営業の分割型研修で、試す機会は受講者全員に来ていますか
研修を数回に分けて組み、あいだの期間に現場で試してもらう形を採る組織が増えています。ただ、その機会が来るかどうかは、受講者本人の努力よりも担当先の予定に左右されます。次の回で振り返りを求めたときに、話せる商談を一つも持っていない人が出るのは、ここに理由があるのです。
回を分けても差が開くのはなぜか
設計されているのは各回だけ
分割型研修で回を分ける理由は、二つあります。一度に詰め込まないことと、現場で試す時間を挟むことです。だからこそ各回の内容は細かく設計され、第1回でどこまで扱い、第2回で何を足すかまで、回ごとに決まっているのです。ところが、あいだの二週間に何が起きるかは、各回の設計とは切り離されたままです。該当する商談が三件続く営業担当者もいれば、一件も入らない営業担当者もいます。前者は学んだ内容を試せますが、後者には試す場面そのものが来ないことになります。これは担当先の更新時期や先方の都合によるもので、本人が練習を避けた結果ではありません。それでも第2回では、この二人が同じ席に座るのです。「試してみてどうでしたか」と冒頭で聞かれても、機会が来なかった人には話せる商談がありません。答えられない人が一定数いると、その場は前提を下げたところから始まると言えます。回を分けたのに、第1回の内容が第2回の土台になりません。
用意した機会と、通れた機会
マネージャーの90%が毎月コーチングを行っていると答える一方、実際に受けたと確認できた営業担当者は62%にとどまります(出典:MySalesCoach State of Sales Coaching 2026)。設計した側が用意した機会の数と、受け取った側が実際に通れた機会の数は、同じになりません。
回のあいだに何を置くか
各回の内容は、たいてい細かく決まっています。第1回で扱う範囲、第2回で足す範囲、使う資料と演習まで、回ごとに用意されているはずです。つまり、設計の対象になっているのは各回の中身なのです。回と回のあいだの期間は、この設計とは別の扱いになっています。
あいだの二週間に何が起きるかは、それぞれの担当先の事情次第です。同じ間隔を全員に置いても、そのあいだに通る経験は同じになりません。間隔を設計しても、経験までは設計できていないのです。
分割型研修の候補を比べるときの見方も、ここで変わります。各回の内容の充実度や講師の実績ではなく、あいだの期間に、担当先の都合と関係なく同じ場面を通せるかどうかを見てみてください。受講者が一人で始められる場面がいくつ用意されているか、そのうち何件を第2回の入り口で共有できるかを確かめると、判断がつきます。
あいだの練習も、設計の中に置けます
本番に近い場面の事前設定
UMU AIロープレを活用することで、第1回で扱った内容を、そのまま練習できる場面として用意できます。価格を持ち出された直後の切り返しや、決裁者が同席したときの説明の組み立てなど、扱う場面を回ごとに設定できます。あいだの期間に何を経験してもらうかを、各回の内容と一緒に決められるようになります。
商談が来ない週も、同じ場面を通れます
相手の予定に左右されない練習
AIが顧客役を担うため、練習の相手を探す手間はありません。担当先の予定が入らなかった週でも、受講者は手元の端末から同じ場面に入れます。抱えている商談の数に関わらず、第2回の入り口では、全員が一度は同じやり取りを経験した状態になります。宿題を増やすのではなく、来なかった機会の代わりを置く形です。
次の回の入り口を、事前に確かめられます
練習内容の構造化レポート
練習が終わると、プロセスごとの点数と次に直す箇所を、受講者がその場で確認できます。研修を設計する側は、第2回に入る前に、どの場面で誰が止まっているかを見てから当日の進め方を決められます。AIが受け持つのは反復練習と評価基準の統一までであり、目標の決め方や動機づけは、引き続き人の役割になります。
すでに取り入れている企業の例
高級アパレル分野の大手企業
業種は異なりますが、国内外100都市以上に500店舗超を展開する高級レディースアパレルグループでは、購買の頻度が低く再購入までの間隔が長いため、新人の販売スタッフが高級顧客層と向き合う場面は、来店の巡り合わせに左右されていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、その相手と向き合う場面を練習の中に用意しました。来店の巡り合わせを待たずに、同じ相手との対話に入れる形にしています。
その結果、会員獲得率は前年比42%増加しました(出典:導入企業へのヒアリング)。機会が回ってくるのを待つ状態から、必要な場面に自分から入れる状態へ変わったことが、現場の成果につながったのです。
バイオテクノロジー分野の大手
グローバルに事業を展開するバイオテクノロジー分野の大手企業では、研修と業績が分断されており、受講後に現場で何が起きたのかを確かめる材料がありませんでした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、研修の当日と、そのあとのフォロー期間の両方に練習を置きました。学んだ内容を扱う場面を、研修が終わってからの期間にも用意しています。
その結果、人による評価に頼っていた部分が標準化されたAI評価に置き換わり、構造化された練習レポートから行動変容の兆しをたどれるようになりました(出典:導入企業へのヒアリング)。研修の当日だけでなく、そのあとの期間も設計の対象に入ったと言えます。