営業研修の内容を参考にするとき、順番の理由は見えていますか
他社が公開している営業研修の内容を参考にしながら、自社の企画をまとめている育成担当者は少なくありません。出発点としては有効な進め方です。ただし、そこから読み取れるのは実施した単元の一覧までで、どの課題を見てその順番に決めたのかという理由は、資料には残っていないのです。
参考にした一覧から、何が抜け落ちるのか
一覧に残るのは、決めた後の形だけ
公開されている営業研修の内容は、多くの場合、単元の一覧という形で並んでいます。導入研修から商品知識、反論対応、同行の振り返りまで、どの項目を実施したのかは読み取れます。この並びを自社の企画書に移すところまでは、それほど手間もかかりません。ところが、その企業がなぜ反論対応をその位置に置いたのか、という判断の背景は、一覧の側には書かれていません。たとえば、同じ「反論対応」という単元でも、価格の話が出た時点で商談が止まりやすい組織と、初回訪問で会話が続きにくい組織とでは、置く位置も扱う場面も変わります。前者では価格の切り返しから入ることになりますし、後者では訪問して最初の数分の受け答えを扱います。項目の名前が同じでも、練習で扱う中身は別のものです。並びだけを取り入れると、自社が実際に抱えている場面とはつながらないまま、企画の形だけが先に整うのです。
その企業が何を見て順番を決めたか
たとえば、参考にした企画をそのまま持ち帰る前に、自社の商談記録を読み直した育成担当者がいます。止まっている場面が、価格の提示よりも決裁の進め方に集中していると分かり、その時点で単元の並びを組み替えました。他社の内容から本当に持ち帰れたのは項目の一覧ではなく、その企業が何を見て順番を決めたのか、という決め方のほうだったと言えます。
参考にした内容を自社向けに組み直す
順番を先に決めず、直近の商談で止まっている場面を洗い出すところから始めます。価格の提示で止まるのか、決裁者に会えないところで止まるのか。止まる場面が特定できれば、そこに対応する単元が自然と前に来ます。参考にした一覧は、この並べ替えの材料として使えます。他社の内容は、出発点としてはそのまま有効に働きます。
決めた内容を毎回誰が回すのかも、同じタイミングで確かめておきます。参考にした事例で専任の担当者や外部の講師が担っていた部分を、自社では兼任の担当者が担う場合があります。準備にかけられる時間も、当日に立ち会える人数も違ってきます。
決めた内容を毎回同じ形で回せるかどうかも見ておきます。初回だけ実施されて、次の期には残らない形になっていないか。担当者の予定に左右されずに練習の場を用意できる仕組みがあるかどうかが、ここでの分かれ目です。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
止まる場面から練習を組めます
自社の場面に合わせたシナリオ
UMU AIロープレを活用することで、価格の提示で止まる場面や、決裁者に会えない場面を、そのまま練習シナリオとして設定できます。AIが顧客役を担うため、その場面での切り返しを何度でも試せます。参考にした一覧を出発点にしながら、自社で止まっている場面から練習を組み立てられます。
担当者の予定に関係なく練習できます
順番待ちのいらない練習環境
練習相手をAIが担うため、担当者が立ち会える日程を待つ必要はありません。兼任で研修を回している場合でも、練習の実施そのものは担当者の空き時間に左右されなくなります。参考にした事例と体制が違っても、同じ内容を毎回続けやすくなります。AIが担うのは練習相手と評価基準の統一という部分であり、目標設定や動機づけは引き続き人の役割になります。
次の期の企画を、記録から組めます
練習記録から見える課題の分布
練習のたびに、どの場面で評価が下がったのかが記録として残ります。育成担当者は、その分布を見て、次の期にどの単元を前に置くかを判断できます。他社の一覧を参考にするところから始めた企画も、2期目からは自社の記録を材料に組み直せます。順番を決めた理由が、自社の側に残っていくのです。
自社の条件に合わせて組み直した例
皮膚科領域のグローバル製薬企業
皮膚科・コンシューマーヘルスケア領域のグローバル製薬企業では、研修担当者3名に対し、営業担当者が200名という体制でした(出典:導入企業へのヒアリング)。
主力製品ラインの市場シェアが下がりつつある原因を、製品ではなく、営業担当者が医師の前で診療科向けの資料の内容を十分に説明できていない点に見立てました。
そこでUMU AIロープレを活用し、実際の対話の文脈の中で製品メッセージを声に出して説明する練習を重ねました。
日本の大手食品スーパー
全社員を対象とする日本の大手食品スーパーでは、クレーム対応の体系的なトレーニングが不足し、現場での対応の質にばらつきがありました(出典:導入企業へのヒアリング)。
同社はもともとオフラインの集合研修施設を持っており、そこにUMU AIロープレによる模擬演習を組み合わせたハイブリッド型の学習モデルを構築しました。
AIは実際に遭遇しやすいクレーム対応の場面を再現し、安全な環境の中で最も対応が難しい顧客との対話を繰り返し練習できるようにしました。