IT営業のロールプレイング、顧客役は誰が務めますか
「シナリオは用意できているのに、顧客役を任せられる人が社内に見つからない……」IT分野の営業ロールプレイングを設計していて、ここで手が止まったことはありませんか。デモやヒアリングの場面を再現しようにも、相手役には製品と技術の前提知識が要ります。この設計の難しさには、IT分野ならではの「理由」があります。
練習の質は顧客役で決まります
顧客役をどこまで作り込むか
IT分野の営業ロールプレイングで結果を分けるのは、シナリオの本数ではなく、顧客役をどこまで作り込めたかという一点です。実際の商談で相手が口にするのは、「既存の仕組みとどうつなぐのか」「運用は誰が見るのか」「稟議には何を書けばよいのか」といった問いです。こうした問いを投げてくる顧客役を用意できて初めて、ヒアリングもデモも反論対応も、練習として成立します。顧客役がうなずいて聞くだけの存在なら、どれだけ丁寧に台本を書いても、担当者は読み上げの練習しかできません。評価の基準も練習の回数も、この一点を軸に決まっていくのです。ただ、その顧客役を1人に決めてよいとは限りません。
顧客役は一人では足りません
同じ製品の商談でも、業務部門が知りたいのは現場の使い勝手で、情報システム部門が確かめたいのはデータの扱いや運用の負荷です。ところが設計の現場では、顧客役を業務部門か情報システム部門のどちらか一方に固定しがちです。その結果、担当者は片側の会話だけがうまくなり、もう片側では言葉に詰まります。IT分野のロープレ設計で最も手間がかかるのは、この複数の顔を用意する準備です。そして顔を増やそうとすると、設計する側に3つの難しさが現れます。
顧客役をそろえる3つの難しさ
IT分野では、顧客役に製品と技術の前提知識が求められます。誰でも務められるわけではなく、頼めるのは技術担当や一部のベテランに限られます。その数人の予定が埋まれば、練習はそこで止まってしまうのが現実です。
そこで顧客役を絞り込むのですが、買い手の側では業務部門と情報システム部門で確かめたい点が違います。1つのシナリオで両方を扱えば会話が散らかり、部門ごとに分ければ相手役の人数がさらに足りなくなってしまいます。
だからこそ台本の作り込みに向かいますが、専門用語をどこまで噛み砕くかという判断は、台本に書き切れません。相手の理解度を見ながら言葉を選ぶ動きはその場でしか起きず、評価する側の感覚もばらついてしまいます。
相手の予定を待たずに練習を始められます
予定調整の要らない練習環境
UMU AIロープレを活用することで、顧客役はAIが担います。業界の商談文脈を組み込んだシナリオを土台に、製品と技術の前提を持った相手として振る舞うため、育成を担当する側が相手役を手配する必要もありません。何人が同時に始めても順番待ちは起きず、練習の回数は担当者の側で決められます。
部門ごとの顧客役をいくつでも用意できます
立場ごとに作り分けるAI顧客
現場の使い勝手を気にする業務部門の担当者、データの扱いと運用の負荷を確かめる情報システム部門の担当者、費用対効果を見る部門長。役職や性格、懸念点を設定して、立場の異なるAI顧客をそれぞれ用意できます。担当者は同じ製品の話を相手に応じて組み替える練習を、一巡して重ねられます。
伝わる言葉を選べていたかが分かります
言葉選びまで見る評価基準
評価は、決められた単語を言えたかどうかでは決まりません。商談プロセスと段階ごとの基準に沿って、相手の理解度に合わせて説明を組み立てられていたかを見ます。練習の直後に、どの段階で伝わりにくくなったのかを確認できます。AIが担うのは評価の基準を統一するところまでで、動機づけは引き続き人の役割です。
専門性の高い商談での実践例
自己免疫疾患領域の医薬品企業
自己免疫疾患領域の革新的医薬品企業では、新薬の相次ぐ承認で営業チームが1.6倍に拡大しましたが、1対1のロープレは相手役の力量に品質が左右されていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、会話が途中で遮られる訪問シーンを繰り返し練習できる体制を構築しました。
その結果、専門トレーニング期間は90日から28日に短縮されました(出典:導入企業へのヒアリング)。相手役の確保に左右されない練習が、上市のスピードに育成を追いつかせたのです。
全国展開する眼鏡チェーン
全国展開する眼鏡チェーンでは、エリアマネージャー候補の育成が立候補型のキャリアパスへ移り、傾聴力や伝達力を座学だけでは育てにくい状況でした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、次世代リーダー候補が時間や場所を問わず反復練習できる環境を構築しました。
受講者からは「感覚的な指導から、言葉と図解で論理的に伝えられるようになりました」という声が寄せられています(出典:導入企業へのヒアリング)。伝え方を型として練習できたことで、説明の質が個人の感覚に左右されにくくなったと言えます。