携帯ショップのロープレには、後ろで待つ人がいません
携帯ショップのロープレでは最後まで通せたのに、店頭に立つと後半の確認を飛ばしてしまうという話を、接客の現場でよく耳にします。練習と店頭で違っているのは、話す中身ではありません。店内で順番を待つ人がいるかどうかという、練習の場には持ち込まれていない条件なのです。
店頭に立つと、なぜ後半が短くなるのか
練習では最後まで通せます
携帯ショップの接客は、店内に順番を待つ人がいる状態で進みます。一件にかけられる長さは、目の前の相手が必要としていることだけでは決まりません。フロアの混み具合や、ほかの担当者の手が空いているかどうかによっても変わります。つまり一件の長さは、店全体の状況からも決まっているのです。ところが練習の場には、この条件が入っていません。相手役も進行役も、その一件だけに向き合っています。時間を気にせず最後まで通せるため、話し切れたという感触が残ります。時間に余裕があれば丁寧にできる、という状態のまま練習が終わります。店頭では、説明の後半に入ろうとしたところで待っている列が視界に入り、そこから早口になることがあります。確かめるつもりだった項目を飛ばしてしまい、あとから問い合わせを受けて気づくこともあります。落ち着いて話せた日と、そうでない日の差が大きいという実感も、同じところから生まれます。
圧力に名前がついていない
この条件は、練習の設定項目として名前がついていません。相手の性格や、返ってくる断りの言葉は決められます。しかし、店の外側から効いてくる時間の圧力は、設定の対象として意識されにくいものです。しかも、急ぐ練習は雑にする練習のように見えます。そのため、設計の対象として扱われてこなかったと言えます。練習には、外から効いてくる圧力が入っていません。回数を重ねても、この一点が残るかぎり、店頭との差は縮まりにくいままです。
時間に収める力は、どこで身につくのか
身につくのは、区切られた時間の中で最後まで通した回数の分だけです。携帯ショップのロープレに持ち時間を先に決めておくと、どこで時間を使いすぎたのかを店頭に立つ担当者が自分で見つけられます。同じ内容を話しても、時間の枠があるときとないときでは、話の運び方が変わります。枠のない側だけで経験を積んでいると、店頭での運び方は練習の外に置かれたままになります。持ち時間を決めることは、急ぐための仕掛けではありません。店頭と同じ条件を、先に一つ入れておくという意味です。
短くできるのは、自分の言い回しの回りくどさです。伝えるべき内容や、確かめるべき事項を省く話ではありません。相手を急がせるという話でもありません。この線を先に引いておけば、急いでいる日でも落とすものが変わりません。なお、契約の条件や説明の決まりごとをどう読むかについて、このページでは判断を示しません。扱うのは、同じ内容をどう運ぶかという範囲だけです。
そこで問いになるのは、練習の道具の側に、外から効いてくる条件を置けるかどうかです。持ち時間を先に決められるか。時間の中での運び方を、終わったあとに確かめられるか。この二つを用意できれば、練習の場は店頭の条件に近づきます。そろっていなければ、練習は落ち着いた場面の再現にとどまります。
時間を区切った中で、話の運び方を試せます
持ち時間つきの対話練習
UMU AIロープレでは、練習に持ち時間を設定できます。残り時間が画面に出た状態でAIの顧客役と話すため、店頭に近い張りつめた感覚の中で受け答えを試せます。時間が来たときに、どこまで進んでいたのかもその場で分かります。うまく運べなかった回も、相手の都合を気にせずやり直せます。枠の中で最後まで通す感覚を、店頭に出る前に積んでおけるのです。
短くしても、落とさない工程が分かります
工程ごとの振り返り
UMU AIロープレの練習は、最初のあいさつから最後の確かめまでを一通り通す形で進みます。終わったあとには、どの工程で何を話したのかが分かれて残ります。急いだ回と、余裕のあった回を並べて見ると、短くなったのが言い回しだったのか、確かめるべき事項そのものだったのかを見分けられます。短くしてよい先を、その日の記憶ではなく記録から決められます。次に急いだときに、何を残すのかが決まった状態で担当者が店頭に立てます。
店の条件を、練習の設定として置けます
操作だけで作る練習場面
練習の場面は、業務の担当者がそのまま設定できます。相手の話し方や急ぎ具合、持ち時間の長さを画面の操作だけで決められるため、技術部門への依頼を挟まずに済みます。店内が混み合う時間帯の条件も、その週のうちに練習へ入れられます。思い出しながら再現するのではなく、条件として置いたまま繰り返せます。置けるのは練習の条件までです。当日の店内をどう見て動くかの判断は、現場に残ります。
時間の制約を練習へ持ち込んだ企業
抗体医薬品を扱う企業
抗体医薬品を主力とし、自己免疫の領域を受け持つ企業では、医師と会える時間が短く、話の途中で切り上げられる場面が続いていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、時間に追われた相手との面談が途中で打ち切られる場面を、何度でも練習できる形にしました。
扱う商材は携帯ショップと異なりますが、時間の制約がある接客を練習に持ち込んだ点は同じです。
子ども靴の店舗を持つ企業
子ども靴を扱う小売企業では、本部がまとめた案内の順序が、店舗の接客の場面まで届いていませんでした(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、来店から購入を決めるまでの流れを練習の場面にし、急いでいる顧客を含む複数のタイプをAIが演じました。
扱う商品は携帯ショップと違いますが、急ぐ相手との接客をそのまま練習に置いた点で重なります。どちらの事例も、成果を表す数値はここでは扱っていません。