【イベントレポート】Eight EXPO 2026 夏・松田しゅう平登壇:人材育成のROIをどう示す?「AI×学習の科学」でソフトスキルを定量化する方法

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2026年6月に開催されたビジネスイベント「Eight EXPO 2026 夏」にて、ユームテクノロジージャパン株式会社 代表取締役の松田 しゅう平が登壇しました。本セッションでは、「世界100万社導入の『AI×学習の科学』で、組織の成長スピードが変わる。今知るべき人材育成の新常識」をテーマに、テクノロジーと科学を融合させた最先端の人材開発アプローチや、これまで困難とされていたソフトスキルの可視化、そして経営層を動かすROI(投資対効果)の測定方法について熱く語られました。

 

セミナーの冒頭では、会場の来場者約70名を対象に「自社におけるAIを活用した人材育成の取り組み状況」についてリアルタイムアンケートを実施。結果は「検討・準備を進めている」が1位、次いで「まだ取り組めていない」が2位となりましたが、「すでに一部の部署や全社で活用している」と回答した企業も約20%にのぼることが分かりました。本レポートでは、あらゆるステージの企業にとって有効となる、これからの人材育成の「新常識」を紐解きます。


▼「Eight EXPO 2026 夏」の詳細はこちら

https://eight-event.8card.net/eightexpo/

 

 

はじめに:UMUが提唱する「パフォーマンスラーニング」と学習の科学

ユームテクノロジージャパン(UMU)は、単なる「学習管理(LMS)」の枠を超え、学習が個人のパフォーマンスや企業の業績向上に直結することを目指す「パフォーマンスラーニングプラットフォーム」を提供しています。 「双方向の学習」「マイクロラーニング」「ピアラーニング(学び合い)」といった手法は、学習の科学において高い効果が古くから実証されていましたが、従来の1対大数の企業内研修においてこれらを完全に実現することは技術的に困難でした。しかし、AIやモバイル、インターネットの進化により、これらを網羅した効果的かつ効率的なトレーニングが現実のものとなっています。

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1. 人材育成の「過去の常識」と「新常識」への転換

セッションの中で松田は、これまでの人材育成のあり方と、AI時代における劇的な変化を以下のように対比させました。

・過去の常識(インプット中心):コンテンツの視聴や研修の実施、テスト、受講完了報告といった「一方的なインプット」の繰り返しに留まっていました。

・新常識(アウトプット・フィードバックの循環):良質なインプットの後に、自ら「アウトプット」を行い、AIや周囲から「フィードバック」を得るサイクルを何周も回すことでスキルを定着させます。AIを活用することで、上司の指導力に左右される「上司ガチャ」のようなコーチングのブラックボックス化を防ぎ、24時間365日、心理的に安全な環境で適切なフィードバックを即座に提供できるようになります。

 

また、テクノロジーの支援により、以下の「新しい4つの学習フレームワーク」を効率的かつ効果的に回すことができると説明しました。

1. 理解・記憶:動画制作の効率化や、LLMを活用した難易度別の大量のクイズ自動生成。

2. 説明(落とし込み):AIが壁打ち相手となり、学んだ内容を他者に説明できるレベルまで理解を深める。

3. 業務活用(ビジネスシミュレーション):AIチャットボットによるロールプレイングや動画提出に対し、AIが即座に評価・フィードバックを行う。

4. ナレッジシェア:社内のハイパフォーマーの商談動画などをバンクに蓄積し、いつでも相互にアクセス・学習できる環境を作る。

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2. AI×学習がもたらす劇的な成果:3つの成功事例

AIを学習プロセスに組み込むことで生まれる具体的な成果として、松田は3つの業界におけるユーザー事例を紹介しました。

 

・大手医療機器メーカー(中途社員教育):AIをエージェントとして活用することで、トレーナーのコンテンツ制作や講義デリバリーの工数を大幅に削減(準備・講義・プレゼンチェック時間を64.1%削減)。これにより、トレーナーが本来注力すべき「受講生(新入社員)の悩み解決や現場支援」に集中できる環境を実現しました。

・大手コンタクトセンター(オペレーター教育):AIがコーチとして学習者に徹底的に寄り添い、ロープレの相手や業務シミュレーションを担うことで、オペレーターの現場に出る前の不安を解消し自信を醸成。その結果、本導入から1年以内に入社6ヶ月後の離職率を55%から20%へと大幅に改善することに成功しました。

・大手広告会社(若手営業教育):営業教育に「AIロープレ」を導入し、顧客を実験相手にせずAIを相手に何度もシミュレーションを重ねました。徹底的な練習(売れる営業は事前の練習回数が平均7.6回と圧倒的に多い)を重ねたチームは、未実施グループや全国平均と比較して月平均の契約数が2倍以上に増加し、売上(契約額)が前月比275%増となるなど、直接的な業績向上を証明しました。

 

3. 本セッションの核心:経営を動かす「3つのメインポイント」

ポイント①:ソフトスキルの可視化とトレーニング

従来、測定やトレーニングが難しいとされていたリーダーシップや営業における「ソフトスキル」を、行動レベルまで細かく分解することで、定量的な可視化とAIによるトレーニングが可能になりました。 例えば、営業の「課題発見スキル」であれば、「質問スキル」「理解を深めるスキル」「インサイトのシェア」「明確化・掘り下げ」「要約」の5つに行動ベースで分解します。

「顧客のビジネス背景を特定できているか」「目標や懸念を確認できているか」といった観察可能な行動をAIロープレで評価することで、主観を排除した一律公平なフィードバックを即座に行えます。

 

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ポイント②:研修効果とROIの測定・証明

これまで曖昧だった研修の効果を、経営層に示すべき確固たるデータとして定量化・算出できるようになりました。

  • 立ち上がり期間の短縮:人が行うロープレは週1〜2回が限界ですが、AIであれば1日3〜5回可能です。これにより、業務に自動反応できる「反射レベル(長期記憶化)」に到達するまでの期間を、3カ月から2〜3週間(約3分の1〜4分の1)に短縮できます。

  • マネージャーの工数削減:メンバー10人に対して従来100時間かかっていたコーチング・フィードバックの工数を、AIが一次対応し、人間は最終レビューの30分(10名で5時間)に圧縮することで、95時間のマネジメント工数を削減可能です。

  • 売上への貢献(機会損失の防止):オンボーディング期間を5カ月から2カ月に短縮できれば、立ち上がりが早まった3カ月分の営業生産性がそのまま利益(機会損失の削減)となり、新人5名の場合で合計2,250万円規模のROIを定量的に算出・証明できます。

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ポイント③:AIと人の最適な役割分配

AIの導入によって人の役割が奪われるわけではなく、より高付加価値な領域へのシフトが起こります。

  • テクノロジー(AI)の役割:日頃の反復練習の相手、データの自動収集・可視化、客観的なスコアリングによる1次フィードバック。

  • 人間(マネージャー・トレーナー)の役割:AIによって可視化されたデータ(弱点)を基に、的を絞った(ターゲット)コーチングを行うこと。さらに、動機づけや、人間の「熱量」「情熱」「血管や汗が見えるような人間味のあるフィードバック」によって受講生を導くことです。

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おわりに:“直感ベース”から”データベース”のトレーニングへ

最後に松田は、「測定できれば、改善できます。改善できれば、再現できます。再現できれば、報告できます。報告できれば、投資が増え、組織はより強くなります。データがデザインを革新します」という言葉でセッションを締めくくりました。

研修費を単なる「コスト」として捉えるのをやめ、完了率や視聴時間といった指標から、合格率・練習回数・スキルスコアといった「レディネス(実戦準備度)の可視化」へと転換することこそが、生成AI時代に成果を生む人材育成の鍵となります。

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