営業の自己紹介に、相手は質問を返してきましたか
営業の自己紹介を、よどみなく言えたかどうかで振り返っている方がいます。言葉づかいも話す順番も一人で用意できるため、練習の手応えもそこで決まりがちです。ただ、自己紹介が果たしている仕事は、自分を説明することではありません。相手がもう少し話してみようと思うかどうか、そこにあるのです。
自己紹介の出来を、どこで判断しているのか
判断が用意できる範囲で閉じる
営業の自己紹介は、一人で仕上げられる部分が多くあります。名乗り方、扱っている商材の説明、話す順番。どれも机の上で組み立てられますし、声に出して確かめることもできます。準備の手応えがはっきり出る作業なので、ここまでで整った気持ちになります。ところが、自己紹介が本当に何をしているのかは、そこには現れません。初めて訪ねた相手先で名刺を交換し、扱っている商材まで説明し終えた直後を思い出してみてください。相手が「それはうちのどこに関係しますか」と聞いてくることもあれば、「ありがとうございます、ではまた」で終わることもあります。この二つの違いは、こちらの言い方が滑らかだったかどうかでは説明がつきません。自己紹介が果たしている仕事は、相手が話す側に回る状態をつくることです。そしてその成否は、こちらの出来ではなく、相手が次に何をしたかという形でしか表に出ないのです。
次の三件で確かめられる
確かめ方は決まっています。次に訪ねる三件で、自己紹介を終えた直後に相手が質問してきたか、それとも黙ったままだったかだけを記録してみてください。話した内容の評価は入れません。三件のうち何件で相手が口を開いたか。この数え方なら、いま整えている自己紹介がどこまで効いているかを、自分で確かめられます。
営業の自己紹介を組み立て直す
相手と近い立場の人にどう役立ってきたかを先に置き、次に扱っているものを説明し、最後に今日確かめたいことを一つ伝えます。この順にするのは、聞く側が最初に知りたいのが、目の前の相手が自分と関係のある人かどうかだからです。
実績を並べるのではなく、相手と似た状況の話を一つだけ挟みます。自分に当てはまるかを考えた相手は、確かめるために質問を返してきます。丸写しの原稿を渡さないのはこのためです。読み上げた自己紹介では、相手の反応に合わせて言い換えられません。
ここまでの二つは、相手を前にしないと確かめられません。相手役を頼めば時間をもらうことになり、頼める回数も限られます。反応が返ってくる相手を、都合のよい時に用意できるかどうかが、残された問いと言えます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
相手の反応から、順番が効いたか分かります
表情まで見えるAI顧客
UMU AIロープレを活用すると、AIが顧客役を担います。声のやり取りだけでなく、聞いている間の表情や間の取り方も見えるため、こちらの並べ方が相手に効いたのかどうかを、その場で読み取れます。同じ自己紹介を順番だけ入れ替えて試せば、反応の違いがどこから生まれたのかも見えてくるのです。
相手に近い状況を、こちらで設定できます
立場や関心が異なるAI顧客
顧客役の立場や関心、話し方は、あらかじめ決めておけます。慎重な相手、関心の薄い相手、費用から入る相手をそれぞれ用意し、似た状況の話をどこに置くと質問が返ってくるかを、相手を変えながら確かめられます。相手が一人に固定されないため、特定の型だけに慣れてしまうことがありません。
相手の時間を借りずに、何度でも試せます
一人で始められる練習環境
練習の相手を誰かに頼む必要がなくなり、思いついた時にそのまま始められます。順番を大きく変える試し方も、回数を気にせず持ち込めます。ただし、AIが担うのは反復練習と評価の部分です。何を確かめに行くかは、引き続きご自身の判断になります。
口に出す練習を取り入れた企業があります
皮膚科領域の大手製薬企業
業種は異なりますが、皮膚科領域の大手製薬企業では、資料は整っているのに、担当者が医師の前でその内容を口に出して説明しきれない状態が続いていました。トレーニングを担う人数は限られ、一人ずつ声に出して確かめる場までは用意できませんでした。
そこでAIとの対話練習を取り入れ、実際の面談の流れの中で、伝えたい内容を声に出して組み立て直す機会を重ねました。
読んで分かった状態から、相手を前にして自分の言葉で話せる状態へと、担当者の準備の質が変わりました。
子ども靴ブランドの小売企業
こちらも業種は異なりますが、子ども靴ブランドを展開する小売企業では、本部が販売の進め方を整えても、店舗での接客のやり取りがそこに追いつかない状態が続いていました。案内の仕方が相手にどう受け取られたのかを確かめる機会は店長の力量任せで、店舗をまたいで同じようにはそろいませんでした。
そこでAIとの対話練習を取り入れ、来店から購買を決めるまでのやり取りをシナリオとして再現しました。AIが、迷っている顧客、価格に敏感な顧客、急いでいる顧客といった異なるタイプを演じるため、同じ案内の仕方が相手によってどう受け取られるかを確かめられます。
本部が用意した案内の流れが、店舗での実際のやり取りに落ちる形になり、店長の指導の巧拙に頼らず、同じシナリオで練習を重ねられるようになりました。