営業の新人育成が計画どおりに動かない、本当の理由
営業の新人育成の計画は、新人に何を身につけさせるかという項目の一覧として組まれます。しかし、その計画が動くかどうかは、同行や説明を担う中堅がどれだけ時間を割けるかで決まります。中堅は自分の担当も持っており、育成に回せる時間には上限があります。設計の出発点は、項目の一覧ではなく時間の配分なのです。
計画は整っているのに、なぜ動かないのか
項目表には時間が書かれません
営業の新人育成の計画は、多くの場合、新人に何を身につけさせるかという項目の一覧として組まれます。商品知識、提案の組み立て、面談の進め方、といった並びです。ところが、その一覧のどこにも書かれない項目があります。誰がそれを教え、誰が同行し、誰が振り返りに付き合うのか、そこに何時間を使うのかという見積りです。計画を実際に動かすのは、自分の担当顧客も持っている中堅の担当者です。中堅が育成に回せる時間には、はっきりとした上限があります。新人向けの項目をていねいに増やしても、この上限そのものは動きません。項目表として精緻に作り込むほど、計画と実際の進み方は離れていくのです。
時間の使い道は性質が違います
設計を始める前に、中堅の時間が今どこに使われているかを洗い出してみてください。多くの場合、次の四つに分かれます。同行訪問、資料や商材の説明、その場での質問対応、そして面談後の振り返りです。並べただけでは同じ育成の時間に見えますが、性質は違います。資料や商材の説明は、相手が替わっても中身がほとんど変わりません。一方、面談後の振り返りは、その日の相手と会話の流れを知っていなければ成り立ちません。たとえば、同行から戻った中堅が、次の自分の商談準備に追われ、振り返りを翌週に回すことがあります。そのとき失われているのは、時間よりもその日の会話の記憶だと言えます。
外に出せる時間と、出せない時間
同じ説明を何度も繰り返す部分、決まった手順を身につける部分は、中堅が担わなくても成り立ちます。相手が誰でも中身が変わらないからです。ここは回数がそのまま効くため、中堅の時間で回すほど回数の上限が下がります。
案件ごとの判断、お客さまとの関係の引き継ぎ、本人の見立ての修正は、相手と経緯を知る人でなければ担えません。線引きが常にきれいに引けるとは限らないため、どちらとも言えない部分は中堅に残す前提で、その分の時間枠を先に取ります。
外に出すと中堅の時間が空きます。使い道を先に決めておかないと、空いた分はもとの使い方に戻ります。同行の回数を減らす代わりに、面談後の振り返りを一人あたり確実に一回持つ、と先に決められているでしょうか。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
反復練習は中堅の時間を使わずに回せます
回数制限のないAIロープレ
UMU AIロープレでは、AIが顧客役を担います。同じ場面を何度でも練習できるため、中堅が同じ説明を繰り返す必要はなくなり、新人は自分のペースで回数を重ねられます。その結果、中堅の手元には同行と振り返りのための時間が残ることになります。
評価の基準を統一すると迷いが減ります
自社の型に沿った評価基準
自社で定めた面談の進め方や評価の観点を、AI側の採点基準に組み込めます。誰が見ても同じ観点で結果が返るため、中堅ごとに見立てが分かれることが減っていくのです。ただし、AIが担うのは繰り返しの練習と評価基準の統一までです。案件ごとの判断やお客さまとの関係の引き継ぎは、引き続き人の役割になります。
空いた時間は、精度の高い1対1に戻せます
習得状況のダッシュボード
誰がどの場面でつまずいているかを、練習の記録から確認できます。マネージャーは事前に状況をつかんだうえで面談に臨めるため、限られた時間を確認作業ではなく本人の見立ての修正に使えます。空いた時間の戻し先は、ここに置けます。
中堅の時間を組み直した企業の例です
製薬分野のグローバル大手企業
業種は異なりますが、製薬分野のグローバル大手企業では、トレーニングを担う講師が限られ、営業担当者全員に1対1の指導を行うことは現実的ではありませんでした。人が評価する際に採点の基準がばらつくという課題もありました。
そこでUMU AIロープレが標準化された高頻度の練習を担いました。あわせて、マネージャー向けには、コーチングの理論を実際の対話として練習できる環境を用意しました。
その後の所見として、この企業では、練習の回数が多い担当者ほどトレーニングの成績が高いという関係が確認されました。
製薬分野のグローバル企業
同じく業種は異なりますが、営業担当者が全国に分散し、人によるOJTや個別指導に高い費用がかかっていた企業の例です。トレーニングを担う側が全員に即時で構造化された振り返りを返すことも難しい状況でした。
集合形式のトレーニングの一部をUMU AIロープレが代替し、オンラインでの練習と集合形式を並行させて比べながら進めました。
直属のマネージャーは、部下の行動と習得の状況をダッシュボードで把握したうえで、精度の高い1対1のコーチングを行えるようになりました。