新人営業マンの育成で、手本になる相手まで決められていますか
新人営業マンの育成は、誰が教えるかを決めることから始まります。指導役を置き、同行の予定を入れ、面談の頻度も決めます。一方、新人が一日の大半を過ごすのは隣の席です。電話の受け答えも訪問前の準備も、いちばん近くにいる人のやり方が基準になります。教える人は決められますが、真似る相手までは決められないのです。
教えた手順と違う動きは、どこから来るのか
教わった相手の名前が違います
現場に出た新人が、教えたはずの手順とは違う順番で動いていることがあります。指導役に確かめても、そう伝えた覚えはないと返ってきます。では、それはどこで覚えたのかと本人に尋ねると、指導役ではない担当者の名前が出てきます。席替えや担当の入れ替えのあとに、進め方が急に変わることもあります。育成の設計は、誰が教えるかを決めるところから組み立てられます。誰を指導役に置くのか、いつ同行するのか、面談をどの頻度で持つのか。ここまでは決められます。決められないのは、新人が一日のうち最も長く見ている相手のほうです。電話をかける前の間の取り方、訪問前に何を確かめてから出るのか、断られたあとにどう立て直すのか。こうした細かい動きは、教わる時間ではなく、隣で見えている時間のなかで身についていきます。
近くの一人が基準になります
たとえば、配属から二週間の新人が、初めて自分で電話をかける場面があります。隣の席の担当者が受話器を置いたところで、その言い回しをそのまま使います。その担当者の進め方に問題があるわけではありません。ただ、新人がその場で選べたのは、たまたま聞こえていた進め方だけだったと言えます。
見えている範囲は、誰も決めていません
誰の隣に座るかは、座席の空き具合や担当の分け方で決まります。育成とは別の理由で決まっているため、その席から何が見えるかは、設計の対象に入っていません。配属の判断そのものに良し悪しがあるという話ではありません。そこに何が入っているかを確かめる手順が、どこにも置かれていないのです。
新人が見ている範囲に何が入っているかは、記録として残りません。指導役の同行であれば、何をどう伝えたかをあとから振り返れます。一方、隣の席で交わされたやり取りは、誰の手元にも残らないまま流れていきます。育ち方に差が出たとき、その差がどこから来たのかをたどれません。
対応として思いつくのは、指導役を増やす方向です。ただ、指導役を増やしても、新人の隣に座る人までは入れ替わりません。マネージャーが手をつけられるのは、見えている範囲のほうです。近くの一人だけでなく、他の担当者がどう進めているかを新人が見られる形をつくれるか。用いる仕組みに求めるのは、この一点になります。なお、どの育成のやり方が優れているか、公的な制度や資格の位置づけがどうなっているかは、本ページで判断を示すものではありません。
手本になる進め方を、先に決めておけます
自社の基準を組み込んだ採点
UMU AIロープレでは、自社で確かめた面談の進め方や、押さえておきたい言い回しを、AI側の採点の基準として設定できます。新人は、その基準に沿った場面を相手に練習します。手本が近くの一人に限られず、組織として置いた基準の側から返ってくる形になります。
身についた中身を、記録から確かめられます
練習の記録とチームの傾向
練習のたびに、どの場面でどう応じたかが記録として残ります。マネージャーは、面談の前にその記録を読み、本人がどこで止まっているかを確かめられます。隣で交わされたやり取りと違い、あとからたどれる形で残るため、育ち方の差がどこから来たのかを本人と話し合えます。
隣が誰であっても、同じ場面に届きます
順番待ちのない同時の練習
AIとの練習は、人数の上限を設けずに同時に進められます。配属先や座席が違っても、同じ場面を同じ基準で経験できます。何を手本にするかを新人自身が選べるようになり、近くにいる相手によって育ち方が偏りにくくなります。置き換わるのは、練習する場面をつくる部分と、採点の目安をそろえる部分に限られます。目標の決め方や、本人の気持ちに向き合う場面は、これまでどおりマネージャーが受け持ちます。
手本を一人に限らなかった例です
生命保険の国内大手
生命保険の国内大手では、営業職員が全国に分かれており、どの拠点にいても同じ目安で練習できる場を用意することが課題になっていました(出典:導入企業へのヒアリング)。
そこでUMU AIロープレを活用し、自社で体系化していた営業の進め方を、何度でもやり直せる練習の場面に置き換えました。
営業職員は、スマートフォンから場所を選ばずに同じ場面へ入れるようになりました。近くにいる人の進め方だけでなく、会社として定めた進め方にも触れられる形です。成果を示す数値は、ここでは取り上げていません。
ワクチンを扱う医薬品企業
ワクチンを扱う医薬品企業では、営業が販売代理店を含む形で各地に分かれており、本部が用意した内容が現場でどこまで同じように行われるかは見えていませんでした(出典:導入企業へのヒアリング)。
同社もUMU AIロープレを活用し、社内の営業と代理店のメンバーが、同じ訪問の場面で練習できる形を整えました。
所属や担当が分かれていても、一人ひとりが同じ場面を相手に練習し、その場で個別のフィードバックを受け取れるようになりました。隣にいる一人の進め方だけが手本になる状態を、共通の場面で置き換えた形です。効果を表す数値については、この記事では触れていません。