためです。分からないまま組み立てた提案は、相手が社内で使えない資料になってしまいます。ここまでは、多くの営業担当者が経験から知っていることです。ただ、知っていることと、それを商談の場で尋ねられることの間には、もう一段の隔たりがあります。
聞ける形に言い換える力
一線の担当者がこれを尋ねられないのは、遠慮が先に立つためです。立ち入りすぎに見えないか、相手を困らせてしまわないか。そう考えているうちに商談は次の話題へ移り、結局は推測で提案を組み立てます。研修で渡されるのは、聞くべき項目の一覧までです。その項目を、相手が答えやすい言い方に置き換える手順までは、ほとんど設計されていません。実行が難しいのは、項目を増やすことよりも、同じ質問を相手の側から見た形に組み直すことだと言えます。
聞き方を設計するときの難所
相手の内情を尋ねる前に、自社側の事情をどこまで先に話すかを決めておく必要があります。ところが研修で渡されるのは質問項目の一覧までで、開示の順番は決まっていません。そのため担当者は、前置きなしに相手の社内へ踏み込む形になってしまいます。
社内に反対がありそうだと分かっても、それを話題にすると相手を追い詰めるように聞こえます。相手を守りながら反対の存在を机の上に出す言い方は、集合形式のトレーニングではほとんど扱われません。だからこそ、気づいていても踏み込めずに終わってしまうのが現実です。
いつまでに決めたいのかを、こちらの都合として聞くと催促に聞こえます。相手の社内の予定として確かめる言い方が要りますが、これは資料に書き写せず、口に出して試すほかありません。手段を比べる軸も、何を教えてくれるかより、この場面を再現して聞き方を試せるかに置くことになります。いま候補に挙がっている手段が、この場面を再現できるか確かめてみてください。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
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質問の仕方でしか、事情は引き出せません
尋ね方に応じて明かされる事情
相手の社内事情を尋ねる練習を、実際の商談の前に重ねられます。UMU AIロープレを活用することで、受講者には見えない前提をAI顧客側に設定できます。決裁の順番や社内で出ている懸念は、適切な質問を投げたときにだけ明かされるため、開示の順番を変えながら、どの尋ね方で相手が話し始めるのかを確かめられます。
社内の反対を、練習の場に出せます
社内の反対を持ち出すAI顧客
反対意見の扱い方を、相手を追い詰めない言い方で試せます。想定される反対は、UMU AIロープレのAI顧客があらかじめ会話の中に持ち出します。「上が渋っている」「別の部署が反対している」といった言葉が相手の口から出てくるため、それを受けてどう話題にするかを、本番の前に何度も口に出して確かめられます。
試した直後に、効いた尋ね方が分かります
対話直後に残る質問ごとの記録
どの尋ね方で相手が事情を話し始めたのかを、練習が終わった直後に確認できます。導入からヒアリング、情報提供、異議対応までプロセスごとに採点と改善点が残るため、資料に書き写せない言い方も記録として振り返れます。なお、AIが担うのは反復練習と評価基準の統一までで、案件ごとの進め方は、これまでどおり担当者とマネージャーが決めます。
聞く場面を練習に置いた企業の例
製薬・全国に分散した営業組織
業種は異なりますが、循環器・がん領域のグローバル大手製薬企業では、知識を入れるトレーニングが中心で、学んだ内容を現場のやり取りに持ち込みにくい状態が続いていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこで40以上の知識項目に対して、80〜120の模擬業務シーンを設計し、同じ知識でも場面ごとに分けて練習できる形にしました。
その結果、知識の項目数より場面の数を多く用意する設計になり、オンラインで練習した群の業績が、集合形式で研修を受けた群を上回りました(出典:導入企業へのヒアリング)。
生命保険・専属の営業組織
こちらも業種は異なり、法人取引のように関係者が複数にわたる前提でもありませんが、日本大手の生命保険会社では、練習の形が対人に限られ、担当者が練習そのものに踏み出しにくい状態が続いていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこで学習の区分を5つに分け、質問を通じた顧客関係の構築と顧客ニーズの把握を、それぞれ独立した練習の対象として立てました。
その結果、営業担当者と管理職の双方に向けて20以上のシナリオが用意され、聞く場面だけを取り出して繰り返せるようになりました(出典:導入企業へのヒアリング)。聞くことを独立した練習の単位に切り出すという考え方は、法人営業にも当てはまります。