営業ツールのデザイン、完成前に一度話してみましたか
営業ツールのデザインを詰めるとき、確かめるのは見やすさや流れの分かりやすさです。どちらも受け取る側に向けた設計で、そこは整えるほど良くなります。ただ、現場が判断するのは一点だけです。これで話せるかどうか。見た目のレビューでは、その一点が最後まで確かめられないのです。
営業ツールのデザインは、何を確かめているのか
見やすさと、話しやすさは別です
レビューの場に並ぶのは、刷り上がりや画面の見え方です。文字の大きさ、図の位置、どの順に目が動くか。ここで議論されるのは、受け取る側がどう読むかという話です。一方で使う側は、その資料を開きながら話します。どこで手を止めるか、どの図で相手の反応を待つか、話が飛んだときにどこへ戻るか。例えば、完成度の高い一枚ものを配ったのに、現場では最初の図の説明だけで時間を使い切っていた。こうした場面がこれにあたります。見やすく整っていたからこそ、順番に読み上げる形になっていたのです。
話してみないと、出てこない指摘があります
見た目のレビューで出る指摘は、目で見て気づける範囲にとどまります。声に出すと、別の指摘が出てきます。この図の説明に何秒かかるのか。この順番だと、相手の質問がどこで入るのか。同じ資料でも、黙って見るときと話しながら使うときでは、気づく場所が変わると言えます。どちらのレビューも要りますが、片方だけで完成にすると、残った不足は現場で見つかります。現場で見つかった場合、直すのは次の版になるので、その間は使いにくい状態が続きます。
話してみるレビューを、どう入れるか
刷る前、配る前の段階で、その資料を使って一度通してみます。相手役は誰でも構いませんが、資料を作った人以外にします。作った人は、書いていない前提を頭の中で補ってしまうからです。通す相手役も、資料の内容を知らない人のほうが向いています。
止まった場所、飛ばした図、説明が長くなった箇所を書き出します。これらは見た目の指摘とは別の系統なので、直す優先順位も変わってきます。止まった場所が同じなら、それは個人の慣れではなく資料の側の問題です。
順番の目印や、手元で見る補足を入れておくと、通し方が揃いやすくなります。受け取る側の面と使う側の面を、同じ資料の中に置くという考え方です。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
配る前に、その資料で話してみられます
資料を使う場面の設定
作った資料を持ったまま話す場面を、相手役を立てて試せます。相手が別のところに関心を向けた場合の続きも、そのまま通せます。配る前の段階から、何度でも試せる形になります。
作った人以外が、同じ条件で通せます
同じ条件で人を替える練習
同じ資料と同じ場面で、複数の人が通せます。作った人以外が通すと、書いていない前提が表に出てきます。短い時間でも一度は通せます。
どこで止まったかが、直しの材料に残ります
止まった箇所が残る記録
どの図で止まり、どこを飛ばしたのかが記録に残ります。見た目の指摘とは別の系統の材料として、直しの順番を決められます。AIが引き受けるのは、この繰り返しと記録までです。何を直すかを決めるのは作る側になります。
資料の先に練習を置いた例です
一般用の医薬品と皮膚の分野を扱う製薬企業
主力の製品ラインで、市場のシェアが削られつつありました。舞台は、一般用の医薬品と皮膚の分野を扱う製薬企業の現地法人です。たどると原因は製品ではなく、医師の前で診療科向けの内容を十分に説明しきれないところにありました(出典:導入企業へのヒアリング)。
資料は手元にありました。足りなかったのは、それを声にする機会です。研修を担う人数は限られ、数百人を高い頻度で回ることもできません(出典:導入企業へのヒアリング)。
打ち手として、口頭の練習をAIロールプレイが担いました。担当者は対話の流れのなかで、要点を声にして伝える回数を積んでいます。
資料の完成度と、それを使って話せることは別だという構図が、本ページと重なります。
複数のブランドを扱う小売の企業
前の年の大型セールで売上の目標に届かなかった企業があります。知名度のあるブランドを複数抱える小売の企業で、本部の側は販売の方針を細かく練っていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
届かなかった理由をたどると、方針が店舗での会話に移りきっていませんでした。教え合いは店長の力量に左右され、地域をまたいで基準をそろえるのも難しい状態でした(出典:導入企業へのヒアリング)。
打ち手として、店頭でのやり取りだけを取り出した練習を組みました。来店から購入の決定までを、ひと続きの対話として通せる形にしています。
方針を紙で配るところまでで止めず、会話として通す工程を足した例と読めます。