ビジネス向けAIサービスを導入しても、商談力が伸びない理由
商談記録の整理や提案資料の下書きを任せるために、ビジネス向けAIサービスを導入する営業組織が増えています。それでも、顧客に強く切り返された瞬間に担当者が言葉に詰まる場面は、以前と変わらず残っています。AIに任せた範囲が記録と整理にとどまり、対話の練習にまで及んでいないのです。
AIを入れた組織で、何が変わらないのか
AIが担うのは記録の整理です
営業支援の文脈でAIを導入するとき、最初の対象になるのは議事録の作成、商談メモの整理、提案資料の下書きです。担当者の手が空く時間は、確かに増えます。ただし短くなったのは商談の前後にある事務作業であって、顧客と向き合っている数十分の受け答えではありません。例えば、初回訪問の終盤で「他社さんとも比べてみます」と言われる場面。ここで何を返すかは、その場面を事前に声に出して練習したことがあるかどうかで分かれます。差が大きく出るのは、経験の浅い担当者。知識としては覚えていても、相手の反応が想定と違った瞬間に、話の順序を組み替えられません。同行して指摘できる回数にも限りがあり、指摘の細かさはマネージャーの経験によって変わります。そのため、記録を効率化するサービスをいくつ並べても、商談の中身を決めている部分には手が入らないのです。
増えたのは、配れる情報量です
Gartnerの調査では、研修で学んだ内容の70%が1週間で、87%が1カ月で忘れられると報告されています(出典:Gartner)。AIが資料や要約をどれだけ早く用意しても、それを声に出して使う機会がなければ、同じ速さで抜けていきます。育成の側から見れば、増えたのは配れる情報の量だけと言えます。
どこまでAIに任せるかで結果が分かれます
サービスを比べる前に、自社の営業プロセスのどこで止まっているかを洗い出します。資料が見つからないのか、資料はあっても顧客の前で説明しきれないのか。前者なら検索や文書生成の機能が効きますが、後者に効くのは、声に出して説明する練習の回数です。止まっている場所を先に決めておくと、機能一覧を突き合わせる段階で迷いにくくなります。
導入後に何を見て判断するかを、契約前に決めておきます。ログイン数や利用率ではなく、商談のどの場面で受け答えが変わったか。この単位で記録が残るかどうかを確認しておくと、半年後に経営層へ説明しやすくなります。
記録や要約を担うAIと、顧客役として対話を担うAIでは、担当者に残るものが違います。前者は事務の時間を短くし、後者は本番で出てくる受け答えを残します。育成を任されている側が確かめたいのは、後者を備えたサービスかどうかなのです。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
切り返しは、練習した分だけ本番で出ます
顧客役を担うAIとの対話練習
UMU AIロープレを活用することで、AIが顧客役を務めます。「他社とも比べたい」「価格が合わない」といった切り返しを、自社の商談で実際に出るものに合わせて設定できます。担当者は相手の予定を気にせず、同じ場面に何度でも向き合えるのです。手応えのある返し方が見つかるまで、繰り返し試せます。
変化を、数字で示せるようになります
プロセス別スコアと成長推移
練習が終わるたびに、導入トークからヒアリング、異議対応まで、プロセスごとのスコアが残ります。育成を担当する側は、誰がどの場面で止まっているかを一覧で確認できます。記録が重なっていけば、施策の説明も感覚ではなく受け答えの変化を根拠にできるのです。
いつでも一人で、練習を始められます
時間と場所を選ばない反復練習
スマートフォンから練習を始められるため、相手役の予定を押さえる必要がありません。移動中や訪問前の数分でも、同じシナリオに何度でも取り組めます。ただしAIが担うのは反復練習と評価基準の統一という部分であり、目標設定や動機づけは、引き続きマネージャーの役割と言えます。
すでに多くの営業組織が活用しています
体外診断分野のグローバル大手企業
体外診断分野のグローバル大手企業では、5名の研修担当者が1,500名の営業担当者の能力認定を担っており、認定は四半期に1回しか実施できませんでした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、企業が定めた5つの訪問プロセスに沿って、模擬対話と即時採点を随時行える体制を構築しました。
その結果、認定は日程調整を待つものから準備ができ次第受けられるものへ変わり、待ち時間が消えたことで、認定通過者の実訪問における成約率が22.4%向上しました(出典:導入企業へのヒアリング)。
通信キャリア系の店舗運営企業
全国に店舗網を広げる通信キャリア系の店舗運営企業では、採用の加速に育成が追いつかず、新人スタッフが独り立ちするまでに1カ月以上かかっていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこで接客スキルとコンプライアンスを一つのシナリオにまとめたAI対話練習を導入し、必要な練習を短い育成期間の中で終えられる体制を整えています。
その結果、独り立ちまでの期間が1カ月未満に縮まり、練習の頻度が上がったことで、コンプライアンス研修の周期も2カ月から1カ月に短縮されました(出典:導入企業へのヒアリング)。