法人営業で培ったスキルが、稟議で活きない理由
「提案までは順調に進むのに、『社内で検討します』と言われた案件が、そのまま動かなくなる……」法人営業のスキルを高めるために、商品知識の研修もロールプレイングも重ねてきたはずです。それでも稟議の段階で案件が止まる、という報告を毎週の会議で聞いていることはありませんか。この止まり方には、担当者の努力とは別の「理由」があります。
法人営業のスキルは、どこで差がつくのか
法人営業のスキルの4要素
法人営業のスキルとは、目の前の担当者を説明で納得させる力ではなく、相手が社内で検討を前に進められる状態をつくる力を指します。実務では4つの動作に分かれます。誰が決めるのかを見極める関与者の確認、相手がまだ言葉にできていない課題を引き出すヒアリング(意向把握)、稟議や上長承認の場でそのまま使える材料の準備、そして相見積もりや価格の押し返しへの対応。前半の2つは、商談の場で完結すると言えます。しかし後半の2つは、担当者が席に戻ったあと、営業からは見えないところで結果が決まるのです。従来のトレーニングで練習の対象になっているのは、前半の2つだけという組織が少なくありません。
難所は、目の前にいない関与者
マネージャーの多くは、商談が止まる原因をメンバーの説明力や提案書の質に求めます。研修でトークを磨き、資料の作り方を整えれば次は通る、という見方は自然なものです。ただ、法人営業で最も難しいのは、その場にいない人に向けた会話を組み立てることにあります。購買部が持ち出す相見積もり、情報システム部が確認する運用の負荷、決裁者が最後に見る費用の根拠。これらは目の前の担当者の口からは出てきません。担当者が社内で説明しやすい形に情報を渡せているかどうかで、その後の進み方が変わります。ところが、この動作を練習の対象にしてきた組織は多くありません。
練習の設計でつまずく3つの点
同僚が顧客役を務める練習に登場するのは、目の前の担当者だけです。稟議を左右する購買部や決裁者の視点は練習の場に出てこないため、関与者を想定した会話は、本番で初めて経験することになってしまいます。
関与者への対応を学べる場は、マネージャーの同行訪問と1対1の面談に限られます。メンバーの人数が増えるほど一人あたりに回ってくる機会は減り、練習量を確保できないまま次の商談に向かうことになります。
そのため振り返りも、「悪くなかった」「もう少し詰めて」という言葉で終わりがちです。どのプロセスで課題が出たのか、次に何を直すのかが記録に残りません。チーム全体としてどこに課題があるのかも、マネージャーの印象の中にしか残らないのです。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
目の前にいない決裁者とも、練習できます
立場の異なる複数のAI顧客
マネージャーは、購買部の担当者や決裁者を想定した会話を、本番より前にメンバーに経験させられます。UMU AIロープレでは、役職や性格、懸念点の異なるAI顧客を、1つの商談シナリオに複数設定できます。相手にだけ渡した前提情報を、適切な質問を投げて初めて引き出せる形にもできるのです。
指導の順番を待たずに、練習を重ねられます
時間と場所を選ばない反復練習
メンバーは、同行訪問の予定を待たずに練習を始められます。UMU AIロープレはスマートフォンから利用でき、回数の上限もないため、移動中や商談の合間にも反復練習を重ねられます。AIが担うのは反復練習と評価基準の統一という部分であり、目標設定や動機づけは、引き続きマネージャーの役割になります。
課題のあるプロセスが、その場で分かります
プロセス別の即時フィードバック
メンバーは練習の直後に、どのプロセスで課題が出たのかと、次に何を直すのかを確認できます。UMU AIロープレでは、対話の終了時点でプロセスごとの採点と個別の改善提案を並べたレポートを開けます。マネージャーはチームの傾向をデータで把握できるため、1対1の面談を根拠のある指導の場にできると言えます。
大規模な営業組織での実践例
体外診断分野の大手企業
欧州に本社を置き、グローバルに事業を展開する体外診断分野の大手企業では、5名の研修担当者が1,500名の営業担当者の能力認定を担っており、認定は四半期に1回しか実施できませんでした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、企業が定めた5つの訪問プロセスに沿って、準備ができた担当者がいつでも認定を受けられる仕組みを構築しました。
その結果、認定は随時実施できるようになり、認定通過者の実訪問における成約率は22.4%向上しました(出典:導入企業へのヒアリング)。待ち時間の解消が、そのまま商談成果の改善につながったのです。
大手外資系の生命保険会社
日本で事業を展開する大手外資系の生命保険会社では、新人育成が各支社主導で行われ、支社ごとに指導方法や基準が異なるため、育成品質にばらつきが出ていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、オフラインのOJT研修を受けたグループと、AIとの練習を行ったグループを比較するABテストを実施しました。
その結果、3カ月後にはAIとの練習を行ったグループの顧客向け提案数が30%増加しました(出典:導入企業へのヒアリング)。練習量の確保が、実際の提案活動の量にそのまま表れたと言えます。