アクティブラーニング型のグループワークは、答えを持ち寄る場
アクティブラーニング型のグループワークを組み込んでも、話すのは内容に詳しい一人で、ほかのメンバーは聞く時間のまま終わることがあります。進行の工夫だけの話ではありません。議論の中身は、集まる前の時間にも左右されるのです。
一人では見えない理解の抜け
読むだけでは足りない工程
アクティブラーニング型のグループワークで受講者が行うのは、自分の考えを言葉にし、ほかの受講者の見方と照らす作業です。ケース討議、意見の持ち寄り、教え合い、結論の発表と、形はいくつもあります。ただ、どの形にも共通しているのは、自分の理解のどこが抜けているかを、ほかの人の説明を通して知る点だと言えます。読む時間と聞く時間だけでは、理解が足りているかを確かめる機会がありません。だからこそ、話し合いの時間を別に置く意味があります。
全員に順番が回っているか
目安になるのは、班として結論が出たかどうかではなく、一人ひとりが自分の言葉で意見を述べる場面が回っているかという点です。話し合いの形を取っても、発言するのは二人ほどで、ほかのメンバーは相づちを打つだけで終わることがあります。班の成果物は、参加した全員が考えた証拠にはならないのです。全員に順番が回る組み方になっているかを確かめると、形式の名前だけでは見えない差が見えてきます。
話し合いの前にある個人の時間
詳しい一人が説明する時間
事前に内容に触れないまま班を組むと、話し合いは、内容を知っている受講者がほかのメンバーに説明する時間になります。説明する側には考えを整理する機会が残る一方、聞く側は講義をもう一度受けたのと近い状態です。新人と経験者が同じ班にいれば、この偏りはさらに出やすくなるのです。用語の意味を確かめるところで時間が終わり、判断の分かれる論点まで進めないうちに、発表の時間を迎えることもあります。
違いを持ち寄る班
集まる前に各自が自分の答えを出していれば、話し合いは、その違いを突き合わせるところから始まります。同じ設問に別の答えを出した理由を聞き、自分の考えを組み直す時間。答えを持って集まった班だからこそ取れる時間です。答えを作る作業を各自が済ませているかどうかは、当日に扱える中身を左右する要素の一つです。
業務シーンを1つ選ぶと、AIが顧客役を務めてあなたと1回の会話を行います。終了後、評価フィードバックを確認できます。
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事前課題が資料配布で止まる理由
配れるのは資料と動画
各自が答えを出してから集まる形にするには、事前課題の側に、選択肢を比べる場面や、判断を書き出す場面を置く必要があります。では、その組み立てを担えるのは誰か。扱う業務を深く知る講師や、現場の中核メンバーです。当日の進行と教材づくりを兼ねている立場では、まとまった時間を取りにくく、資料と動画を配るところで止まりがちです。
回を重ねるほど戻ります
同じ内容を次の期にも実施する場合、制度や製品の変更に合わせて、事前課題にも手を入れることになります。毎回組み直す前提では、この作業は後回しになりやすいのです。手が回らないまま回数を重ねるうちに、読ませるだけの課題に戻っていきます。
事前課題を、読む形から答える形へ
一から書き起こさない下書き
資料の整理や、受講者に答えを求める場面の下書きをAIが引き受けると、事前課題を読む形から答える形へ組み替える負担は軽くなります。業務を深く知る人が、場面や設問を一から書き起こす必要は薄れるのです。空いた時間は、扱う範囲の判断や、想定した状況が実務に合っているかの確認に充てられます。内容を確かめ、公開を認める工程は、引き続き人の側に残ります。
差し替えで済ませる更新
一度作った事前課題に手を入れる場合も同じです。制度や製品が変わったとき、関係する場面だけを差し替える形が取りやすくなり、毎回組み直す前提に比べれば、着手までの負担は軽いと言えます。探して直す手間は残りますが、答える形の課題を、回を重ねても保ちやすくなります。年に何度も同じ内容を実施する領域では、この差が積み上がります。
グループワークの時間は、確認から検討へ
用語の確認から始めません
各自が事前に答えを出した状態で集まれば、当日の話し合いを、用語の意味をそろえるところから始めなくてすみます。答えが分かれた設問を持ち寄り、なぜ違ったのかを検討する時間に充てやすくなります。新人と経験者が同じ班にいても、話す側と聞く側に固定されにくくなるのです。
論点を選ぶ手がかり
事前の回答が残るため、どの内容で理解のずれが起きやすいかも見えてきます。班の組み方や、当日に扱う論点を選ぶ手がかりになります。ただし、この記録が示すのはどこまでか。用意した設問と条件のもとでの受講者の状況にとどまります。現場で同じ判断ができるかどうかまでは、そこからは読み取れません。
重要なポイント
アクティブラーニング型のグループワークが成り立つかどうかは、当日の進行の工夫だけに左右されるものではありません。各自が自分の答えを持って集まれているか。それも、話し合いの中身を分ける条件の一つです。班として一つの結論をまとめても、全員が考えたとは限らないのです。
事前課題に答える場面を置けているか、そして改定のたびの手直しを担当者が抱えきれるか。進め方を選ぶときは、この二点も基準になります。形だけ整えても、手が回らなくなれば、読ませるだけの課題に戻ります。用意し続けられる範囲で組んでおくと、話し合いの形は保ちやすいと言えます。