営業のビジネスマナー研修が、型の崩れた場面で活きない理由
名刺交換の手順も、あいさつの言葉も、営業のビジネスマナー研修で一通り学んだはずのメンバーがいます。それでも、相手が名刺を出さないまま本題に入った瞬間、次の一手が決まらなくなります。問われているのは、型を覚えているかどうかではありません。型どおりに進まない場面で、何を優先するかという判断なのです。
型は覚えたのに、なぜ現場で止まるのか
型が守れるのは順番どおりの時だけ
営業のビジネスマナー研修で扱うのは、名刺の受け渡し、あいさつ、言葉遣い、席の案内、電話の取り次ぎといった型です。いずれも手順として説明でき、覚えたかどうかも確認しやすいものと言えます。型は、順番どおりに進む場面であれば守れます。難しくなるのは、相手が想定と違う動きをしたときです。名刺を出さないまま話が始まることもあれば、あいさつの途中で本題に入られることもあります。聞いていた人数より多い方が着席していたり、オンラインの商談で映像より先に音声だけがつながったりもします。こうした場面で問われるのは、型を覚えているかどうかではありません。順番を飛ばしてよいのか、いったん確認するのか、後から整えるのか。しかも、どこまでを正しい手順とするかは、自社で定めた基準や相手先の慣習によって変わります。研修で配られた一通りの型だけでは、その場の選択までは決まらないのです。
話す練習の場が足りていない
全国に眼鏡店を展開する企業では、エリアマネージャー候補の育成方針を見直しました。その際、傾聴力や伝達力は座学だけでは身につかず、実際に話してフィードバックを受け、繰り返し練習する場が必要だと整理されています(出典:導入企業へのヒアリング)。マナーの型についても、同じことが当てはまります。
崩れた場面を練習にどう組み込むか
型を覚える段階と、型が使えない場面で判断する段階は別物です。判断は、説明を聞くだけでは育ちません。想定と違う状況に何度か置かれ、そのつど選んだ対応の結果を確かめます。この繰り返しのなかで、優先順位の付け方が身についていくのです。
研修の時間の多くは、手順の説明と、順番どおりにできたかの確認に使われます。型が崩れた場面は「臨機応変に」の一言でまとめられ、練習の対象になりません。研修を設計する側には、判断の部分だけが手つかずで残ります。
崩れた場面を練習に組み込むなら、相手役が欠かせません。しかも、毎回同じようには動かない相手役。人手で用意すれば、研修担当者の時間と日程の調整が制約になります。ここで、練習環境の作り方が問われます。
想定と違う出方に、その場で対応できます
台本に沿わない対話練習
UMU AIロープレでは、AIが顧客役を担い、こちらの受け答えに応じて出方を変えます。名刺を出さないまま本題に入る、あいさつの途中で質問を挟むといった場面も、シナリオとして設定できます。手順どおりに進まない状況で何を優先するかを、その場で試せるのです。
相手が変わっても、判断を試せます
顧客タイプ別の設定
役職や性格、話し方、背景を自由に設定でき、複数の顧客タイプを同時に用意できます。急いでいる相手、確認を重ねる相手、途中で話題を変える相手。営業のビジネスマナー研修で配った型が通じにくい相手ほど、繰り返し練習しておけます。
自社で決めた基準に沿って評価できます
評価基準の設定
評価の重みづけや基準は、自社の方針に合わせて設定できます。名刺の渡し方や席の位置は、会社や相手先によって扱いが変わるためです。ただし、AIが担うのは反復練習と評価基準の統一までと言えます。目標の設定や動機づけは、引き続き研修担当者やマネージャーの役割です。
接客と新人育成から見直した事例
通信系店舗運営・6,000名
全国に店舗を展開する通信系の店舗運営企業では、採用の加速に育成が追いつかず、新人を早く現場で対応できる状態にすることが急務でした(出典:導入企業へのヒアリング)。
接客とコンプライアンスを一つのシナリオにまとめた対話練習を導入し、新入社員が独り立ちするまでの期間は1カ月未満に短縮されました(出典:導入企業へのヒアリング)。
食品スーパー・3,300名
日本の大手食品スーパーでは、クレーム対応の体系的なトレーニングが不足し、店舗ごとに対応の質のばらつきが出ていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
集合研修とAIによる模擬練習を組み合わせ、対応の難しい顧客との対話を安全な環境で繰り返し練習できるようになりました(出典:導入企業へのヒアリング)。